「知らないうちに間違えている日本語」島津 暢之|宝島社

例文付きで間違いが一目でわかる。テレビやネットで話題となった新語、新用法も解説


誰かの話を聞いていて、「あら? その日本語、間違っているのでは?」と感じたことは、ありませんか? でも、「ということは、もしかしたら私の日本語だって間違っているかも……」と不安になることもありますよね。

今回は、そんな皆さんにとっておきの本として『知らないうちに間違えている日本語』(宝島社 刊)をご紹介します。日本語のプロである読売新聞編集局校閲部の島津暢之さんが書いたものです。 
   

初心者でも楽しく学べる日本語の本

×まれに見ぬ ⇒ 〇まれに見る
×荒治療(あらちりょう) ⇒ 〇荒療治(あらりょうじ)
×準備は万端だ ⇒ 〇準備万端整う

これらの日本語は、本から抜粋したものです。皆さん、どのように思いましたか?

「まれに見ぬ」「荒治療(あらちりょう)」「準備は万端だ」……一見ふつうに使いがちなこれらの言葉は、すべて誤った日本語なのだそうです。なるべくこのような間違いは避けたいものですよね。

私はファイナンシャルプランナーとして、記事の執筆や相談業務、セミナー講師などをしているのですが、業務の中で日本語を見直す機会がたびたびあります。

普段は辞書を使ってチェックすることが多いのですが、辞書は重くて持ち歩けませんし、そもそも読み物ではないのでなかなか頭に入りません。

もっと分かりやすくておもしろく、しかも電車の中でも読めるような日本語の本はないかな……と探していて目に留まったのが、この「知らないうちに間違えている日本語」だったんです。

この本を最初に読んだ時、自分が恥ずかしくなったことを覚えています。それまで当たり前に使っていた日本語のいくつかが、「実は正しくなかった!」ということを気付かされたのですから!

 

「奇特」とは? 「たなびく」とは? 日本語力をチェック!

この本には、「言い間違えや書き間違い」「意味の取り違えや勘違いしがちな日本語」「漢字の読み間違い・書き違い」の事例、そのほかにも新語、新用法の例文なども、解説付きで掲載されています。

誰にでも分かりやすい丁寧な表現が使われているため、楽しく学ぶことができ、記憶に残りやすいはず。本の中から、私がなるほど、と思った一部を抜粋して紹介していきます。

「奇特」という日本語の使い方です。「奇特」の使い方として、どちらが正しいと思いますか?

1.被災地に2億円も寄付するとは奇特な人だ
2.自販機の釣り銭をあさって回るとは奇特な人だ


正解は「1」です。「奇特」の「奇」から何となく良くないものをイメージしてしまうと思いますが、正しくは「1」なのです。

◆解説より抜粋

「奇特」とは、心がけや行いが他と違って優れて感心なこと。…省略…
10年ほど前、福井市の大水害の際に2億円の宝くじ当選券を匿名で寄付した人がいて「奇特な人」とたたえられました。これは正真正銘、感服の言葉でした。


次は、「たなびく」の使い方について。1と2のどちらが正しいと思いますか?

1.紫紺の優勝旗が風になびいている
2.紫紺の優勝旗が風にたなびいている


正解は「1」。「たなびく」と「なびく」、実は似て非なる言葉なのです。

◆解説より抜粋

風の勢いに従って横に倒れるように揺れ動く意なら「なびく」。「たなびく」は雲や霞(かすみ)、煙などが薄く層をなして横に長く漂うさまをいいます。旗や草木は、(風に)なびくことはあっても、決してたなびいたりはしません。

 

これで日本語力もアップする!

「知らないうちに間違えている日本語」は、間違いやすい日本語を知るための入門書としては、とてもおすすめの本です。できれば一回だけではなく、繰り返し読むようにしたいものです。きっと皆さんの日本語力がアップすること間違いなし!

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宝島社 | 「知らないうちに間違えている日本語」

著者:島津暢之
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。