家づくりにおいて「どんな家を建てるか」と同時に考えなければならないのが「どんな土地を選ぶか」。特に注文住宅の場合は、土地の形や場所によって間取りや高さなどが制限されるケースも多いため、理想の家のイメージも同時に進める必要があります。

そこで今回は、土地、一戸建て、マンション等の不動産仲介を行う住友林業ホームサービスに、理想の注文住宅を建てるための土地の探し方をうかがいました。一般的な仲介会社にはない、住友林業グループの総合力を活かしたアドバイスにも注目です。
 

スタートは希望エリアとその他の優先条件決めから

お話をうかがったのは、住友林業ホームサービス町田店、係長の藤本 南さん。2009年の入社以来この仕事を続けており、自身も土地の購入を経験しています。
住友林業ホームサービス

住友林業ホームサービス 藤本 南さん

土地探しの最初の一歩は何から始まりますか。

「まずは情報収集です。私たちの店舗では、インターネットに掲載された情報をご覧になったお客様から『この物件を見たいのですが』とご連絡いただくところからスタートするのが大半です。

ほとんどの方がエリアを決めてチェックされていますが、ただ、最初から厳密に絞り込み過ぎていると見つけにくい場合も。例えば、○○駅から○○駅までの間で駅から徒歩10分圏内、○○市の○○○○のあたりで商業施設が近い、閑静な住宅街が良い、ぐらいのざっくりした設定で構いません。そうした条件をふまえて、私たちが複数の候補をご提案致します」
 
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住友林業ホームサービスはオリコン顧客満足度ランキング(不動産仲介 売却 マンション)2016年・2017年・2019年第1位


この段階で、あまり詳細な条件は必要ないのでしょうか。

「私どもに問い合わせをいただく段階では、条件の優先順位がついていれば結構です。例えば、駅からの距離が最も重要で、次は広さ、三番目が日当たり、といった感じです。ただ、ご夫婦、お子さんの意見がバラバラだと話が進みませんので、あらかじめある程度意見を合わせておくことをおすすめします。また、現地を見学するときはできるだけご家族全員で見学して、意見を交換していただくと良いでしょう。実際の土地を見ると、また考えが変わったりすることもありますので」

見学する土地の数に目安はありますか。

「だいたい4~5件、多くても10件未満です。中には、なかなか決まらずそれ以上の件数をご覧になる方もいらっしゃいますが、時間がかかり、疲れてしまう場合も。長引きそうな場合は、このエリアで見て気に入った土地がなければまた他のエリアで、と視点を変えてみるのもひとつの手です。

見学にかける期間にこれという目安はありませんが、条件がある程度絞られていて、ちょうどそれに見合った土地があれば1日で決まってしまう方もいます。一般的には、およそ2ヵ月ぐらいでしょうか。それ以上になると見学することに疲れてしまって、一旦購入自体を保留にする方も。推奨しているのは1ヵ月~2ヵ月以内ですね」

 

家のイメージ、資金計画、ハウスメーカーも考えておく

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住友林業ホームサービス町田店
 

そして、土地探しを始めるにあたり、建てたい家のイメージと、おおよその資金計画を同時に考えておくことが大切だと藤本さんは話します。

「家のイメージは、それほど詳細である必要はありません。間取り、大体の広さ、庭はこのくらい欲しい、といった内容で結構です。それを伝えていただければ、そのイメージが実現しやすい土地をご案内することができます。

そしてもうひとつ大切なのが資金計画。やはり、土地と家の総額をどのくらいまでにしたいか目安がないと、土地を決めきることができませんからね。総額でどのくらいの予算を考えているか教えていただければ、より適切な土地をご提案できます。総額でなくても、例えば月15万円くらいまでなど、月々いくらくらいローン返済に充てたいかで結構です。あわせておよその自己資金、贈与額なども分かれば、逆算して予算に合った土地をご提案できます。

なお、この段階でおすすめするのが、土地探しスタートと同時に、住宅ローンの事前審査を銀行に依頼すること。住宅ローンは土地の費用だけではなく、土地代と家の建築費の総額で申し込みます。

住宅ローンの事前審査でいくらまで借りられるか分かっていれば、気に入った土地が見つかった時、すぐに手を挙げやすくなります。事前審査を後回しにすると、気に入った土地があったけれど、その後の審査が通らず買えなかったというケースや、逆に、むしろ予算的に余力があり、もっと好条件の土地を視野に入れられたかもしれないと気づくケースもあります。

