「ロング・ルート」ビールは、カリフォルニアのアウトドアブランド「パタゴニア」が、ポートランドのクラフトブルワリー「HUB」とタッグを組んで作った「地球を救う」ビールです。
美味しく飲んで、環境にも貢献できる。今の時代を反映したとっても嬉しいビールなのです。
食物連鎖を修復する試み「パタゴニア・プロビジョンズ」
環境意識の高いことで知られるカリフォルニア生まれのアウトドアブランド「パタゴニア」。
「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」という目標のもと、「食物連鎖を修復するための解決策を探る試み」として生まれた食品部門が「パタゴニア・プロビジョンズ」です。
「パタゴニア・プロビジョンズ」では、海をクリーンにするムール貝の缶詰、土地を荒らさない豆のスープなど、いくつもの食品を開発していますが、私がイチオシしたいのは、聞きなれない多年草「カーンザ」を使った美味しいクラフトビール「ロング・ルート・ペール・エール」と「ロング・ルート・ウィット(ヴィット)」です。
「ロングルート」を持つ多年草「カーンザ」
「ロング・ルート」ビールが、「地球を救う」という所以は、長い根(ロング・ルート)をもつ多年草「カーンザ」を初めて採用したからです。
ビールの主原料、麦芽(モルト)のもととなる一年草の麦をカーンザに置き換えるだけで、肥料や殺虫剤、使用する水の量の削減できます。また、不耕起栽培で成長するため大切な表土を保ち、土壌の保水力を高め、土地を豊かにしたり、温室効果ガスの排出量を減少できるそうです。
さらに、穀粒にはナッツやコショウを感じさせる風味があり、美味しいビールの原料としても優れています。
ポートランドの人気クラフトブルワリーの自信作
いくら環境に良いからと言っても、美味しくなければ、ビールとしては失格ですよね。
パタゴニアのパートナーとしてこのビールの醸造を手がけたのは、私が暮らすポートランドの「ホップワークス・アーバン・ブルワリー」。頭文字を取り「HUB」の愛称で知られる地元で人気のサステナブルなブルワリーです。
2016年10月に誕生した青い缶の「ペール・エール」は、ドライで苦味の効いたもの。日本でもクラフトビール好きの間で話題になりましたが、HUBのお店でも発売以来、常にトップ5入りするというほど人気のビールです。
なお、以前は「ロング・ルート・エール」の名前で販売されていましたが、同シリーズの白い缶「ウィット」の誕生を機に「ロング・ルート・ペール・エール」と名称変更されたようです。
誕生したばかりの「ウィット(ヴィット)」は、苦味を控えた爽やかな白ビールです。アルコール度数も4.9%と控え目で、苦いビールは好きじゃない、という人でも美味しく飲めるのではないでしょうか。
このビールを手がけたHUBのオーナー兼ブルーマスターのクリスチャンさんも、大のお気に入りだそうです。
アウトドアにもぴったり
クリスチャンさんによると、「ロング・ルート・ビール」は、カラッと爽やかな気候の南カリフォルニアに本拠地を構えるパタゴニアの開発チームが、スポーツの後やアウトドアで飲むことを想定して作ったそうです。そのため、風味もアルコール度数も、軽くて飲みやすいものになっています。また、クラフトビールといえば、ガラス瓶入りが主流だったころから缶入りです。日本でもパタゴニア直営店やパタゴニアオンラインショップなどで販売していますので、これからの季節、キャンプやバーベキューのお供にいかがでしょうか。堅苦しく構えずとも、環境再生型の有機農業でフードシステムを改善するというかっこいい理念を広めることができますよ。
DATA
パタゴニア プロビジョンズ┃ロング・ルート・ビール
ラインナップ:ペール・エール、ウィット