「アカシエ 北浦和本店」で手土産に買いたい!注目の新作や、渾身のセレクトアイテム
これまでの「アカシエ」には、「マドレーヌ・ド・コメルシー」という、フランスのマドレーヌ発祥の地を言われるコメルシー地方の配合と製法に基づいた、伝統的なスタイルのマドレーヌがありました。ボックスも、フランスの現地で売っていそうなお洒落なデザインで、手土産にも人気でした。
今回、「アカシエ 北浦和本店」オープンに合わせ新発売となった「マドレーヌ・ド・サイタマ」は、興野シェフがこの時のために、素材探しから試作、パッケージ制作と時間をかけて準備していらしたもの。埼玉県産の素材にこだわり、小麦粉は、幸手市(さってし)で少量生産をしているメーカー製の、全粒粉で超微粒子というタイプ。卵は、「卵掛けご飯にすると超うまい!」と興野シェフが絶賛する川島町(かわじままち)のブランド卵。さらに、深谷市(ふかやし)の養蜂場で採れる菩提樹の花の蜂蜜をブレンドしています。火入れした際に旨味や香りが抜群に引き出される粉だそうで、全粒粉のため以前のマドレーヌに比べほんのり生地の色が濃く、焼きすぎずに粉の旨みは充分に引き出せるよう、焼き色の調整にも苦心されたそうです。
「マドレーヌ・ド・サイタマ」の5個入ボックには、埼玉県の県鳥である「シラコバト」と、埼玉県の県花である「サクラソウ」が描かれています。
この図案は、2017年の10周年に発売されたレモンの焼き菓子「フォンダン・シトロン」のボックスデザインと同様、スタッフの中に絵が得意な方がいらして、その方が描かれた「アカシエ」のオリジナル柄なのです。
そして、「アカシエ」ファンには“幻の品”として2018年夏に話題を集めた品「マスカット・オブ・アレキ・サンド」が、「アカシエ 北浦和本店」オープンに合わせ、定番商品として発売されるという嬉しいニュースも!
こちらは、百貨店の催事限定で発売したところ、あまりの人気に開店前から行列ができ、購入個数制限があってもなお、購入することが出来ず涙を飲んだお客様もいらしたという、再登場が待望されていたアイテムでした。
この品が生まれたのも、興野シェフが、全国のフルーツ産地を訪ねるようになり、ぶどうの品種ごとに特性を活かして作られた、素晴らしいレーズンに出会ったことがきっかけでした。
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」というぶどう品種は、元々、種があるぶどうであるため、最近は、種の無い食べやすい品種を栽培する農家さんが増えているのですが、興野シェフはそれらを食べ比べて、「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の香り高さを改めて認識されたといいます。
この場合、加工業者さんでは、種を取る作業が必要で、手間隙がかかりますが、それでもぶどうの個性を大切にしたいという思いにも感銘を受け、これからもこういった一次加工品を大事に使っていきたいという興野シェフ。
「マスカット・オブ・アレキサンドリア」のフレッシュな香りを活かすため、お酒に漬け込むのではなく、同じぶどうのピューレも一緒に送ってもらい、それにレーズンを漬け込んでやわらかく戻し、より風味が華やかに感じられるように粗く刻み、それをバタークリームに混ぜ込んでサブレに挟んでいます。
いずれは、何度も訪ねている山梨県のぶどう農家さんや加工メーカーさんが作るレーズンも使い、「巨峰サンド」とか「甲斐路サンド」といった、品種違いのバリエーションも揃えたいと考えていらっしゃるそう。さらに専用のボックスも作り、「アカシエ」ならではのレーズンサンドの魅力を伝えていきたいとのことです。
「アカシエ 北浦和本店」オープンに合わせ新発売となった「とき和ロール」も、以前に、イベント限定で発売したことのある「ロールケーキ」というアイテムを定番化するものとなります。このロールケーキは、以前に岩手県の産地訪問をされた際に、現地で試飲してその美味しさに感動した生クリームを巻き、その魅力をシンプルに表現したもの。奥中山高原という所で少量生産されているものを、どうしても使いたいと催事のために出荷してもらったのですが、これを機に、定番品として販売していくそうです。
乳脂肪分47%と、かなり高脂肪の生クリームですが、興野シェフ曰く、「低温殺菌牛乳のように、癖のない乳風味で、さらっとしたすっきり感がある」というとおり、重たく感じられないのが最大の特長。これを巻く生地は、マジパンローマッセを練りこんだ、卵黄と卵白別立てのビスキュイ生地。小麦粉は、微粒子できめが細かく、軽い口どけに焼き上がるタイプのものを使用しています。