そうした後悔のないよう、資金計画を分かる範囲で明確にしておくことが大切なポイントです。銀行はお客様ご自身で探す、あるいはお勤め先の提携銀行などでも良いのですが、不動産会社経由ですと金利の優遇措置が得られることもありますし、手続き等、私たちがお手伝い致しますのでお客様の負担は減らせると思います。

さらに、これは後のフローにもつながりますが、土地探しをしながらハウスメーカーも絞っていただくと、家づくりのプロセスに無駄が少なくなります」
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土地探しを始めたタイミングでハウスメーカー選びも考えたい
 

高低差、擁壁(ようへき)、境界線…現地には多くのチェックポイントが

では、実際に土地の見学に行った時、現地でどんな点を見るべきでしょうか。

「まずは、日当たりや風通しです。周囲にどのくらいの大きさの建物があるかで推測できますし、季節によって異なる太陽の高さもふまえてアドバイス致します。

次に、土が盛られていた場合の高低差、敷地と道路、敷地と隣地との高低差もチェックポイント。もちろん、このあたりは私たちも同行しておりますので、一緒に見ながらお伝えしていきます。また、土地が高くなっていた場合、盛り土の高さを周りから支える擁壁のつくられ方や、その擁壁がそのまま使えるのか、つくり直さなければならないかなどもご説明致します。
 
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高低差のある土地は要注意
 

また、注意したいのが隣地との境に立っている塀です。高さがあると地震で倒れてしまう危険性も。倒れるリスクを減らすため、内側に補強の壁を新たに設けることもありますが、そうすると敷地が狭くなり、建てられる家がイメージより狭くなることもあります。そのまま使っていいのか、手を加えるべきなのか、私たちが確認致します。併せてトラブルの元になりがちな、隣地との境界を示す境界線があいまいになっていないかも調査します。

見落としがちなのが、以前そこに建っていた家の家主が、近隣と良好な関係だったかどうか。万が一何らかのトラブルがあったりすると、新居を建てた後も何かしらの影響があるかもしれません。これは私たちに聞いていただければ確認致します。

土地は、何も建っていない更地もあれば、まだ建物が建ったままの場合と半々くらいです。建物があると当然解体撤去の費用がかかります。売主負担なら良いのですが、買主負担ですと、解体撤去費用がどのくらいかかりそうか、さらに、庭石や庭木があった場合はどうかなども注意しなければなりません」
 

住友林業グループならではの観察眼でリスクを回避

土地の見学の際、住友林業グループの不動産仲介会社ならではのメリットはありますか。

「お客様、私たちに加えて、住友林業の住宅営業の方が土地見学に同行するケースも多く、不動産仲介会社だけでは見つけにくいポイントをお客様にアドバイスすることができます。

例えば以前、比較的新しい高低差のある造成現場で、地面の内部に入り込んでいた擁壁を見つけたことがありました。外から見た時は盛られた土が崩れないように設けられた擁壁があるだけだったのですが、詳しく調べてみると、その擁壁はL字型で、土地の底に入り込んでいたのです。それと気づかずに家の基礎を打ってしまうと、底版に阻まれてしまい、家の位置をずらさなければならなくなるところでした。そこで、違う土地をご提案して、より理想に近い家を建てることができたのです。より多くの目で見ることでリスクを回避できたのです。

ほかにも隣の家の擁壁の安全性に疑問があったため、万が一倒れてきた時に新築の家を守る擁壁の費用も見込んで工事費の見積もりを出したことも。それなりに大きな金額になりましたので、事前に予算に組み込めたのは良かったと思います。後から発覚したら、資金計画の練り直し、家の設計変更も余儀なくされたかもしれません。

さらに、一般的に人気の南面道路の土地ではなく、敢えて北や東側に道路が付いた土地をおすすめしたことも。これも、住友林業の住宅営業からのアドバイスがあればこそだったと思います。

不動産仲介会社だけですと、やはり、人気の南面道路の土地をすすめてしまいがちです。しかし、住宅営業は、完成した家で実際に暮らし始めた生活シーンをイメージできるので『このお客様のライフスタイルなら必ずしも南面道路である必要はなく、北・東側道路の土地など、選択肢を広げて提案できる』と気づき、南面道路ではなく、北側道路を提案することで費用も抑えることができました」
 

