マイルが加算されない理由とは?
せっかくのマイルが加算されないのはよくあるトラブルの一つ
マイル、貯めてますか? マイレージプログラムとは、飛行機に搭乗した際その便の飛行距離(マイル)に応じてマイル数がポイントとして会員口座に加算され、一定量のマイルを貯めれば無料航空券などに引き換えができる航空会社のサービス&顧客囲い込みプログラムです。Frequent Flyer Programを略して「FFP」ともよく呼ばれています。
通常はチェックインの時に会員証を提示すれば自動的に加算されるのですが、旅行が終わった後、待てど暮らせどなかなか自身の口座にマイルが加算されないということは、実は結構な頻度で起こります。
よくある「マイルが加算されなかった」場合の理由と対処法について、こちらにまとめたいと思います。
1、航空券がマイル加算の対象運賃ではない
安い運賃で搭乗すると、マイルの加算対象外になってしまうこともある
一番多いと考えられる理由がこれです。航空券には様々な形の割引運賃があり、同じ便に乗っている乗客でも支払っている運賃は様々であることはみなさん経験的にご存知ではないかと思います。
比較的安い運賃で搭乗した場合、その運賃がマイル加算の対象外ということは少なからずあり、またチェックインの時に係員は会員口座番号の入力まではするものの、加算対象運賃かどうかのチェックまでは通常行っていませんので、「加算されませんよ」とは教えてくれません。結局コンピューターにはじかれて加算されることなく終わるのですが、その旨のお知らせメールが送られてくるようなこともありません。
また加算対象運賃であっても、その運賃額によって100%加算や25%加算など、加算率はまちまちであることも覚えておいてください。
この理由で加算がなかった場合、そもそも加算対象ではないので事後申請も含めて加算することはできません。(ただし、裏テクニックあり! 下記参照)
マイル加算対象の運賃かどうかをチェックするには
そうすると、確実にマイルを加算するためには、航空券の購入時に加算対象の運賃なのかどうかをチェックする必要があるということになります。全ての航空運賃は「運賃クラス」や「予約クラス」と呼ばれるカテゴリーに分けられており、それぞれのクラスは「F」「C」「Y」などのアルファベット1文字で表記されています。例えば、「この航空券の運賃はLクラス」という言い方をします。(同じクラスでも代理店によって販売価格が違いますので、運賃が同額なら同じクラスとは限りません)購入しようとする航空券や参加するツアーの航空便の運賃クラスが何クラスなのかは、旅行代理店の手配の場合は問い合わせれば教えてもらえます。またオンラインで航空券を購入する場合は、サイトによって違いがあるので一概には言えないのですが、予約画面のどこかに表示されますので購入前にチェックすることが可能です。
さて、そしたら次はマイルを加算したいFFPのホームページをチェックしましょう。各航空会社ホームページの中にFFPのページがあるはずです。その中に、各運賃クラスの加算率一覧表が必ずあるはずですので、自身の購入しようとする運賃クラスの加算率がどうなっているのか、最終チェックしましょう。
納得のいかない加算率だったら他の航空券にするということももちろん可能ですが、昨今はマイレージで航空券を選ぶという人はかなり少数派になってきているのではないでしょうか。
もし、旅行後に加算対象外と分かったら?
近年は航空会社間の提携が進み、A社の便の搭乗分はA社のFFPにしか加算できないということはかなり少なくなりました。ほとんどの大手航空会社は、世界中の航空会社と包括的な提携関係を持っています。したがって、A社の便の搭乗分のマイルが加算できるFFPは、10も20もあることだって珍しくありません。ここで注意していただきたいのは、同じ運賃クラスでも加算率はFFPによって違うということです。たとえばA社の便のQクラスの運賃がB社のFFPでは加算率25%なのが、C社のFFPでは50%ということも普通にあるんです。
ですので、もし旅行後に加算対象外ということではじかれてしまったら、他に加入しているFFPがあれば、ダメモトでチェックしてみましょう! ここでの注意は、FFPの入会日以前のフライトについては加算は基本的にできないということです(それをやっていたら航空会社は大変なことになってしまいます)。ですので、加算できるFFPが見つかったからといって新規入会しても、過去の分は加算してもらえません。
2、単なる事務的ミス
おそらく次に多い理由はこれではないでしょうか。何らかのミスで加算されるべきマイルが加算されないということは私の経験上でも多くあります。これは航空会社側の加算漏れに限らず、搭乗者自身の入力ミスも少なくないかもしれません。FFP会員番号などの入力はミスのないように注意して!
