彼との写真をSNS投稿
女優の剛力彩芽さんがZOZOTOWNを運営する前澤友作社長と行ったであろう、W杯ロシア大会の写真をインスタに投稿し、話題となった。
剛力さんは彼と同じ場所、同じポーズで写真を公開していたが、同じように恋人と行った場所をSNS投稿したところ、それを見た別の女性に「あんたが浮気相手ね!」と特定されて、揉めごとになるケースは少なくない。
「彼とつきあっている」という女性から連絡が
昨年の秋、2年ほどつきあっていた同い年の彼と旅行をしたナツミさん(32歳)。あまりに楽しかったので、SNSに何枚も写真を投稿した。
「彼ともすごくいい雰囲気だったし、このままいったらそろそろ結婚もありかなという感じだった。私としては自慢するようなつもりはなく、ただ楽しかったから写真をあげただけなんですが」
1ヶ月もたたないうちに、アキと名乗る女性からSNSを見たと連絡があった。
「私がつきあっている彼とあなたはどういう関係ですか、という内容でした。私としてはびっくりです。どういうことか問いただそうかと思ったけど、まずは彼に聞いてみようと、そのメッセージはとりあえずスルー。そうしたらすぐに私の投稿のところに、『この女、人の彼をとっていい気なもんだ。この男、私の友だちと3年もつきあってるよ』とコメントがついた。でもおそらくアキという女性が書いたんだろうと思いました」
彼に会って話したかった。だがそのとき、彼は出張中。出張先にまでこんな話で追いかけたくないとナツミさんは自重した。それをいいことに、書き込みは増えていく。
知らない人からも、「こういう女がいるから世の中乱れますよね」などというコメントがつき、ナツミさんはいても立ってもいられなくなっていった。
「出張中の彼に夜、電話してみたんです。アキっていう女は誰なのって。彼は一瞬、息を呑んだような感じでしたけど、『知らない』と。やっぱり会って聞くべきでした。電話じゃ表情がわからないもの。『出張先で明日も早いから、帰ってからにして』と言われて。でも彼が帰ってくるのは3日も先。翌朝起きたら、コメントはさらにひどいことになっていて……」
ナツミさんは限界だった。反論したのだ、疲弊するだけとわかっていても。
見知らぬ女とオンライン上での修羅場、そのとき彼は……
「あんた、ヘンなメッセージ寄越した人でしょ。自分の友だちじゃなくて、あんた自身が私の彼の浮気相手なわけね!」
そんなふうに書いてみた。バトル勃発で喜ぶのは多くのやじ馬である。
「いろんな人がいましたね。訳知り顔で『こんなバトルやっている人の頭の中身が見てみたい』だの、お為ごかしに『がんばって』と言ってくる人だの。誰が本当の友だちで、誰がおもしろがっているだけなのか、手に取るようにわかりました」
ナツミさんはアキさんのSNSを見てみた。見覚えのあるTシャツを着て、「彼とおそろ」などと書いてある。顔は出ていないものの、一緒に映っているのは彼に間違いない。首元のほくろになじみがあった。
悪いのは彼だ。わかっていながらアキさんのことが憎くてたまらなかった。
ただ、アキさんは3年つきあっていると書いている。だとしたら2年の自分のほうが「浮気相手」になるのだろうかとナツミさんは悩んだ。全員が独身の場合、どちらが浮気なのかはなんともいえないのだが……。
SNSはどんどん炎上していく。バトルは続いた。そうしているうちにようやく彼が帰ってきた。どうやらSNSでのことは出張先で知ったようだった。
「帰ってくる日の夜、すぐにでも彼に会いたかったのに、そのまま会社で仕事があるからと、結局会えたのは翌日の夜です。いったいどういうこと? と言ったら、『彼女は元カノで、別れたのにつきまとわれている。ちょっと精神的に危ないので、ときどき会ってはいるのは確かだが、つきあってはいない。もうSNSでやりとりするのはやめてくれ』と言うんです。それで、そのままプロポーズされました」
結婚という言葉で、すべてをうやむやにしようとしているのだろうか……疑いながらも、ナツミさんは彼の言うままにSNSを削除、登録も抹消した。
彼からのプロポーズが信じられず、結末は
「でも数日後、友人から連絡があって、アキさんが『彼にプロポーズされた! ライバルに勝った、もともとライバルとは思ってないけど』などと書いている、と。そこで初めて、彼は私ではなく彼女を守ったんだと知り、彼が誰を大事に思っているのかわかってしまった」
彼に断腸の思いで別れのメッセージを送った。せめて決着は自分からつけたかったのだという。しかし結局、彼からはなんの連絡もなかった。本気で好きだった彼女は心底、落ち込んだ。
「ところが今年になって、アキさんのSNSをウォッチしていた友だちから連絡があって。なんと彼女、結婚したとSNSにアップしてるって。その相手が、彼じゃなかったんです」
アキさんはナツミさんと彼との間を壊したかっただけなのか。彼の言ったことは正しかったのか。もしそうだとしたら、ナツミさんは彼を信用しきれなかったことになる。
彼はどう思っていたのだろう。気にはなっているが、ナツミさんは彼に連絡をとることを躊躇している。