「とき和ロール」のネーミングは、「北浦和本店」の住所である浦和区常盤から取っていますが、漢字が異なるのは、「浦和」の「和」の意味も込めているから。そして、興野シェフが出会った様々な素材を融合させて生まれた、日本で愛されるお菓子という意味の「和」、心がほっこり和むという「和」。様々な意味が感じられる名前です。
かつては、「フランス菓子店だから、うちはロールケーキはやらない」と思っていたという興野シェフ。でも今は、そういった自分を縛る考え方から自由になり、よいと思ったものを素直に表現し、伝えていきたいのだそうです。
こちらは、しばらくは「北浦和本店」限定の販売となりますが、いずれは「浦和店」でも販売したいとのことでした。
もう一つ、「アカシエ 北浦本店」の大きな特徴として、興野シェフが出会って魅力的に感じた加工品、たとえば、産直のフルーツジュースやビネガーなどを仕入れて販売するということも挙げられます。
チョコレートもその一つ。コロンビアでカカオ豆の栽培、発酵から携わり、チョコレートにまで加工して、「CACAO HUNTERS」というブランドで販売する“カカオハンター”こと小方真弓さんのチョコレート。その個性豊かな味わいや香りはもちろん、小方さんご自身の生き方や、カカオ農家とチョコレートに対する深い思いに大いに感銘を受けていらした興野シェフ。手に入る全種類のチョコレートを試食して、お店に置きたいものを吟味し、箱入り、袋入りと揃えられました。今回のお店で、小方さんのチョコレートを棚一杯に並べるのも夢だった、と仰います。おそらく、「CACAO HUNTERS」のチョコレートがこれだけ種類豊富に常設で買えるところは、今のところ、日本随一と言えるのではないかと思います。
さらに、「アカシエ」のお菓子に使っている材料も、家庭で作りたいという方向けに、小分けにして販売することも考えているそうです。
興野シェフは、この「アカシエ 北浦和本店」を、お客様にはもちろん、お店のスタッフの方々にとっても、素材の生産者や加工者の方々にとっても魅力のある、皆が集いたくなる場所にしたいと、設計も設備も綿密に吟味していらっしゃいました。
建物は3階建てで、2階が厨房と、冷蔵や冷凍などの素材の保管庫。チョコレートやパイ生地専用の部屋も備え、フルーツを保管する冷蔵庫には、鮮度を保つための特別な設備も導入しています。農家さんは使用しているシステムだそうですが、パティシエで導入されている方は、私は見たことがありません。業態を問わず、「いいと思ったものをどんどん採り入れる」という興野シェフの意気込みが、随所に感じられます。
3階は、スタッフの方の休憩所や事務所、包材保管庫や包装ルーム、試作ラボを兼ねた興野シェフの「社長室」など、働く人の過ごしやすさに配慮した空間が広々と取られています。
「アカシエ」の売り場の壁紙には、3人が手を取り合うデザインのロゴマークを展開した花のような柄が描かれる。農家から届いたフルーツを載せた大八車や、一つの木から作られた飾り台や一枚板のテーブルは、新潟の古材屋さんを訪れて探したもの
「いずれ、イートインスペースを使って、生産者の方など様々なゲストに話していただくイベントや、農産品のマルシェなども開催していきたい」という興野シェフ。
ソフトクリームマシンも新たに導入され、今後、イートインでパフェやクレープなどのデザートと共に、カジュアルなスタイルで提供予定です。ベースとなるミルクは、興野シェフが、様々な牛乳を比較して、これが一番ソフトクリームに合うと納得したという、八王子の「磯沼ミルクファーム」のものを使用。そのように、一つ一つの素材との出会いの感動や、それに携わる全ての人々の熱い思いが伝わるお店。それが、これからの「アカシエ」が向かっていく方向なのです。
さらに、近隣の浦和エリアにお住いの方々に向けた、これまでにないサービスも展開していきたいといった、新たな構想も広がっているそうです。新生「アカシエ」の今後が、ますます楽しみですね!
<ショップデータ>
アカシエ 北浦和本店
埼玉県さいたま市浦和区常盤10-6-11
電話 048-829-7007
営業時間 10:00-19:00 ※オープン日は11-17時の営業
定休日 水曜 ※祝日の場合変更あり。不定休はFB等で要確認
https://acacier.co.jp/