「熟年」だからこそ!? 40代の不倫とは何かが違う?
女優・鈴木杏樹さん(50歳)の不倫が発覚した。既婚の俳優・喜多村緑郎さん(51歳)とコンビニでの買い物から海辺の公園でデート、いちゃいちゃしたあげくにラブホへなど、さまざまな場面で「恋するバカップル」ぶりを発揮してくれている。
だがこの「はしゃいでしまっているカップル」の図式、どこかで見たことがあるような。そう、3年前の女優・斉藤由貴さんのダブル不倫騒動である。このときは相手の医師が、彼女の下着をかぶっている写真まで報じられた。
それぞれ50代同士のカップル。分別もあるだろうに、なぜか世間から「バカップル」と思われるような行動をしてしまうのだ。
バカなことをできる年代なのか!? キョウコさんの場合
恥ずかしい話ですが、と前置きして話してくれたのは、キョウコさん(53歳)だ。スレンダーでファッションセンス抜群の彼女は、ヨガのインストラクターをしているという。生徒として来ていた同い年の男性と恋に落ちたのは3年前。「わかるんですよね、無意味にはしゃいでしまう気持ちが。久しく恋なんてしたことがなくて、大好きな人と出会えてうれしくてたまらない。まるで初恋みたいな気分なんですよ。私の相手も当時、私の下着をかぶってはしゃいだりしていました。それを写真に撮って。50歳を越えて、もう人生も残り少ない。周りでも病気になったり亡くなったりする人が多くなるんです。自分の残りの人生を考えたりしているとき、思いがけずに恋が降ってきたんですから、楽しくて楽しくて」
彼女自身も結婚していて、就職したばかりのひとり息子がいたが、もう子どもに手はかからない。しかも息子は就職と同時に遠方での研修となり、家を出て行った。夫婦ふたりきりの「老後」が始まったと痛感しているときの恋。
「若い人たちみたいに冷めてないですからね、私たちの世代は。恋には全力投球。いや、不倫だって恋ですから。当時はそう思っていました」
彼女の場合、つきあって1年半ほどで相手の妻にバレてしまい、恋は「強制終了」となった。彼はヨガをやめ、それ以来、まったく会っていない。
「妻は僕のことが好きなわけでもないのに怒りまくっている。結婚している立場というのは、首輪をつけられた犬みたいなものなんだ」
彼は最後にそう言って去ったそうだ。なかなかの詩人である。
彼女は仕事としてインスタラクターを続けながら、ときおりあの恋を思い出す。今も涙で枕を濡らす夜もあるとか。こちらもまた詩人だ。恋は人を夢見がちにし、詩人にするのだろう。そして、現実をよくわきまえている熟年の大人だからこそ、ロマンスに埋没してしまうのではないだろうか。
とにかく夫が恥ずかしかった……ミナミさんの場合
一方、夫が恋をしてはしゃいでいるのが恥ずかしくてたまらなかったというのは、ミナミさん(50歳)だ。4歳年上の夫の態度がおかしいと感じたのは3年前。深夜にこっそり夫の携帯を覗くと、「見なければよかった」証拠写真と、恥ずかしすぎるメッセージのやりとりがこれでもかというくらい保管してあった。
「夫が裸でネクタイだけ頭に巻いていたり、彼女の下着を身につけようとしていたりする動画とか、お互いにどんなに感じたかとセキララに言い合ったりするメッセージとか。正直、恥ずかしさを通り越して呆れました」
ミナミさんは思わず、そのメッセージのやりとりに「バカップル、いいかげんにしろ!」と書き込んでしまったという。
翌朝、夫はふだんと変わらない様子で出勤したが、帰ってきてからはむっつりと黙ったまま。ミナミさんはそんな夫に、いつもと同じように接した。
「ふたりとも私が書き込んだのはわかっているはず。でも夫が何も言わない限り、私もその話題には触れませんでした。その後、ふたりがどういう話し合いをしたのかわかりません。夫は一時期、非常に落ち込んでいましたが、今はごく普通に暮らしています。日曜日にスーパーに行くときなど、『荷物もちに一緒に来てよ』というと来てくれますよ(笑)。ただ、昨年、3人の子のうちふたりが自立して家を出たのを機に寝室を別にしました」
夫は内心、戦々恐々としているのだろうか。それとも失った恋の思い出に浸ったりしているのだろうか。
「実は先日、夫が子犬を譲り受けてきたんです。今は子犬を一緒に育てるのに夢中で、話題が増えました。夫は子犬相手に赤ちゃん言葉を使ったりしています。その様子を見ていると、これも恋愛の延長なのかしらと複雑な気分になりますけどね(笑)」
ラブロマンスにうつつを抜かす夫と現実的な妻。妻に不倫された夫とはまた違った感覚が、不倫された妻にはあるのかもしれない。