北海道の冬の厳しい自然の中良質な木材に進化

ジャパニーズオーク

 

住友林業では、2002年4月に発売したオークをはじめ、チーク、パイン、メイプル、バンブー、マホガニー、ウォルナット、チェリーなどを「銘木シリーズ」として、各樹種の特性を活かした内装材を提案し続けてきました。

「今回、そのラインナップに加わったのが、世界的な評価の高い日本産のナラを原材料とした『JAPANESE OAK(ジャパニーズオーク)』です。ナラは北海道から九州まで広く分布していますが、なかでも生育環境として最も上質とされるのが北海道であり、特に理想的な環境が整っているのが道央・旭川周辺です。大部分は天然林に生えており、そこから厳選された材を使用しました。

ただ、ジャパニーズオークは比較的生育が遅く、国産のものは本数が少ないため、まとまった量を調達するのは簡単ではありません。そこで調達担当者が実際に現地に足を運び、3年程かけて戸建て住宅約800棟分の供給量を確保できるようになりました」(住宅・建築事業本部 技術商品開発部 中野邦彦さん 以下同じ)
 
ジャパニーズオーク

今回のジャパニーズオーク発売にあたり、ナラの伐採は2016年の冬季から始まった。すべて自然に生えた天然のナラを厳選している

ジャパニーズオークの伐採シーズンは、木の成長が止まる11月~2月。春から夏の成長期にあたる木は水分や養分を多く含んでいるため変色しやすく、製品に適していないからだそうです。

「伐採したナラはさらに内部の水分を抜くため、およそ半年かけて伐採地近辺で天然乾燥します。冬季の旭川周辺は積雪量がすさまじいため、いかに太陽が照ったとしても水分が抜けないのでは?と思われるかもしれません。しかし、冬の北海道は気温が低下するのと同時に、実は湿度も非常に低下するため、一面に深く雪が積もっていても木材は乾きやすい環境なのです。
 
ジャパニーズオーク

雪がナラ材の上に降り積もっても、極めて湿度の低いパウダースノーのため、木材内部に湿気が入り込むことはほとんどない

しかも道央は海から遠く離れた内陸部であり、湿気を含んだ海風の影響をほとんど受けません。ちなみに地元では、こうした環境でモノが乾く現象を『しばれ乾き』と呼ぶそうです」

半年間の天然乾燥後は乾燥窯に入れ、約1カ月間かけてさらに乾燥。ジャパニーズオークは割れや変形を防ぐなどの目的で、念入りに自然乾燥のプロセスを挟むそうです。

 

「虎班」「節」「白太」…豊かな表情も魅力

ジャパニーズオークの供給地を道央・旭川周辺にしているのは、もうひとつ理由があります、と中野さん。

「土地の気候や地理などを熟知した職人が現地にたくさんいらっしゃることが挙げられます。乾燥した材一本一本の品質を吟味し、最適な場所に刃を入れて切るのは、経験を積んだ職人でなければできません。厳寒の北海道で育ったジャパニーズオークは年輪がつまって堅い木になるため、不適切な場所に刃を入れると割れてしまうこともあるのです」
 
ジャパニーズオーク

北海道・旭川地方のジャパニーズオークの品質を地元の熟練の職人が導き出す

また、ジャパニーズオークの大きな特徴である「表情」を活かす技術も職人なくしては語れないとのこと。

「ジャパニーズオークには特有の表情、『虎班(トラフ)』があります。最良の状態で挽き出すには、長年の経験と高度な技術が必要。木にはひとつとして同じものがなく、同じ木材でも挽く度に印象は大きく変わってしまうのです」

今回販売するジャパニーズオークのなかには、樹齢30年程度と比較的若く直径の小さな「小径木」が多く含まれています。これまでは燃料用木質チップなどに使われていましたが、小径木ならではの表情があり、これを何とか木造住宅に活かしたいという想いから、ジャパニーズオークに用いることになったそうです。

