<目次>
夫婦間で性欲のずれ? なせセックスレスになるのか
恋人から夫婦への変化はセックスの変化にもつながる?
今や既婚カップルの半数以上がセックスレスという時代。なぜ現代の日本人はこんなにもセックスレスが多いのでしょうか?
価値観の多様化、セックス以外の娯楽の多様化、情報過多、子育てへの負担感、ジェンダーの解放、女性の自立、男性の草食化など様々な理由が語られていますが、性欲のずれもその1つです。私は性欲曲線の差という言い方をしています。
心地よいと感じられるセックスは自分の心と体の両方が整い、さらにパートナーの心と体も同時に整ったときに初めて可能になるものです。そこにギャップが生まれるとセックスレスになる可能性が高まります。
そこで、どんなときに、夫婦がセックスレスになるのかを、以下のようにマトリクスにしてみました。題して「三松流・セックスレスマトリクス」!
夫婦間の性欲のギャップで考える「三松流・セックスレスマトリクス」
横軸が妻、縦軸が夫で、それぞれ「性欲がある」「性欲があるけどパートナーは抱きたくない」「性欲がない」の3つの状態を設定してみました。妻と夫の状態の組み合わせは9通りになります。もちろん、ずっと1つの状態にとどまるわけではなく、性欲はその時々によって変化しますので、ポジションは変化します。そう考えてみると、パートナーとのセックスの関係は自身の状態や年齢、周囲の環境などにより複雑に変化するものであり、永遠に同じものではないということが納得できるのではないでしょうか。
セックスレスが普通で、セックスフルがむしろ特別?
2人の性欲が一致しないとセックスフルにはなれない
そして夫婦の性欲のパターンがぴったり一致するのは、わずか3分の1。3分の2は性欲が一致せず、アンバランスな状態です。
ということは、夫婦のセックスライフがハッピーになるよう性欲のバランスを保つには、自分もパートナーも、努力が必要です。ぼーっとしていたら時間は過ぎていき、年齢が上がるにつれて、見た目は劣化する、男性ホルモンや女性ホルモンは出なくなる、気持ちも変化していきます。
これだけ性欲不一致によるセックスレスが起きる可能性が高いと、セックスレスが特別なのではなく、セックスフルな状態の方がむしろ特別な素晴らしいことのように見えてきませんか?
「セックスレス夫婦なんてダメな夫婦」「セックスレスなのは悪いこと」のように落ち込んだり自分を責めている方は、これを見て勇気を出してください。セックスレスであることは、誰にでも起こりえる普通のことなんです。
そしてパートナーとの性欲状態がずれている6パターンについては、「→★」のところに書いたように、解決する手段を講じることができますから、絶望したり、あきらめたりする必要はありません。
自分を磨く、もしくはパートナーを磨く、もしくはセクシーなことにスイッチが入る「セクシー脳」を育てることで、状況は改善できる可能性があるのです。
性欲がないは本当?
自分でもないと思っていた性欲が思わぬタイミングで「噴火」することも
セクシー脳とは、セックスについて関心や好奇心を持ち、セクシーなものには「その気」になったり、ボディーにスイッチを入れるなど、セックスに対して意識が高い脳を指します。
冒頭のマトリクスでは「性欲がない」というカテゴリを作りましたが、はたして「性欲がない」という状態はあり得るのでしょうか?
性の欲求が微塵もない。子供を生んだと同時に消え去ったという女性がいるのも事実です。しかし私はそれは錯覚だと考えています。セックスにむとんちゃくなパートナーのせいか、オッサン化・オバサン化によりセックスの循環が途絶えたせいか、原因はひとそれぞれです。
ところが、セクシー脳が何かの拍子で開花し、埋もれていた性欲に火がつくようなパターンが実際にあります。私の主宰する恋人・夫婦仲相談所に来られたアラフィフ女性の例をご紹介しましょう。
彼女曰く、自分は20代の頃のような肉体をバンバンぶつけ合うような、はちきれるセックスは今はもうできない。20代の頃は相手のするがままにまかせて自分から与えることはしなかった。そしてオーガズムも知らなかったそうです。
ところが今、50代の今セックスをすると、還暦に向かって衰えつつある身体がこれほど過敏に反応することに驚いているといいます。何度も絶頂を迎えるし、相手が気持ちよくしてくれるぶん、自分も与えてあげたい。気持ちいいことをお返ししたいと思う。身体の細部まで触れて、舐めてくれる相手のことが愛しくて愛しくてたまらなく思える。こんなセックスができる男性にめぐり会えたことは女として最高の幸せと思える……と語ってくれました。
自分には性欲はない、と思って過ごしていたのに、50代にして見事に性欲が開花し、セックスの喜びを発見した例です。
セックス脳を育成しましょう
妻のさりげない色気を、旦那様にどんどんインプットしましょう
自分で自分に、年齢や子育てを言い訳にして、「もうセックスは卒業」という暗示をかけるのをやめましょう。人生100年時代。前項でご紹介した女性のように、子育てを終え、閉経を迎えた後でも性の喜びを味わうことができるのです。
もし、今は「毎日の生活でいっぱいいっぱいでその気になれない」としても、性に関する高いアンテナを持つセックス脳を作っておきましょう。
ぜひ、性への関心を失わず、こまめに情報をインプット。ananをはじめとする女性誌のセックス特集、ウェブメディアのセックスコラムは興味がなくても必ず読みましょう。
また、自分好みのイケメンを見つけて、その裸の胸板を想像し、そこに抱かれる自分を妄想してみましょう。イメトレはセックス脳を鍛えるのに大変有効です。
そして、旦那の方が「性欲がない」というカップルは、妻の方から旦那様の「セックス脳」作りを働きかけてみましょう。濃厚なラブシーンのある恋愛映画を見たり、たまには自分が露出度の高い服を着てみたり、セクシーではなくとも気分が上がる華やかなランジェリーを普段から身に着けてみたり、旦那様が妻に「おんな」を感じるシーンをさりげなく増やして、刺激をインプットするくらいの意識を持つのです。
セクシーすぎるランジェリーは引かれる可能性もあると言われますが、それはパートナーに寄ってまったく違いますので、相手の趣味をよく観察してください。
夫婦の性欲は違ってあたりまえ、そして性欲が違えば何らかのセックスレスになる可能性があります。家庭の環境や体調もそれを左右する要因となります。
人の性欲は変化するものですから、一生変わらないということはありません。そう思えばセックスレスなんて怖くありません。
「うちはセックスレスだから」と、自分の性欲を抑え込み、性欲に気づかないふりをして相手を呪ったり責めたりしているだけではだめです。ぜひ前向きに、自分とパートナーの性欲のシフトチェンジに取り組んでみましょう。
【関連記事】