「ソアリン」体験レポート! 絶叫マシンはもう古い!? 進化するテーマパーク今の旬
東京ディズニーシーの新アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」を一足お先に体験してきました。待ちに待ったオープンに期待は高まるばかり。そして体験&乗車……期待以上の素晴らしさでした。
その「ソアリン」体験レポートをお届けするとともに、同タイプの“超美しい大画面映像をライドで体験”するアトラクションや、かつての絶叫マシン全盛時代とは異なる、近年のテーマパーク事情などについてもふれてみたいと思います。ラインナップは次のとおりです。
【1】2019年7月、東京ディズニーシーに新アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」誕生
【2】「ソアリン」体験レポート!“空を飛びたい”夢が叶う、気分爽快アトラクションに思わず拍手
【3】コチラも同タイプ! 富士山周辺の絶景を楽しめる富士急ハイランド「富士飛行社」
【4】映画の世界観そのまま! ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」
【5】絶叫マシンのカテゴリーではない“超美しい大画面映像をライドで体験”するタイプ
【6】もともと絶叫マシンの全盛は東京ディズニーランドに日本の遊園地が立ち向かった成果
【7】絶叫マシンはもう古い!? 進化するテーマパークのキーワードのすべてを備えた「ソアリン」
上の【1】~【7】をタップすれば、ご覧になりたい記事に飛びますので、お好きなところからどうぞ。では、まず「ソアリン」から。
【1】2019年7月、東京ディズニーシーに新アトラクション「ソアリン:ファンタスティック・フライト」誕生
2019年7月23日(火)オープンの「ソアリン:ファンタスティック・フライト」は、海外のディズニーテーマパークで人気の「ソアリン」に、東京ディズニーシーならではのシーンを加えたオリジナルアトラクションです。 まず知っておきたいのが「ソアリン:ファンタスティック・フライト」のストーリーです。東京ディズニーシー、メディテレーニアンハーバーの丘に出現した博物館「ファンタスティック・フライト・ミュージアム」。空を飛ぶという人類の夢を称えるこの博物館では、飛行の研究に情熱を注いだ女性、カメリア・ファルコの人生を振り返る特別展が開催されており、それがアトラクションの舞台になりますす。 ロビーを入ると常設展のロタンダ、さらに特別展のギャラリーとまさに博物館そのもの。最後のテラスで空飛ぶ乗り物のドリームフライヤーを体験できます。アトラクション内各所に“空を飛びたい”というカメリアたちの“熱~~い思い”が強く伝わってくる、こだわりのミュージアムなのです。また、新アトラクションオープンにともない、オリジナルグッズやメニューも販売中。
【2】「ソアリン」体験レポート!“空を飛びたい”夢が叶う、気分爽快アトラクションに思わず拍手
では「ソアリン:ファンタスティック・フライト」体験レポートをお届けします。入口を入り、まずはロビーに向かいます。 いよいよ博物館の建物内に入りますよ。 次は博物館の常設展会場のロタンダです。 そして、カメリア・ファルコ生誕100周年記念特別展のギャラリーへ。彼女の人生を振り返る展示が並びます。 さあ、ついに博物館最大の目玉、ドリームフライヤーへ乗り込むべくテラスにやって来ました。 はやる気持ちを抑えつつ、テラスの入口で一時待機。 お待ちかねのメインショーは約5分間の空の旅です。 フライト終了後、自然と拍手がわき起こりました。そう、思わず拍手してしまうほど、素晴らしいフライトだったのです。ディズニーキャラクターはいっさい出てきません。でも“掛け値なくおもしろい”というのが、このアトラクションのスゴイところかなと思いました。 結論、ミュージアムのストーリーや展示の細部までじっくり観察するのもひとつの楽しみ方ですが、これは単純に何も考えずその臨場感に身を委ね、フライトを満喫されることをおすすめします。【3】コチラも同タイプ! 富士山周辺の絶景を楽しめる富士急ハイランド「富士飛行社」
「ソアリン:ファンタスティック・フライト」体験レポートに続き、これと似ているアトラクションも少し紹介しましょう。まず、ほぼ同タイプといっていいのが、富士急ハイランドの「富士飛行社」です。 シアタータイプで大画面に絶景が次々と出現する空の旅、という意味ではほぼ同じですが、こちらは富士の麓の遊園地らしく、富士山周辺の絶景がメイン。 ライドに乗り込むまでのビデオによる解説などもユーモアたっぷり。遊びゴコロあふれる富士急ハイランドならではのストーリーにも注目してみてください。【4】映画の世界観そのまま! ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」
