子どもを預けられる親族などはおらず、保育園にはなかなか入れない状況です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回は、夫が自営業で働きケガをしたため収入が下がってしまったという奥様からの相談。子どもが小さいため妻も働けず貯金を切り崩しているとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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少し前まで、子どもが寝てから夜勤のパートに出て月3万円の収入を得ていましたが……

少し前まで、子どもが寝てから夜勤のパートに出て月3万円の収入を得ていましたが……




■相談者
ほかほかあんまんさん(仮名)
女性/専業主婦/45歳
関東/借家
 
■家族構成
夫(43歳)、子ども(3歳)、猫
 
■相談内容(原文まま)  
主に家計の改善、今後の住宅の選択、子どもの学費についてご相談させていただきたいです。夫は6年前から個人事業主として働いている職人です。半年前までは請負で、親会社から日当1万7000円×出勤日数をもらっていましたが、ケガをきっかけに日当1万4000円の別の仕事に変わりました(今後、また元の職に戻ることも可能なようですが、目処は立っていません)。

当然ですが個人事業主ですので、交通費・道具代・各種税金も自分持ちのため、換算すると現在は手取り27万円ほどです。私は妊娠出産を機に仕事は辞めており、夫の個人事業の経理を担当し、専従者として毎月5万円をもらっています(当然それも生活費にすぐに合算されます)。

少し前まで、子どもが寝てから夜勤のパートに出て月3万円の収入を得ていましたが、1年続けて体調を崩して退職しました。子どもを預けられる親族などはおらず、保育園にはなかなか入れない状況でしたが、間もなく順番が回ってきそうなので、いろいろと仕事を探しているところです。もしも保育園に入園できなくても、2020年春には幼稚園へ入園できるよう手続きをすすめています。
 
貯金についてですが、この半年間に夫がケガで働けない期間が数カ月あり、約150万円の貯金を切り崩してしまいました。現在ある貯金は、子ども名義の口座に親戚などからいただいたお祝いと児童手当をそのまま貯金していたものなので、これはできるだけ手をつけたくないと考えています。

支出項目で入力したもの以外にも、不定期にかかる特別費(半年に1度の放送受信料、車の保険、来春の車検積立分も全部使ってしまったので、これから貯める必要あり、所得税支払いの積立、アパートの保険、交際費等)をならすと、毎月4万円は赤字です。

私自身の医療保険にも入るべきだと思うのですが、毎月の支払いに追われて後回しになっています。また、夫がケガなどで働けなくなれば、現在の貯金はあっという間になくなってしまいます。私がフルタイムで働いた方がいいのは重々承知ですが、夫の休みは日曜のみで、家事育児はワンオペのため、自身の負担増を考えて16時までの時短勤務で探しています。

これらを踏まえて、家計の改善点と保険や住宅取得の時期と資産のつくりかた、子どもの学費の確保についてアドバイスをいただけないでしょうか。先々の不安ばかり、お金の心配ばかりしていて、可愛いさかりの子どもとの貴重な時間を楽しめていない……そんな状況を少しでも良くしたいです。よろしくお願いします。

■家計収支データ
相談者「ほかほかあんまん」さんの家計収支データ

相談者「ほかほかあんまん」さんの家計収支データ



■家計収支データ補足
(1)収支について
総収入が手取り27万円ほどです。ここから私の専従者給与を支払い、すぐに生活費に入れるという形です。児童手当は手をつけずに貯金しています。特別費の合計は、年で約40万円ほどです。放送受信料、賃貸保証会社料、賃貸火災保険料、所得税支払い、住民税年払い、(夫)一人親方労災保険、冠婚葬祭・交際費、自動車保険年払い、車検積立、家電買い換え、医療費等。固定費に入るものもありますが、年払いにしているものが多いため、夫の収入が減額するまでは毎月5万円ほど積立をして、そこから支払うようにしてまわしていました。現在はその積立ができない状態です。
 
(2)住居費について
住宅購入は希望しています。2000万円くらいまでの中古住宅購入を目指していましたが、夫の年齢、収入的にも現状では諦めています。それぞれの実家はすでにありません。
 
(3)車両費について
車は軽自動車1台のみです。あと8年ほどは、乗りたいと考えています。買い換える際の予算は、180万円程です。
 
(4)加入保険について
●夫
①定期保険=毎月の保険料 6480円/月
②がん保険=毎月の保険料 4452円/月

(5)教育費について
子どもの進路は高校までは公立で、以降は本人の希望に沿えるよう、文系私立大学までのお金は用意したいと考えています。
 
(6)家族の小遣いについて
5万円となっておりますが、これは主に夫が仕事でかかる経費です。夫の飲食費、タバコ代も含みますが、仕事道具、交通費が大半を占めています。

(7)雑費について
猫を飼っていてその飼育費、子どものオムツなどが大きいです。
 
(8)食費について
米を月に20kg消費するほど、夫は肉体仕事だからと大量に食べます。子どもも食べるようになってからは国産のものをできるだけあげたいと思うようになって、なかなか減額できません。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 年払いを毎月払いにして、家計の平準化を。来年4月から再スタート
アドバイス2 教育費はなんとかなるが、老後資金の目途は立たない
アドバイス3 収入合算しても住宅購入は難しい。収入アップは不可欠
 

