貯金を加速できるゲームとは?
ワシントン大学が学生たちを集めて行った研究(1)によると、「罰ゲームを設けることで、学生たちはよく課題をこなした」ことが分かりました。ということで、貯金を加速できるゲームは「罰ゲーム」です。罰ゲームの有効性はかなり強力で、少なくともこの実験では「ご褒美をもらうより、罰ゲームを設けた方が3倍も効果がある」ことが分かりました。
「これまでなかなか貯金ができない……!」と悩んでいる方は、友人や家族を頼って、罰ゲーム形式にすることで貯金習慣を身につけられそうです。
有効な罰ゲームは何か?
こんな話をすると、「どんな罰ゲームなら有効なのだろうか?」と気になるところです。ある研究(2)では、「禁煙を成功させるためには、【罰金】による罰ゲームが有効!」なんてことも分かっています。これを貯金へ応用して、「お金を貯められなかったら、さらにお金を取られる」という罰ゲームを作れば、かなり強烈ですね。とはいえ、これは海外の研究である点に加え、日本では金銭授受を罰ゲームを使ってしまうと、違法行為(賭博罪)に該当する恐れもあります。ですから、
「貯金できなかったらランチをご馳走する」
「貯金できなかったら缶ジュースを1本おごる」
「貯金できなかったら大好きなお菓子を没収される」
など、軽め(だけど痛みを伴う)罰ゲームに留めておくのが無難です。
ただし、「罰ゲームを罰ゲームと感じない」レベルだったり、「ルールをうやむやにされてしまう」といった状況だと、効果が薄れる可能性があります。よって、貯金する本人が「やりたくない!」と感じるものを罰ゲームとし、問答無用で執行してくれる人を監視役にすることが大切です。
さいごに
さいごに、筆者の友人の話を1つ。筆者の友人が大学受験生だった頃、受験勉強が嫌で仕方なかったそうです。そんなとき、彼女は「一定時間以上勉強ができなかったら(彼女が大嫌いな)ホラー映画を見なければいけない」という罰ゲームを設けました。それから彼女は罰ゲームを避けるために必死で勉強し、名門のお茶の水女子大学に合格しました。「罰ゲーム」というちょっとした一工夫で、彼女は人生を変えたのです。
このように、罰ゲームには人生を劇的に変える可能性があります。あなたが貯金にお悩みなら、試しに取り入れてみてはいかが?
●参考文献
- 論文:Jan Kubanek, Lawrence H. Snyder, and Richard A. Abrams, 2015, "Reward and punishment act as distinct factors in guiding behavior", Cognition, 139(25), pp. 154-167
- 論文:Scott D. Halpern, Michal O. Harhay, Kathryn Saulsgiver, Christine Brophy, Andrea B. Troxel, and Kevin G. Vlopp, 2018, "A Pragmatic Trial of E-Cigarettes, Incentives, and Drugs for Smoking Cessation", The NEW EINGLAND JOURNAL of MEDICINE, 378, pp. 2302-2310