2020年以降も貧乏にならないためには支出をひとつひとつ見直す

2020年は東京オリンピックが開催される年ですが、多くの人にとって心理的節目になっているようです。2019年の消費増税や、昨今のマンション売れ残り在庫の増加など、マイナス要因は確かに存在します。そのため、経済アナリストや評論家の多くが2020年前後で景気や市場環境が大きく変わると予想しています。

 
2020年以降に備えて支出と考え方を振り返っておこう

2020年以降に備えて支出と考え方を振り返っておこう


私個人はオリンピック前後で何かが大きく変わるとは思っていませんが、それでも経済格差が開いていくのは間違いないというスタンスです。

なぜなら、現代日本では「考えない人」が非常に増えている印象があるからです。典型的なのが、たとえばテレビや有名人が紹介した商品がバカ売れするとか、ネット上で頻繁に炎上が起こる状態です。これは思考停止や想像力の欠如が主な要因だからです。

そこで提案したいのが、自分の経済活動(消費・貯蓄・運用等)を振り返り、「それは何のためか?誰のためか?そのために本当に適切な打ち手なのか?」をじっくり見直すことです。
 

教育費の見直しから、2020年以降の判断力を養う

たとえば教育費。都市部では子どもを私立の中高一貫校に入れる家庭が増えていますが、学費のみならず受験対策にもお金がかかり、親の財布を悩ませる原因にもなっています。ではそれはいったい何のためか?誰のためか?そのために本当に適切な打ち手なのか?
 
中学受験のメリットのひとつは、読み書きそろばん(計算)の能力を一気に高める効果がある点です。放っておけばついダラダラしてしまう子、授業だけではついていけず成績はクラス下位という子の場合は、基礎学力を引き上げるためにも(合格するかどうかはともかく)受験する価値はあります。また、地元の公立高校の学力が低い場合、周囲は勉強しない同級生ばかりで授業は中学のレベルから行われるため、学校だけでは大学受験対策にはほぼ至らないでしょう。その場合も中高一貫校のメリットがあります。 
 
また、中高一貫校が有利なのは、高校3年間で学ぶ内容を高2までに終わらせることで、高3のまる1年を受験準備に使える点です。ただし、だからといって大学受験の合格率が高まるかというとそれは別の話です。実際、ある模擬試験の偏差値を、公立高と私立一貫校と比べた結果、高1の頃には偏差値では私立一貫校が勝っているものの、高3になるとどの教科も偏差値では差が縮小しています。つまり公立組の追い上げスピードが早く、一貫校ではラストスパートが伸びないということを示しています。
 
一貫校の大きなデメリットのひとつは、高校受験がないという点です。一般的には高校受験がないから学校生活を伸び伸びと楽しめるという印象がありますが、子の成長を考えると必ずしもそうとは言えないからです。

大学受験では子どもはほぼ自立していて本人主体で受験する大学を決めます。この段階に来ても自分で決められないようでは将来が不安でしょう。
 
反対に中学受験では子はまだ小学4年とか5年なので、たいていは親が情報を集め受験する学校を決めることになります。勉強も塾主体で、親がそのスケジュール管理をし、子はそれに従って勉強する。よほどしっかりした子ならともかく、一般的にはそこに本人の強い意思が入ることはあまりない。
 
そして高校受験は、大学ほどではないけれども、中学受験よりも本人の主体的なかかわり、つまり受験する学校の決定やそこに向けて自分で学習計画を立てて勉強するウエイトが大きくなります。たとえば友達と一緒に下見に行くとか、参考書なども親以外から情報を仕入れて選ぶでしょう。

高校受験を通じて、自分が決めた目標に向かって取り組むことで、モチベーションや勉強方法の獲得などレベルアップが図れます。つまり高校受験は親離れが進む自立への絶好の機会なのです。
 
しかし中高一貫校でこの高校受験をスキップすると、大学受験に向けて自分で勉強法を試行錯誤する主体性や、自立に必要な「自己責任で選択する」という経験を経ないまま大学受験に突入するということになりかねないのです。そのため、大学には入ったものの、何をしていいかわからない、自分が何をやりたいかがわからないという学生を量産するリスクが指摘されています。
 
などといったことを考え、自分の子の個性に照らして考えたとき、何のために子に塾に行かせて中高一貫を目指すのか、それは誰のためか、そしてその打ち手は本当に適切なのか、いろいろ見えてくるものがあるのではないでしょうか。

そうやってひとつひとつ自分の活動を見直すことで、2020年以降も貧乏にならない、強い経済判断力が養われるでしょう。


●参考文献 
『賢者の勉強技術 短時間で成果を上げる「楽しく学ぶ子」の育て方』(谷川 祐基氏 著作)
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。