家計簿・家計管理

お金がなくなると心の余裕を失う?貧乏に陥るサイクルから脱出するためには

昨今、連日のように殺人事件が報道されていますが、人への配慮や寛容さを失っている人が増えているのでしょうか。これらの状況は、収入の低下でイライラする人が増えていることも要因のひとつかもしれません。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

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才能のある人でも、貧しさによって本来の能力を発揮できなくなる?

昨今、連日のように殺人事件が報道されていますし、動画共有サイトには街中での暴力沙汰を撮影した動画が多数アップされています。それこそツイッターではつねにどこかで火の手が上がっており、炎上事件は枚挙にいとまがありません。人への配慮や寛容さを失っている人が増えているのでしょうか。
心の余裕がなくなると、ますます収入が低下する?

心の余裕がなくなると、ますます収入が低下する?

これらの状況は、不景気による収入の低下でイライラする人が増えていることも要因のひとつかもしれません。それを示す実験結果も、過去に発表されています。
 
2013年「サイエンス」という科学雑誌に「知能テストの結果と、収入の多寡には明確な相関関係がある」という論文が掲載されました。

要約すると、「収入が増えれば知能が高まり、収入が減れば知能は下がる」というものでした。
 
ここで言う「知能」とは、いわゆる学力というよりも、認知・記憶・予測・判断をはじめ、仮説を組み立てる力、人生設計やリスクへの備えなどを含む、人間の知的活動全般の土台となる能力のことです。
 
そして、その知能の高さはつねに一定ではなく、どんなに知的な人でも、状況によってその知能が下がってしまうことがある。その大きな要因のひとつが「収入が減ること」だというのです。
 
もちろん、貧困の中でも優れた研究や成果を出した人はたくさんいるので、貧困だけが知能低下の理由というわけではないでしょう。しかし、いくら優れた才能や感性を持っている人であっても、貧しさによって本来の能力を発揮できなくなる、ということは十分起こりえます。
 

まずはお金の心配ごとをなくして、心の余裕を取り戻そう

たとえば、収入が下がってお金が減っていくと、生活のいろいろな面で不安感がつきまとうことになります。

住宅ローンが払えるか、スマホ代やクレジットカードの支払いは大丈夫か、子どもの教育費をどうするか……。するとお金をどうするかということだけで頭がいっぱいになり、精神的に追い込まれます。
 
お金に乏しくなると、心配事が膨らみ、仕事に集中できない。それがストレスとなって心の余裕を失い、深く慎重にじっくり考えることが面倒になる。

あるいは他人への配慮といったことも後回しとなり、「自分さえよければいい」と自己中心的な発想になる。
 
そうやってお金がないことによる不安が、生活の全方位にわたって悪影響を及ぼします。

すると低収入→不安→知能低下→判断や行動が不適切→ますます低収入というスパイラルになってしまいます。
 
「自分はお金に余裕がないから心の余裕も失っている」という自覚があるならば、まずは今の収入でもラクに生活できる環境を整えることです。
参考)「貯金100万円を貯められない人が節約体質に生まれ変わる方法」

そうやって家計の余裕を取り戻し、心の余裕を取り戻す。

そのうえで、どのようなキャリアや経験を積むべきか、どんな知識やスキルを身に付けるべきか、いまより報酬が高い職に就くにはどういう戦略が必要かなど、自分の収入を上げる方法をじっくり考えるのです。
 
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