高額な奨学金の繰上返済、どう考えればいいでしょうか?
皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、奨学金840万円を返済中ながら、一人暮らしを始めたいという28歳の会社員女性。実際どのように返済するのが有効か、また返済をして一人暮らしを続けられるのか、ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください。(相談は無料です)■相談者
ちわさん(仮名)
女性/会社員/28歳
関西/実家
■家族構成
父(自営/60代)、母(無職/60代)
■相談内容
高校、大学とあわせて約840万円の奨学金を返済中です。多くの奨学金のおかげで希望の職業に就くことができたので、忙しくても何とか乗り越え毎月感謝しながら返済しています。コツコツと返済していく覚悟はしていたのですが、最近将来的に家庭を持ちたい、勤務が不規則なため実家を出て賃貸暮らしをしたいと思うようになり、奨学金の繰り上げ返済を検討しています。
今回ご相談させていただきたいことは繰り上げ返済についてです。
・どのくらいの貯蓄があればどの程度繰り上げ返済が可能かどうか
・やはり有利子の奨学金から繰り上げ返済するべきかどうか
・一時的に繰り上げ返済できたとしても返済は続くので今後の生活が不安であること(実家を出たとしても両親のために月5万の仕送りは続けたいです)
そもそも額が多いので、多少の繰り上げならもっと貯蓄を増やしてからの方が良いのかなど迷っています。アドバイスいただければ幸いです。宜しくお願い致します。
■家計収支データ
■家計収支データ補足
(1)両親について
父●会社員退職後に独立
母●専業主婦
(2)奨学金について
高校●返済月8000円
借入額120万円(2026年完済予定)
大学●返済月3万2000円
借入額・無利子部分243万円(2035年完済予定)
借入額・有利子部分480万円(利率1.08%、2035年完済予定)
(3)ボーナスの使い途(昨年例)
自動車教習所費用30万円、旅行4万円、被服4万円、自己投資費5万円、残り貯蓄。
※自動車教習所は本人の希望ではなく、現在バス通勤をしているが、最終バスが早くて帰宅時間と合わず、クルマ通勤を勧められたため。しかし、購入費、維持費等を考えると、クルマ通勤には可能な限りしたくないとのこと。
(4)一人暮らしについて
想定される家賃は、治安、通勤の利便性を考えると共益費込みで、少なくとも月7万円はかかる。
(5)結婚について
付き合っている男性あり。同い年。結婚する場合、30代になってから。
(6)一人暮らし後も親へ仕送りをする理由
相談者コメント「実家に貯蓄はなく、家のローンがおそらく残っています。母の現在の年金受給は少額で、地方で一人暮らしをしている私の兄弟からも仕送りを受けています。私たちは奨学金返済がありますので、父の年金受給が始まり、生活が安定すればともに仕送りはしない予定です。ただ、年金受給の時期や額などの詳細は把握できていません(なかなか子から年金受給については聞きにくいのが現状です)」
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 完済できる部分から返済することがポイント
アドバイス2 一人暮らしを始める時期に応じた返済を
アドバイス3 仕送りは「65歳まで」と明確に線引きする
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