オンラインでの購入の場合は、あらかじめFFP会員番号を予約購入時に入力できる(もちろん当日チェックインの時でも構いませんが)ことも多く、会員番号等の入力ミスの可能性は否定できません。また、電話等で代理店を通す場合、代理店によっては予めFFP番号を聞いてくれるところもありますが、人が介在する過程が増えれば、当然ミスの可能性も高まります。
特に、0(ゼロ)とO(オー)、1(イチ)とI(アイ)の間違いには気を付けてください。
このように単なるミスと思われる理由の場合は、事後加算ができますので手続きを行ってください。手続き方法はFFPによって違いますので各HPをチェックしてください。オンラインで申請できる場合もありますし、必要書類を郵便やFAXで本社のある外国に送らなければならない場合もあります。
航空券番号と便名は必ず必要になる情報ですので、航空券の控えはしっかり保存しておいてください。合わせて搭乗券の半券のコピーを求められることもありますので、マイルが加算されるまで捨てずにとっておくことが大事です。
3、共同運航便
まず申し上げておきたいのですが、共同運航便はマイルが加算されないということではありません。昨今は共同運航(コードシェア)便が非常に増えてきましたので、コードシェアしていない便の方が珍しいのではないでしょうか。例えばA社とB社の共同運航の場合、機材(乗務員も含む)はミックスすることはできませんので、A社かB社どちらかのものを使用するということになります。もしA社の機材で運行された場合、A社の航空券として買って搭乗した乗客は何も問題はありません。問題は、B社の航空券として購入したが、実際の飛行機はA社のものであったという場合です。
この後者の場合は、その便がマイル加算の対象外である可能性が通常より多少高いです。FFPによっては、特定の便を加算対象外にしていることも少なからずあり、各社FFPのページを見ると、「便名が〇千番台の〇〇航空との共同運航便は対象外」というような注意書きが見受けられることがあります。
残念ながらこのような場合は加算対象外ですので、上記のように、他に加算できそうな加入済みFFPがないかどうか、検討してみてください。
4、便の振り替えや変更があった
例えば機材の故障やオーバーブッキング(過剰予約)などの理由で、他社の便に振り替えを求められるケースは多くはないものの、長く旅行をしていれば一度や二度は経験することがあるかもしれません。このような場合、提携関係の薄い航空会社に振り替えられたりすると、マイルの加算はしてもらえない可能性があります。不便を強いられた上に、マイル加算までされないのでは踏んだり蹴ったりですので、事後であっても加算を要請するのは悪い事ではないと思います。ただ、規定に基づきさえすれば乗客にとっては理不尽なことでも敢行するのが航空会社というものですから(アメリカで、自社の社員を輸送するために乗客が機内から流血とともに引きずり降ろされた事件が2017年にあり世間を騒がせましたが、あれなどその最たるものです)、どこまで主張するかはその人の判断に依ると思います。
5、事後申請の有効期間を過ぎてしまった
マイルの事後加算には期限があるので注意!
様々な理由でマイル加算の事後申請を行う場合、申請期限があります。これもFFPによって異なり、搭乗から6か月、もしくは1年くらいのFFPが多いと思いますが、もっと短いところもあると思います。
当然ですが期限を過ぎてしまうと加算ができなくなりますので、事後申請はなるべく早めに行いましょう。
と申し上げたいところなのですが、実際マイル加算には手続きに問題がなくても相当の時間がかかることがあるので、その見極めが非常に難しいところです。私の感覚値ですが、自社便なら半月、他社便なら1か月を過ぎても加算されなかったら、加算漏れを疑ってよいと思います。その倍の期間を過ぎても加算されない場合は、ほぼ加算漏れと考えて間違いないでしょう。この加算に要する期間の目安も、各FFPのホームページに記載があることが多いです。
各航空会社のマイレージサービスは下落の一途
マイレージプログラムが導入されて数十年が経ちましたが、各社が競ってマイルを奮発し、FFPが隆盛を極めていた1990年代などに比べると、昨今は確実にこのFFPのサービスは下火になっています。具体的に言えば、例えば東京からシンガポールまで1万マイルで無料航空券を手に入れられたのが、規定が変更されて1万5000マイル必要になったりするわけです。今後も、マイレージサービスは基本的に下がることはあっても上がることはないと考えて間違いありません。
つまり、マイルというのは長期間持てば持つほど価値が下がるインフレ通貨のようなものです。もし今たくさんのマイルを保有している人がいたら、一刻も早く使い切ってしまうことをおすすめします! ましてや大手航空会社の中には破たんを報じられるようなところもあるわけですから、実質的な価値がなくなってしまう前に果実を頂いてしまいましょう。
特典旅行に必要なマイル数は増々値上げされ、搭乗して獲得できるマイルはどんどん減らされる傾向に。いつか、後の祭りになる前に保有マイルは使ってしまうべし!
「次の旅行はマイルで!」こんなキャッチコピーも何かで見たような気がしますが、皮肉にもそれは正しいと言えそうです(笑)