不倫相手の妻から連絡がきて……
既婚男性とつきあってはいるものの、略奪する気はさらさらないという女性たちも少なからずいるもの。そんな女性に、ある日突然、妻から連絡が来た。そこからの顛末は本人も予想していなかったものになったという。
妻からの電話にビビったけれど
29歳で婚約を破棄、それ以降、仕事に生きてきたトモミさん(36歳)だが、32歳のとき仕事で知り合った10歳年上の既婚男性とつきあうようになった。
「知り合ったのは仕事なんですが、実は私、鉄道が大好きなんですよ。鉄道関係のイベントに行ったら、その彼にばったり会って。彼は『子どもは鉄道に興味がなくてつきあってくれないので、ひとりで来た』と照れ笑い。その日は一緒にイベントを回って、帰りに居酒屋で一杯。鉄道話で盛り上がりました」
その後も、鉄道イベントに一緒に行くようになり、1年後には男女の仲に。ふたりともお互いに好きだという気持ちはあったのだが、彼が既婚であることがブレーキになっていた。
「当時、彼には中学生と小学生のお子さんたちがいて。私もめんどうなことにはなりたくなかった。でも彼とは本当に気が合うし、一緒にいて楽しい。それで気持ちを抑えきれなくなったんです。彼も同じ気持ちだった。私は結婚なんて望んでない、この関係が続けられればいいだけと伝えました。彼は『きみに好きな人ができたら、僕はいつでも身を引く』って。不倫なんてしたことなかったけど、彼となら適度な距離感でつきあえそうな気がしました」
婚約破棄後、つきあいかけた男性がいたが、「週末どうする?」「今日会わない?」と行動を束縛されるのがつらくてすぐに別れてしまった経験もある。誰にも縛られたくなかった。既婚者である彼は、彼女の行動を詮索してくることもなかったので、トモミさんにとっては好都合だったのだ。
「彼との関係は順調でした。趣味の鉄道を語り合ったりイベントに一緒に行ったり。鉄道がからまなくても、お互いに『会いたいなあ』と連絡することもありました。『〇日ならあいてる』とすぐ返しあって。お互いに拘束しないけど尊重しあっている。そんな感じでした」
ところが3年近くつきあったこの春、彼の奥さんから突然電話がかかってきた。
「うちの夫と親しいみたいですねって。何も言い返せなかった。とにかく会いたいと言われたので、会いに行きました」
待ち合わせの喫茶店に入ったときは、足が震えたという。
妻と仲良くなって
妻は先に来ていて、にこやかに彼女を迎えてくれた。「いつ頃からどんな関係なのかと、彼女は聞かなかった。うちの夫のどこがいいのかと問われたので、鉄道のこととか気が合うこととか、少しずつ話しました。彼女は、『私が知っている夫とは違う面があるのね』と感慨深そうに言っていて。そこで彼女が突然、『ねえ、夫にもうひとり別の女性がいるの。あなた、知ってる?』と急に言い出したんですよ。びっくりしました。確かに私と彼は互いのスケジュールも知らないから、もうひとり女性がいても不思議はないんですよね。そう言ったら、『私も夫を縛りつけないタイプなの。だから好き勝手されちゃうのかもね』と。ふたりで顔を見合わせて笑ってしまいました」
その日を境に、トモミさんと、彼の妻のマキさんはすっかり仲良くなった。最初は自分を牽制しようとしているのかと疑ったトモミさんだが、マキさんはトモミさんと夫の行動を監視するわけでもなく、第三の女の動向を知りたいわけでもなさそうだった。
「ふたりで食事をしたり買い物に行ったり。私は私で彼との関係を続けています。そのことについてマキさんは何も言わない。夏頃、『私、彼と別れたほうがいい?』と聞いてみたんです。そうしたらマキさんは、『夫とあなたのことはふたりで決めて。どうなっても私はあなたとは友だちでいたいけど』と。変わった女性ですよね。どうして怒らないのか尋ねたら、怒ってもムダだからって。どうも聞いていると夫婦仲も悪くなさそう。なんだかよくわからない関係に巻き込まれているんですが、これもアリかなと思っています」
この先、どうなるのかわからないが、今はこの関係の居心地が悪くないとトモミさんは言う。トモミさんと妻が友だち関係にあることを、夫である彼は知らない。
「そこがちょっとアンフェアなのかなという気もするんですが」
トモミさんはそう言って笑った。