「ソアリン:ファンタスティック・フライト」「富士飛行社」のような映画館の座席に近いシアタースタイルではなく、4名定員のライドに乗って、美しい臨場感あふれる映像を堪能できるユニバーサル・スタジオ・ジャパン「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」も、大きな意味では同じカテゴリーに入るかもしれません。 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンのPR担当の方に「なぜ、このアトラクションを2014年に設置したのか?」をうかがってみると『ハリー・ポッターたちと一緒に冒険にでる壮大な魔法体験を叶え、ホグワーツ魔法魔術学校の仲間になれた気分を全身で味わうのに欠かせない体験、それがライド・アトラクションでした』
とのこと。しかも
『世界No.1ライドを過去5年連続で受賞した、まさに世界最高の魔法体験を全身で味わえるライド・アトラクションなのです』
と、絶対の自信をもたれていました。それもそのはず。ちょっとほかにはないリアルさで、映画の世界観そのままに“魔法界への耽溺体験”ができるアトラクションなのです。こちらもぜひ一度体験してみてください。
画像提供:ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
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【5】絶叫マシンのカテゴリーではない“超美しい大画面映像をライドで体験”するタイプ
これまでに紹介した3つのアトラクションは、ライドや映像はもちろん異なりますが“超美しい大画面映像をライドで体験”するタイプといえます。そして、どれも気分爽快系で、絶叫マシンの範疇には入らないものばかりです。 近年、テーマパーク・遊園地で新しく設置されるアトラクションは、ナガシマスパーランド「牧場deバンバン!」のような“ファミリー向け”か“迷路・脱出の体験系”“3DやVR系”がほとんど。つまり、絶叫マシンを導入するテーマパーク・遊園地は、ここ10年くらい極端に減ってきています。 莫大な費用がかかる絶叫マシンの新規導入は、メリットより事故やメンテナンス費用などのリスクが大きく、近年では、2019年ナガシマスパーランド「ハイブリッドコースター 白鯨」、2016年ユニバーサル・スタジオ・ジャパン「フライング・ダイナソー」あたりが目立つくらいです。【6】もともと絶叫マシンの全盛は東京ディズニーランドに日本の遊園地が立ち向かった成果
それにしても、1980年代から1990年代にかけては、次から次へと絶叫マシンが登場しました。コースターはもちろん、垂直タワーマシンやバイキングタイプ、回転系など遊園地には「ワ~~、キャ~、ギャァァ~」という声が響き渡っていました。そもそも、その絶叫マシン全盛のきっかけは、1983年の東京ディズニーランド開業にあったことは間違いないでしょう。東京ディズニーランドの人気は年々上昇し、そのサービスやショーのクオリティの高さに日本人が慣れてきて、いわゆる日本の遊園地は絶叫マシンの導入で対抗したわけです。 1988年よみうりランド「バンデット」、1996年富士急ハイランド「フジヤマ」、1998年横浜・八景島シーパラダイス「ブルーフォール」、2000年ナガシマスパーランド「スチールドラゴン2000」と日本を代表する絶叫マシンが次々と登場し、まさに全盛期でした。 しかし、21世紀に入った頃から、今度は遊園地の閉園が相次ぎます。2002年に向ヶ丘遊園と横浜ドリームランド、2003年に宝塚ファミリーランドが閉園。その後、遊園地の絶叫マシン新規導入は右肩下がりに減っていきます。
【7】絶叫マシンはもう古い!? 進化するテーマパークのキーワードのすべてを備えた「ソアリン」タイプ
では「絶叫マシンはもう古い」のでしょうか? 現実の導入数を見れば、ひょっとしたらそうかも……と思ってしまいます。でも、たまに絶叫マシンが新登場すると話題になることも多く、まだまだ魅力があるコンテンツのひとつであることに変わりはありません。ただ、昔のような独占市場でなく“コンテンツのひとつ”に過ぎないという現実はあるかもしれませんが。 そして、今のテーマパーク“旬のコンテンツ”が「ソアリン」などの“超美しい大画面映像をライドで体験”するタイプといえそうです。ストーリー性があり、体験の要素も強く、ファミリー全員で楽しめて、VRではないですが最新映像を駆使したアトラクション。つまり、近年のテーマパークのキーワード“体験”“三世代”“VR系”の要素を兼ね備えているのです。2019年7月26日(金)オープンの富士急ハイランド「科学忍者道場」は、新エリア「NARUTO × BORUTO 富士 木の葉隠れの里」の3Dシューティングアトラクション
©岸本斉志 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
『我々は今後も飽くなきチャレンジ、クリエイティビティを追求し、これまでにない圧倒的な感動や興奮をお届けしていきたいと考えています。つまり「ハリー・ポッター・アンド・ザ・フォービドゥン・ジャーニー」も最終形というわけではなく、まだまだ成長過程であり、今後も皆様を驚かせる機会を生み出していきたいと考えています』
とのことでした。まだまだ、これからもテーマパークの進化は続きそうです。期待しましょう。