木造注文住宅づくりの専門家集団・住友林業が、創業70周年を記念してすべての内装材をリニューアル。2018年9月から、床を「主役」に据えて、壁、天井、梁、建具などをすべて天然木で統一できる極めて希少な提案をスタートします。住宅・建築事業本部の鈴木千晴さんに、その内容をうかがいました。
 

国境を越える独自の木材調達基準とネットワークが背景に

住宅・建築事業本部 資材開発部 兼 技術商品開発部の鈴木千晴さんは、「マホガニーとは?“黄金の木”の特徴と魅力」や、「インテリアを個性豊かに彩る『世界の銘木』6選」にも登場した、住友林業のなかでもとりわけ木に精通するスペシャリストの一人です。常に国内外を飛び回り、床材や内装材の開発に携わっています。

「住友林業グループは、2017年5月に施行された『合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律(通称「クリーンウッド法」)』の事業者登録第1号企業ですが、この登録以前から、環境と社会に配慮した木材調達を行うために、当社独自の『木材調達基準』を運用しています。具体的な内容は、当社グループ社員による海外仕入先の原木の合法性確認審査や、伐採現場、工場の確認などです。また、持続可能性が確認された『森林認証材』、計画的な植林や伐採が行われている『植林木』、国内林業の活性化につながる『国産材』を持続可能な木材に位置づけ、その取り扱い比率の拡大を進めています」
 
住友林業

合法で持続可能、信頼性の高いサプライチェーンに基づく木の調達を行っている

住友林業は、木造注文住宅をつくるハウスメーカーであることに加え、こうした国内外の木材を調達する「商社」の機能をもち、さらに苗木を植え、育て、伐採し、再び植える取り組みも継続しています。つまり、持続可能な森林経営から木の家づくりまで一貫した体制を築いているわけで、住宅企業としては希少と言っていいでしょう。この事業内容が評価され、調達できるようになった銘木のひとつに、インドネシア産の植林マホガニーがあります。

「マホガニーは、別名『黄金の木』『赤い黄金』と称され、世界的に人気があるため、原産地の中南米では乱伐によって激減し、現在ではワシントン条約で商業取引きが制限されています。

当社が使用するマホガニーはインドネシアの林業公社のもとで適正に管理された植林木です。当社は1970年にインドネシアにクタイ・ティンバー・インドネシア社を設立しました。およそ半世紀に渡る同国での当社の事業活動や環境理念を評価いただき、合法かつ安定的に調達できるようになりました。」
住友林業

インドネシアの林業公社のもとで環境保全に配慮しながら管理され、大切に育てられたマホガニーを現地グループ製造工場で製品化し、輸入している

床、壁、天井、建具…豊富な樹種、色の選択肢が

このような取り組みを継続することで国内外の銘木を調達し、2018年4月に発売したのが「プレミアムツリー」です。先述したインドネシア産の植林マホガニー、世界的な評価の高い北海道産のナラを原材料にした「ジャパニーズオーク」などを含むシリーズで、鈴木さんもリリースに力を尽くしました。

「創業以来、国内に加えて北米、ヨーロッパ、アジア、オセアニアなどにも拠点を築いてきました。各地には現地の木を熟知する当社グループの駐在員がおり、その世界的なネットワークなくして『プレミアムツリー』のリリースはできなかったでしょう。その甲斐あってお客様からご好評をいただいておりますが、さらに多彩なご提案ができるように2018年9月からすべての内装材を刷新し、新たな提案をスタートしました。内装材のリニューアルは5年半ぶりになります。今回のポイントは床を“主役”に据えていることです」

なぜ「床」なのでしょうか。

「家の中で床は常に人のカラダに接する、最も身近な内装材であると考えるからです。木の色や表情もさることながら、その質感がダイレクトに伝わるため、今回のリニューアルでは最重要視しました。基本的に『プレミアムツリー』を構成する天然木、ジャパニーズオーク、チェリー、チーク、マホガニー、ウォルナット、メイプルに国産樹種のヤマザクラ、オニグルミなどを加えて15樹種の床材を用意し、そこに加えて、天井や壁、梁など各部位に適したアイテムをトータルコーディネートしていくことができます」
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常に人のカラダに接する床。自然素材ならではのぬくもりと肌合いが愉しめる

