結婚を繰り返す人は、結婚に何を求めている?
タレントの上原さくらさん(42歳)が、4度目婚をしたという。好きになると結婚し、合わなくなると離婚を繰り返してきたのだろう。自分に正直というか、とにかく「幸せな結婚」を求め続けているのかはわからないが、何度でもチャレンジする気概があるということか。
結婚も離婚も、非常にエネルギーが必要だ。何度も結婚する人は、結婚に何を求めているのだろう。
3度目だけど、何度でもしたい
好きな相手と「結婚」をしていたいミチヨさんの場合
「結婚、いいですよね。私は何度でもしたいと思っています」
そう言って笑うのは、ミチヨさん(41歳)。25歳で結婚して3年後に離婚、30歳で2度目の結婚をして娘をもうけたものの36歳で離婚。そして1年前に3度目の結婚をした。9歳の娘の後押しがあったのだという。
「娘第一ですから、娘が反対したら結婚しませんでした。今の夫は15歳年下なんです。だから長続きするかどうかわからないと最初から思っています。夫は一生愛すると言っていますが、人の気持ちは変わりますから」
惚れっぽいけど冷めやすいわけではないと彼女は穏やかに言った。
「好きという気持ち、相手を大事にしたいという情熱がなくなったら、もう一緒にいられないなと思うんですよ。みんな我慢して結婚生活を送っているのかもしれないけど」
彼女は父親の仕事の都合で、10代の大半をヨーロッパで過ごした。周りの友だちの親たちの大半が離婚したり再婚したりを繰り返しているのを目の当たりにし、「正直でいい」と思ったそうだ。
「私の両親は仮面夫婦でしたから(笑)、世間体を気にして離婚しないより自分に正直に生きたほうがいいと思ったんです。私が離婚再婚を繰り返しているのを見て、母は、継続は力なりっていうのよと説教しますが、仮面夫婦を継続してもたいしていいことはないと思うし、それをいちばんわかっているのは母なんじゃないかとも思う。説得力がありませんよね」
好きになったら一緒にいたいから結婚する、合わなくなったら離婚する。彼女は軽やかにそうやって生きてきた。だから3度目の結婚も、いつ失っても後悔はないという。
「シンプルに生きたほうがいいと思う。まあ、別に結婚という形をとらなくてもいいんですが、そこは案外マジメなので(笑)、やはり公明正大に社会制度に乗っかろうかなと思っています」
“結婚”をどうとらえるかで、生き方は変わってくるのかもしれない。彼女のように愛情ベースで考えれば、結婚離婚を繰り返すのもやむなしということだろうか。
結婚は1度だけど、同棲は4度目
「結婚」という制度には興味がない……カホさんの場合
結婚という制度はとらないけど、パートナーと同居するのは結婚も含めて4度目だという女性もいる。カホさん(43歳)だ。
社会人になったばかりの20代前半で同世代の彼と結婚を前提に同棲したが、互いに仕事が忙しくて2年で破局。29歳のときに結婚して一児を授かった。
「唯一の結婚相手が浮気三昧で。頭に来て、子どもが3歳のときに追い出して離婚。その後、仕事で知り合った同い年の独身男性と一緒に住みましたが、この人とも4年ほどで別れました。お互いを思いやり、やさしくできる期間って、せいぜい3、4年なのかもしれませんね」
お互いのワガママが出てくるようになると、カホさんは嫌気がさしてしまうという。もちろん、自分自身に対してもだ。いつも互いの愛情が新鮮でないと我慢できないタイプなのかもしれない。
「今の彼は5歳年下。仕事の関係で週末同棲なんです。平日は子どもとふたりでのんびり過ごし、週末は彼と3人で過ごす。彼はサッカーがうまいので、子どもがすごく尊敬しているんですよ。このくらいの距離感があったほうが長続きするかもしれませんね」
制度としての“結婚”にはもうあまり興味はないが、パートナーはほしい。カホさんが4度目の同棲で得たのは、適度な距離感が愛情を長持ちさせるという事実。
かつて結婚に生活の保障を求める時代もあったが……
結婚や同棲に「生活の保障」を求める時代ではない。自分が求めるパートナーシップと相手の求めるそれが一致しているかどうか、そこが重要なのかもしれない。
結婚さえすれば幸せになるわけではない。結婚を繰り返している人こそ、そのことをきちんとわかっているのではないだろうか。