貯蓄

睡眠不足と運動不足を放っておくと貧乏になる理由

厚生労働省の調査によると、運動習慣のある人は日本人の半分もいませんし、睡眠時間として妥当と言われる1日7時間以上の睡眠時間を確保できていない人が過半数です。今回は、特に金銭面から見た「睡眠不足」と「運動不足」の怖さをご紹介しましょう。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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「よい生活習慣が、豊かな生活につながる」というのは、誰だって分かっているし、当たり前のことです。
 
しかし、それでもその当たり前を実践できている方は、あまりいません。厚生労働省の調査(1)によると、運動習慣のある人は半分もいませんし、睡眠時間として妥当と言われる1日7時間以上の睡眠時間を確保できている人も半分を満たしません。
 
要するに、「日本人の過半数が運動不足や睡眠不足で苦しんでいる」ということです。これらは、健康を害するだけでなく、経済的に見ても不利な面が多いですから、いち早く改善した方がよいと思います。
睡眠不足,運動不足,お金の関係

睡眠不足や運動不足は、金銭面にも影響が……。

そこで今回は、特に金銭面から見た「睡眠不足」と「運動不足」の怖さをご紹介しましょう。
 

睡眠不足は貧乏につながる!

科学誌「ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス」に掲載された論文(2)によると、睡眠不足な人は貯金が減る傾向があるのだとか。もともと睡眠不足は認知機能を鈍らせる機能があります。1時間の寝不足で「脳みそは酔っ払いも同然になる!」なんて話が有名ですが、それほど意思決定力が落ちるようです。
 
さらに、ノーベル賞を受賞した行動経済学者、ダニエル・カーネマンの研究(3)によると、「睡眠不足は不幸につながる!」なんて話もあります。ディーキン大学の研究(4)では、「不幸な人は貯金もできない」ことが分かっていますので、これも見逃せないポイントです。
 
要するに、睡眠不足は「不幸になるうえ貯金が減る!」という、最悪な習慣だということですね。さらには、「睡眠不足で寿命が縮まる」なんて話も聞きますから、経済的な面だけでなく、睡眠不足はよくないものだと言えるでしょう。
 

運動不足も貧乏につながる! 

厚生労働省の調査(1)によると、運動習慣がある人ほど高収入な傾向があるようです。やはり、運動も人生には欠かせない要素みたいですね。
 
「忙しくて運動する時間が無い!」などと言っている場合ではありません。労働環境が悪くて運動不足なら、職場を変えた方がよいでしょう。逆に、労働環境が良いのに運動不足なら、早く生活習慣を改善すべきです。
 
ちなみに、運動をすると経済的に有利なだけでなく、「運動をすることで鬱が治った!」という研究(5)もあります。また、アメリカ心理学会のプレスリリース(6)によれば、「運動はストレス解消にも効果的」という話もあります。
 
総合して考えてみると、「運動をするとストレスを解消できるし、幸福感も高まるし、経済的にも豊かになりやすい!」ということです。また、医学博士であるジョン・レイティは書籍(7)で、「脳を鍛えるには運動しかない!」なんて話もしています。
 
運動は1日20分でも効果があるうえ、即効性もあります。今すぐにでも始めた方がよいでしょうね。
 

まとめ 

睡眠不足や運動不足の問題は、「身体に悪いから気をつけようね」というレベルの問題ではなくて、人生全体で見て、とても大きな問題です。
 
睡眠不足や運動不足。これらを「お金が無い」「時間が無い」といって諦めている方も多いようですが、それは間違いかも。むしろ、睡眠不足や運動不足が原因で、お金や時間が無くなっている可能性が高いかもしれません。
 
【関連記事をチェック!】 【参考文献】
 
  1. 調査:厚生労働省, 2012, "平成22年国民健康・栄養調査結果の概要"
  2. 論文:Vinod Venkatraman, Scott A. Huettel, Lisa Y. M. Chuah, John W. Payne, and Michael W. L. Chee, 2011, "Sleep Deprivation Biases the Neural Mechanisms Underlying Economic Preferences", Journal of Neuroscience, 31(10), pp. 3712-3718
  3. 論文:Daniel Kahneman, Alan B. Krueger, David A. Schkade, Norbert Schwarz, and Arthur A. Stone, "A Survey Method for Characterizing Daily Life Experience: The Day Reconstruction Method", Science, 306(5702), pp. 1776-1780
  4. 論文:Cahit Guven, 2012, “Reversing the question: Does happiness affect consumption and savings behavior?”, Journal of Economic Psychology, 33(4), pp. 701-717
  5. 論文:Blumenthal, J.A., Babyak, M.A., Moore, K.A., et al., 1999, "Effects of exercise training on older patients with major depression", Archives of Internal Medicine 159 (19), pp. 2349- 2356
  6. プレスリリース:American Psychological Association, “Stress in America Press Room”
  7. 書籍:ジョン J. レイティ, 2009, 『脳を鍛えるには運動しかない! 最新科学でわかった脳細胞の増やし方』, NHK出版
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