アドバイス1 年払いを毎月払いにして家計の平準化を。来年4月から再スタート

ご主人の収入減をきっかけに、家計が変わってしまったことが大きな要因ですが、そのことは承知されておられるので、今、できることを一つ一つ解決していくしかありません。
 
これまで年間40万円かかっていた特別費のうち、年払いのものは、できるだけ毎月払いに変更し、家計の平準化を図っていきましょう。毎月4万円の赤字とのことですが、現在の収支で、約1万9000円が使途不明金になっています。細かく家計を管理されているとは思いますが、今は1000円、2000円も見逃さず、家計把握を改めて行ってください。その上で、毎月1万円は貯蓄する(結果的に支払いに回ったとしても)ことも意識してください。
 
今すぐに赤字解消は難しいと思いますが、来年4月からお子さんが幼稚園に入園できれば、そこから再スタートが切れます。今は、家計を把握して、手続きなどできるところから進めてください。
 
その際、新たな出費にはなってしまいますが、夫婦それぞれ医療保障は確保してください。ご主人のがん保険は解約。共済なら2000円程度で最低限の保障は得られます。今、ご主人だけでなく、ほかほかあんまんさんが病気になられたりすると、生活、家事育児が立ち行かなくなる可能性もあります。今ある貯蓄はお子さんのために手をつけたくない、という意思を持っておられるのは立派ですが、いざというときに、取り崩さなくてもいいように、最低限の医療保険だけは加入してください。
 

アドバイス2 教育費はなんとかなるが、老後資金の目途は立たない

幼稚園については、幼児教育無償化がスタートしていますので、幼稚園費用は基本的にはかからずにすむでしょう。入園を機にパートに出られることができれば、そこからが貯めどきです。8万円程度の収入を得ることができれば、ご主人の収入と合わせて月35万円。特別支出用に4万円積立をし、児童手当と合わせて4万円は貯蓄に回すことができます。まず、赤字解消と毎月の貯蓄のためには、8万円の収入アップはどうしても必要です。
 
ただ、毎月4万円の貯蓄では、教育費の確保が難しくなってきます。ご主人が元の職に戻れる可能性があるなら、その目途を立てて少しでも収入アップを目指してほしいです。ほかほかあんまんさんも、パート収入10万円、できれば厚生年金に加入できる働き方を検討してほしいと思います。
 
毎月6万円貯蓄できれば、教育費はなんとかクリアできます。毎月6万円貯蓄で年間72万円、お子さんが大学を卒業するまでの18年間で、約1300万円貯めることができます。教育費として小学校から高校まで公立、大学は私立文系とすると、少なくとも900万円が必要です。1300万円から差し引くと残り400万円。この間、車の買い換えで200万円使うとすると、残り200万円。これに現在の貯蓄130万円を加えると、お子さんが大学卒業時点で残るお金は330万円。ご主人61歳、ほかほかあんまんさん63歳です。
 
この試算も、ご主人の収入アップ、ほかほかあんまんさんも収入アップ、毎月6万円の貯蓄ができるという前提での話です。ご主人は個人事業主ですから、何歳まででも働けますが、それでも限界はあるでしょう。老後資金の道筋は、立てにくいのが現状です。
 

アドバイス3 収入合算しても住宅購入は難しい。収入アップは不可欠

貯蓄が進み、教育費の確保ができた段階で、もし住宅購入するとしても、ご夫婦の収入を合算して住宅ローンを組むことになりますが、ローン審査が通るのは難しいかもしれません。仮に借りられたとして、頭金200万円、住宅ローン1800万円を借りると、毎月の返済額は8万円となり、現在の住居費より高くなってしまいます。そうしたことを考慮しても、住宅購入は難しいと言わざるを得ません。
 
逆に、現在借りている賃貸住宅は、そこでなければ仕事に差しさわりがあるのでしょうか? 仕事場にもなっているのでしょうか? そうでなければ、公営住宅への住み替えを検討してみてもいいのではないでしょうか? 
 
まずは、ご主人の収入アップ。来年4月から、ほかほかあんまんさんは最低月8万円、できれば月10万円以上の働き方を目指してください。そのためには子育てにご主人の協力は欠かせません。現状維持では前に進むことができません。来年4月、ほかほかあんまんさんが、仕事に就くことができたら、もう一度、相談をお寄せください。その時点でもう一度、計画を立て直しましょう。
 

相談者「ほかほかあんまん」さんより寄せられた感想

このたびは貴重な機会をいただきありがとうございました。深野先生からのアドバイスを読んで、文末のあたたかいお言葉に思わず目頭が熱くなってしまいました。具体的に月払いにして月の出費をならすこと、全く考えていませんでした。確かにその方が臨機応変に対応できますね。早速取り組みます。住居も公団などにうつれるといいのですが、なかなか猫を飼育できる物件が見つからず諦めていました。もう少し探してみたいと思います。ほかにもすぐに実践できるアドバイスをいただき、冷静に俯瞰する目を失っていたことに気づかされました。まだまだできることがあると気力がわいてきました。職探しも頑張って、また違う家計データでご相談できるよう楽しみながらやっていきたいと思います! ありがとうございました。


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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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