住友林業

壁にも木をあしらうことで室内がナチュラルで温かな雰囲気に

住友林業

天井を木で仕上げることで落ち着いた空間を演出

もうひとつの特徴が、建具ドアも合わせて選べることです。

「当社グループ内に木質建材メーカーを持つ強みと協力メーカーとの連携を活かし、建具ドアや収納家具、階段・カウンター等のラインナップも豊富に用意しました。木調9色柄に2色を追加し、全11種類からお選びいただけます。特に新デザインの建具ドアは20~30代の若い世代やインテリア性を重視されるお客様にご提案します」

一般的な住宅内装材のコーディネートでは、仮に気に入った床材があっても、それに合うような建具ドアや壁材、天井材の選択肢が少ないため、結局は無難な白い建具ドア、天井に落ち着くことが多いもの。

「しかし当社でしたら、まず気に入った床材を選択していただき、建具ドアや壁材、天井材とトータルコーディネートができます。さらに、石やタイル、スチールなどの異素材をマッチングすることで、木の魅力を引き立てるアレンジも可能です。住友林業の木造注文住宅にはお客様一組一組に一人ずつ設計担当とインテリアコーディネーターが付きますが、もちろん、この内装材や建具の選択でも同様にアドバイスさせていただきます」
 

大空間を実現するBF構法が木の魅力を引き出す

床から壁、天井、さらに建具も天然木で統一した室内。そこはどんな空間になるのでしょうか。

「一歩足を踏み入れた瞬間に『圧倒的な木質感』に包まれると思います。そして、その空間を、さらに味わい深いものにしてくれるのが、住友林業独自の『BF(ビッグフレーム)構法』なのです」

BF構法は、日本初の梁勝ちラーメン構造を木造住宅で実現した構法です。一般的には105mm角の柱に「筋交い」や「耐力壁」を組み合わせて家を支えているのに対し、BF構法では幅560mmのビッグコラム(大断面集成柱)を主要な構造材として使っています。これによって優れた耐震性を担保しつつ、構造上必要な壁を少なくして、設計自由度の高い大空間をつくることができます。
住友林業

大きな窓や広々としたリビングはBF構法ならでは。天然木に包まれた暮らしの良さを最大限に引き出してくれる

「壁や間仕切りがない空間は、その樹種ならではの表情や木肌、個性的な風合いや光沢、色合いを感じるエリアが増え、木のぬくもりに囲まれた感覚を実感していただけると思います。つまりBF構法が、今回の内装材リニューアルの魅力を最大限に引き出してくれるというわけです。また、室内と屋外をつなぐ大きな開口部もBF構法の特徴ですので、木に囲まれた室内で自然の心地よさを常に感じられる暮らしになると思います」
住友林業

希少な国産ナラの内装材・ジャパニーズオーク。木目が美しく、落ち着いた薄茶色の木肌は使いこむほどに味わいを増す

住友林業

ウォルナットはほんのり紫がかった色合いが高貴な印象。木目が織り成すグラデーションは自然が創り出した芸術だ

住友林業が提案する全面リニューアルされた内装材。魅力に触れる最適な場所は、「もちろん全国各地の住宅展示場です」と鈴木さん。

「住宅展示場によってモデルハウスにつかわれている樹種が異なります。事前にホームページで全国住宅展示場の情報を確認し、好みの樹種が用意されている展示場を調べてから訪れることをお勧めします。

また、新しい床材や内装材を使用した展示場は順次建築中です。お近くのショールームでも実物をご用意しておりますので、是非お立ち寄りください」

住宅展示場で「圧倒的な木質感」に触れ、木と自然のぬくもりを感じる暮らしを体感してください。

<関連サイト>
持続可能な調達を進める仕事
The Forest BF 四季の愉しみと出会える家。
全国住宅展示場・ショールーム情報
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