「ジャパニーズオークの小径木には、枝が生えた跡の『節(フシ)』や、幹、枝を支えていた部分の『あて』、木の成長過程で若く明るい色の『白太(シラタ)』などがあります。これらを表情豊かにしてくれるのも職人の腕。

例えば節のなかには「抜け節」といって穴が開いてしまうものもあるため、そうならないようにパテ埋めをする、あてやシラタが最も美しく見えるように微妙な凹凸を見つけてかんなで削り上げる、といった作業が行われています。機械ではなく熟達した職人ならではの研ぎ澄まされた感覚あればこその『技』なのです」
ジャパニーズオーク

北海道・旭川地方のジャパニーズオークの品質を地元の熟練の職人が導き出す
 

室内の部材もジャパニーズオークで統一できる

前ページで紹介した虎斑や節、あて、白太などの表情を最大限に表現できるように、ジャパニーズオークの無垢フロアは床材の幅を広げていることが特徴です。

「幅は一般的なものより広い114ミリにしました。また、重厚感を出すため厚さは15ミリとしています。床材の継ぎ目部分は通常の『V溝』でなく、角が丸く仕上げられ、肌触りが良く柔らかみのある『R溝』です。表面のぬくもりや弾力を活かす天然由来のオイル仕上げや継ぎ目の仕上げも手作業で行っており、自然の風合い、質感を損なわないようにしています」
ジャパニーズオーク

ジャパニーズオークの無垢フロアは、キャラクターを最も美しく見せる削り方、優しい肌ざわりを生む溝の角度などを知り尽くした職人によってつくられる

さらにフロア材だけでなく、リビング収納の扉や室内ドア、階段や玄関収納などの部材もジャパニーズオークのテイストで統一することができるのも見逃せないポイントです、と中野さん。

「一般的には、フロア材に本物の木を使ったとしても、それ以外の建具の表面はプリント柄などでつくられがちですが、我々は建具などもジャパニーズオークをご用意していますので、フロア材のテイストに合わせたトータルコーディネートが可能です。これは、希少な材にも関わらずまとまった量を確保できる調達力や、自社で建具メーカーを持ち、フレキシブルに対応できる生産体制があればこその提案です」
ジャパニーズオーク

ドアや収納などもジャパニーズオークで仕上げ統一感ある空間に

ジャパニーズオーク

フロア材だけでなく、他の建具もジャパニーズオークで統一できることも見逃せない魅力(写真右上から、階段、玄関収納、ドア、床)

淡い色合いで和、洋、折衷と多様なインテリアに調和

ジャパニーズオーク

 

希少で独特の表情もあるジャパニーズオーク。この無垢フロアの家に住むとしたら、できるだけ美しい状態を保ちたいとは誰しも思うはず。となると気になるのがメンテナンスです。どんなお手入れが適切なのでしょうか。

「普段は乾拭きで十分です。汚れた時はかたく絞った濡れ雑巾で拭きましょう。木は水が苦手なので、濡れてしまった場合はそのまま放っておかず、速やかに拭き取ることが大切です。

また、フロア表面に光沢がなくなってきた頃を目安に1年に1回程度、天然由来のメンテナンス用オイルを塗布すれば、乾燥を防いで表面が毛羽立ちにくくなります。ジャパニーズオークは歳月を経るとともに少しずつ色味が深まり、味わいを増すことが特徴。そうやって少しずつ風合いが変化していくことも、ジャパニーズオークの楽しみのひとつと思います」

アクセントとなる木肌のユニークな表情や、他の銘木にはない優しく淡い色合いは特に女性の人気が高く、和、洋、あるいは折衷と多様なインテリアに調和します。全国の住友林業のモデルハウスやショールームで、ジャパニーズオーク独自の世界観に触れてみてください。  
ジャパニーズオーク
ジャパニーズオーク

優しく淡い色合いと豊かな表情がさまざまなタイプのインテリアに映える

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