私の生まれ故郷である山梨は、国内有数のワイン産地。ただ、ワインというとビールや日本酒に比べて、なんとなく難しい印象をもつ人がいるかもしれませんね。その理由のひとつに、味や香りの表現が分かりにくいことがあると思います。
そんな人にぜひ読んでほしい本が『ワインの香り 日本のワインアロマホイール&アロマカードで分かる!』。付録に12枚の「アロマカード」が付いていて、実際にいろいろなワインの香りを嗅ぐことができるんです。
ソムリエの“アノ”表現がわかる!
ソムリエは、ワインの香りをよく花や果実のようだと表現します。たとえば、「レモンのような香り」とか「モモのような香り」といったように。
レモンやモモのような身近な果実なら「たしかにそんな香りがする!」と分かります。ところが個人的にあまりなじみのない「スミレのような香り」といった表現だと、「そもそもスミレの香りってどんな香り?」と考えこんでしまいます。
香りは言葉だけではなかなか伝わりづらいもの。それを実際に嗅げるようにしたのが『ワインの香り日本のワインアロマホイール&アロマカードで分かる!』です。それぞれ異なる香りが付いたA~Lまでの12枚のアロマカードが付録になっていて、単一のカードや複数カードを組み合わせることで27種類もの香りを感じることができます。
嗅げる香りは、果実ならレモン・グレープフルーツ・モモ・カシス・ラズベリー、花ならスミレやキンモクセイなど。ほかにもマツタケやココナッツ、さらには正露丸のような変わりダネの香りも体験できます。
クイズ感覚で、ワインの香り当てをするのも楽しい
嗅覚は訓練によって鍛えられるそうです。私自身は娘と一緒に「これは何の香り?」なんてクイズ感覚で遊びながら楽しんでいます。
一緒に遊んでいると子どもの嗅覚の良さに驚かされることも多いのですが、本によると実際は嗅覚は年齢とともに衰えるわけではないのだそう。むしろ、いろいろなものを食べてきた経験から、香りの識別能力は若い頃より高くなっていることもあるのだとか。たしかに娘は「どんなニオイか知らない」という理由で答えられないこともあります。
ワインは何も考えずに飲んでももちろんおいしいのですが、味や香りを認識した上で飲んでみると、印象が鮮明になり、記憶に残る気がします。この本を読むと、ワインをもっと身近に感じられ、ワインを飲むシーンがより楽しく感じられますよ。
DATA
虹有社|ワインの香り 日本のワインアロマホイール&アロマカードで分かる!
著:東原和成、佐々木佳津子、渡辺直樹、鹿取みゆき、大越基裕