だから何……「幸せ自慢女」はぶっちゃけウザイ?
昔から女性は自分の恋について、つい友だちに自慢したり愚痴ったりしがちなもの。今はSNSの影響もあり、不特定多数の人に向けて「ラブラブアピール」をすることもある。だがそれも度が過ぎると、彼との関係に亀裂が入る怖れもあるようだ。
裏アカウントを使ってまで……嫉妬から彼との仲を壊された
「久々に彼ができて浮かれてしまってたんです」アキさん(31歳)はそう言う。30歳になる直前、3年ぶりの恋愛をした。相手は仕事関係のセミナーで知り合った同い年のイケメンだった。つきあうことになってすぐ、彼とのツーショットをSNSにアップした。
「彼はSNSに疎い人だったし、載せていいかと断りを入れなければ……という認識もないままアップしちゃったんです。こんなステキな人とつきあえるのがうれしいという思いが強くて、周りのことなど考えていなかった」
友人からは祝福と羨望のコメントがたくさんついた。その後も、彼と一緒に行ったレストラン、カフェ、ドライブや旅行先など、たびたび写真をアップしていった。
「あるとき、彼のお母さんを名乗る人からコメントがあって。『どんどんつきあいが深くなっていることを不特定多数の人に拡散して、何が目的ですか。うちの息子を追い込んで結婚することですか?』って。友人たちは、お母さんじゃないよ、前カノとかじゃないのと騒ぎ出したんです。私もなんだか怖くなってきて。でも、彼は一向にSNSには興味がなさそうだし、デートの様子をアップしつづけていたことも、今さら言いづらくて相談できずじまいで……」
そしてあるとき、友人から「あの“お母さん”、やっぱり彼と関係のある女だよ」と連絡が入る。
友人がアキさんの交友関係をたどって、“お母さん”の正体を突きとめたのだ。どうやら複数のアカウントを使い分けてSNSを多用している女性らしい。
教えてもらったその女性のタイムラインを見ると、確かに彼の写真が多数アップされている。女性自身の顔は映っていなかったが、手や髪の一部などは入っている。
アキさんは彼に「もしかして浮気してる?」と軽くカマをかけてみた。彼は「オレにはアキちゃんしかいないよ」と言い続ける。だが、女性のSNSには新たな彼の写真が日々載せられていて、 アキさんは疑心暗鬼に陥ってしまった。
「とうとう、彼に全部話したんです。その女のSNSも見せて、お母さんを装って私にこんなメッセージまで送って来たんだからって。……すると彼が言ったんです。『ていうかこれ、合成じゃない?』。
確かによく見るとその女性がアップしている彼の写真はぜんぶ、私のタイムラインから取ったものだったんです。私は熱くなっていて気づかなかったんですが、彼の着ている洋服を少し加工したり、彼の腕に女性の腕をからませて写真を合成したりしていた。
あっ、と思いました。私に女性の情報をもたらした友人がそういう写真技術をもっているんですよ」
アキさんは慌てて友人に電話した。どうしてあんなことをしたのよ、と怒りにまかせて叫ぶと、「たかが彼ができたくらいでうざいのよ、あんたのSNSが!」と吐き捨てられた。結局は友人の嫉妬だったのだろう。
だがこの一件で、アキさんは彼とも気まずくなってしまった。「こんなに私生活をダダ漏れにして楽しい?」と彼が呆れたように言ったからだ。
個人的には幸せな人は幸せを振りまけばいいと思うのだが、世間にはそう思わない人も多い。幸せだからって酔ってるんじゃないよ、と他人の嫉妬を煽る怖れも大きい。
女子会でも? 足を引っ張りたくて聞き出す人も……
SNSだけではない。リアルにつきあっている友だちから、恋愛のことで嫌がらせされたというのはミホさん(31歳)だ。
「会社の先輩と後輩と私、女3人でいつも一緒に遊んでいたんですが、私に彼ができたんです。しかも社内恋愛だから、あまり公にはできない。うちの会社、社内恋愛は禁止ではないけど、推奨もしてない雰囲気なんですよね。だから2人にも最初は隠してたんですが、先輩が『最近つきあい悪くない? もし彼氏でもできたんなら、応援するよ』と言ってくれたので、ついうっかりしゃべっちゃったんです……」
その後、先輩と後輩の態度ががらりと変わった。ランチでさえ誘ってくれなくなり、ふたりでこそこそ話していることも。
「しばらくした頃、彼が上司に呼ばれて、『相手の女性社員が君とつきあっていることを社外にも吹聴しているらしい』と言われたって……。私が話したのは先輩と後輩だけ。あのふたりであることないこと言いふらしたんだと思う。悔しいし、あまりに子供じみてるので、直接抗議したんですよ。そうしたら『なによ、○○君とつきあってるからって、上から目線のつもり?』って……。結局、彼との仲も気まずくなり、仕事さえしづらくなって私は転職しました」
恋愛のような個人的なことがらで周りの目を気にしなければいけないのは、本当に不自由だと思う。ましてや、SNSという不特定多数の目だけではなく、身近な友人にすら……。
だがこうしてやっかみから仕事さえ失いかねない状態があるとしたら、自分を守るために人に自分の恋愛は話さないという選択肢もあるのかもしれない。