瞬時に無駄遣いを防ぐには? 〇〇テストが有効!
過去には、「買い物の後悔を防ぐ3つの質問」という記事を書きましたが、ここでご紹介した方法は少し複雑で、「正直、実践するのは難しい……」と感じた方もいたかもしれません。そこで、今回は10秒もあれば使える簡易版をご紹介します。そのメンタルテクとはズバリ、「消去テスト」です。消去テストとは、「買おうと思っているものが商品棚からなくなり、買えなかった場合の未来を想像する」というメンタルテクです。
たとえば、筆者が先日ユニクロへ行ったとき、ちょっと格好いいシャツを衝動買いしそうになったときのこと、「仮にこのシャツが売り切れで買えなかったら、今日から自分はどうやって暮らすだろうか?」と考えてみました。
よくよく考えてみると、家には十分シャツがありました。新しいシャツを買わなくても、今までどおり暮せば、何も問題がありませんでした。結局、ぼくはその格好いいシャツを買うことを止め、無駄遣いをせずに自宅へ帰ることができました。
ポイントは、ものを買う前に「消去テスト」をやること
この「消去テスト」は、スタンフォード大学ビジネススクール教授らが著書(2)で紹介しているメンタルテクでもあります。消去テストを使うことで、僕らは「今まで見えなかった選択肢」に目を向けることができます。視野を広げることで、無駄遣いをする前に思いとどまれるのです。この例は小さな買い物ですが、大きな買い物についても同様に使うことができます。それこそ、「車を買う前」「家を買う前」「保険に加入する前」「新しいスマートフォンやPCを買う前」などです。
「車がなくても、電車でなんとかなるな……」
「家を買わなくても、今の賃貸であと3年は暮らせるな……」
「保険に入らなくても、まだ子どもがいないから平気かな……」
など。ちょっと考える時間を作るだけで、思いとどまることができます。大きな買い物での無駄遣いを減らすことで、そのぶん僕らの暮らしには余裕が生まれます。これが、豊かな暮らしにつながる第一歩です。
まとめ:たった10秒考える! これだけで無駄遣いは大幅減
無駄遣いは、「周りが見えなくなってしまう」ことや「現実的に考える前に決断してしまう」ことで起こります。サイフの紐を緩めた瞬間に、「あれ? ちょっと待てよ……」と立ち止まり、消去テストのことを思い出してみてください。10秒ほど立ち止まって考えるだけでも、大幅に無駄遣いを減らせるはずです。【参考文献】
- 調査:株式会社アスマーク, 2012, "衝動買いに関するアンケート調査"
- 書籍:チップ・ハース, ダン・ハース, 2016, 『決定力!( 早川書房)』