土地や周辺環境の調査レポートで最終チェックも

この土地に決めよう!と決定する段階では、住友林業ホームサービスが作成した、土地、周辺環境、人口統計などの調査レポートを使って、手軽に詳細なチェックをしていただけます、とのこと。
住友林業ホームサービスがお客様用に制作している詳細な調査レポート

住友林業ホームサービスがお客様用に制作している詳細な調査レポート(例)


「例えば周辺環境のレポートでは、半径1km圏内のスーパー、コンビニ、教育、介護、役所、医療など各施設までの距離や緑地の割合、過去3年間の日照時間、気温等を網羅しています。

また、土地の調査では、近くの活断層までの距離、浸水の可能性、周辺の避難場所・避難所、さらに古地図による土地履歴の情報を提供します。

さらに統計の調査では、半径1km圏内の人口、世帯構成、駅の乗降客数、公示地価、合わせて将来的な推計人口等もチェックしていただけます。

これらの詳細なレポートで最終候補の土地を絞り込み、実際に土地から最寄り駅まで歩いてみてかかる時間を計ったり、昼、夜と異なる時間帯で現地とその周辺をチェックされたりすると良いでしょう」
 

重要事項説明の前に、着工後のトラブル対策をクリアに

では、土地が決まった後は何をするのでしょうか。

「まずは購入申込書に、売主に対する希望条件を書いて提出していただきます。例えば3000万円のところを、私は2800万円で買いたいといった購入希望価格や契約時に必要となる手付金の希望額、さらに建物がある場合、解体撤去費用を売主側で負担してもらえませんか、といった意思表示ができます。購入申し込みから契約までは、長くても1週間くらいが一般的ですね。

そして、いよいよ契約。契約前に、重要事項説明が行われますが、それまでに住宅工事着工後の予期せぬ出来事、例えば、隣地の水道管が敷地の下を通っていた、建物解体時に貴重な文化財が出てきたといったトラブルが生じた際の対応策を確認しておきましょう。重要事項説明の段階で初めて聞いた、では契約を結ぶことができません。
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着工後のトラブル対策は契約までにクリアにしておきたい
 

その後は、土地代金の5~10%の手付金支払い、契約書への調印、住宅ローン申込書を準備して、本審査へ移ります。事前審査の時点と内容が変わらなければ、本審査はまず間違いなくパスします。

なお、住友林業で家を建てるお客様は、仲介手数料の割引制度が適用される場合があるのに加えて、私たちと住友林業がプラン、見積もりなど連携して手続きを代行させていただくことができます。他のハウスメーカーで家を建てる場合ももちろんお手伝いはさせていただきますが、グループ内ならよりスムーズですし、お客様の負担が減るのは確かです」
 

家のプランづくりも同時に進めて“二重の負担”を回避

その後は、住宅ローンの承認、銀行との契約や残金決済、所有権の移転など最終的なプロセスへ。

「住宅ローン承諾を受け融資証明書が発行されたら、金銭消費貸借契約を結びます。銀行との住宅ローン契約、さらに売主、買主、私たちも加わって土地を最終確認する、現地立会いを行います。そして土地の所有権移転、抵当権設定登記。その際に手付金を除く残りの土地代金をお支払いいただく残金決済も行って、ついに土地がお客様のものとなります。

この時点から土地の分のローン返済が始まるため、例えば賃貸に住んでいる方は、家賃と土地のローン、二重の負担が発生することになります。もちろん、そうした期間はできるだけ減らしたいので、土地が手に入ったら、できるだけすみやかに住宅建築を始めたいところです。
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二重の負担を回避するため、いつ頃から住みたいかを逆算してスケジュールを立てたい
 

そのためには、土地の契約を済ませ、住宅ローン申込をしたタイミングから、ハウスメーカーと家のプランについて綿密な話し合いを進めておくことが不可欠です。家の設計を確定させておけば、土地の所有権移転後、すみやかに住宅建築に移ることができます」

土地を探し始めた時点から「どんな家に住みたいか」「予算」「どのメーカーで建てるか」なども、可能な範囲で決めておくことが理想の注文住宅を手に入れる近道と言えそうです。

最後に、今回藤本さんにうかがったお話を改めてフローチャートに整理しておきます。家づくりを考えている方は参考にしてください。
 
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<関連サイト>
中古マンションや一戸建て、土地など不動産の売買は「すみなび」
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