心理学的に見る「即レス」の効果は、手軽にお互いの承認欲求を満たせること

即レスが強迫観念に 集団のSNSストレスから逃れる方法

10代の若者の同調的な仲間関係の中では「SNSには即レスすべき」といった暗黙のルールがつくられるもの


メッセージを受け取ったら、即座に返信することを指す「即レス」。親しい人との間でしばしば期待され、SNSマナーの一つと考える人もいるようですが、心理学的には「相手への承認行動」や「承認欲求を満たしてくれるもの」とも見ることができます。

「即レスされないと不安」「即レスしないと不安」な心理への対処法」でも詳しく解説しましたが、即レスをすればすぐに相手の思いを受け止められ、共感や応援の気持ちを伝えられ、相手に対して非常に効果的に承認行動を示すことができます。また即レスされる側は、「相手に承認されている」という実感をすぐに得ることができ、メッセージがシンプルなものでも、強い安心感や喜びを感じることができます。
 

即レスしないことが原因で仲間外れに? 即レスがプレッシャーになる背景

では、SNSにおいて即レスは良いことばかりかというと、そうではありません。特に中高生などの若い世代のグループ内では、「即レスできないと友だちをなくす」「即レスをしないと仲間外れにされる」「即レスをしないといじめられる」と思い込み、即レスが求められる空気に悩んでいる子も少なくないようです。

なぜ若い世代は、こういったルールを強いてしまうのでしょうか? そもそも中高生にとって、仲間から承認されることは、心の発達の上でとても重要な意味を持ちます。したがって、仲の良いグループ内では承認を求めあい、「俺たち、私たちは仲間だよね」という意識を高めあいたくなるのです。そして、この承認行動の一つとして、SNSでの即レスがグループ内でしばしば奨励されています。

こうした仲間関係は楽しいものである一方で、「ルールを守らなければ、グループから仲間外れにされしまう」というプレッシャーも生じます。すなわちSNSにおいては、「即レスしないと仲間外れにされてしまう」というプレッシャーが同時に生じやすくなってしまうのです。
 

中高生グループに即レスが流行る理由

では、なぜ10代の若者は、これほどまでに仲間からの承認を求めてしまうのでしょう? この世代の子どもたちは、親の庇護から卒業し、自立的な社会生活を送れるようになるまでの移行期にいます。この移行期には友だちとの間で仲間意識を高め、仲間から承認されることで、それぞれが社会にデビューするための自信を育んでいこうとするのです。

ただし、こうした仲間関係には、そのグループ内の独特なコミュニケーションに同調しなければならないという暗黙のルールがついてまわります。それになじまないメンバー、守れないメンバーは距離を置かれてしまうため、本当は面倒で嫌なのに暗黙のルールに従い、SNSの即レスを続けている子は多いのです。
 

SNSによるストレスは成長と共に自然に解消される

今、中高生でこういったSNSによるストレスで悩んでいる方は、それが一生続くとは思いつめないでください。

成長するにつれて心も大人へと成長していくため、「似たような仲間と同調的に承認しあっていても意味はない」という自覚が自然に生まれていきます。すると、即レスなどの同調圧力をくだらないものに感じ、それにこだわっていたことも自然に忘れていくのが普通です。もし、大人になってもグループとの距離の取り方で悩まれている方がいれば、「大人も子も…仲良しグループの関係が息苦しくなったら」もご覧ください。
 

SNSでのコミュニケーションをストレスなく続けるコツ

今の時代、もはやSNSなくして親しい人とのコミュニケーションは成り立ちにくくなっています。しかし、SNSの中だけで関係性を発展させるのは、とても大変なことです。なぜなら、相手が目の前にいないからです。実際の相手の表情や声のトーンから、相手の意図や言葉のニュアンスなどの情報を読み取ることは、SNSではなく対面でのコミュニケーションの方が適しています。

SNSでストレスなくコミュニケーションを続けていくには、対面でもちゃんと会う機会を設けることが大切。SNSの利便性はうまく活かしつつも、リアルのやりとりでお互いの気持ちや思いを理解しあっていくことも、意識的に行うようにしましょう。
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