20代の男女の約80%が仮想通貨に興味ありと回答
仮想通貨の自主規制団体として発足した一般社団法人日本仮想通貨交換業協会は、この4月、仮想通貨取引についての現状報告を発表しました。2014~2018年3月までの金融庁登録業者14社、みなし業者3社のデータを集計したもので、日本国内での仮想通貨取引の変遷がまとめられています。2014年、現物取引高が24億円、証拠金・信用・先物取引高が2億円だった市場規模は、2017年には現物取引高が12兆7140億円、証拠金・信用・先物取引高が56兆4325億にまで上昇・拡大しました。
顧客分布は10代~80代以上まであらゆる世代の投資家が市場参加していますが、現物取引では全体の90%を20~40代が占めており、若い世代の仮想通貨への関心の高さがうかがえます。一方、証拠金・信用・先物取引高は40代、50代が中心で、金融知識を持つ投資家が取引の中心にいることがわかります。
預かり資金は全体利用者の約95%が100万円未満で、そのうちの約77%が10万円未満です。取引所のハッキングリスク回避や若年層の参加が多いこともあり、口座の数多くは小口での開設となっています。
2014~2016年まではネガティブ面が先行し、一部の前衛的な投資家が投資の対象としていた仮想通貨ですが、2017年の急激な価格の上昇により一般の投資家が注目し、そのニュースに触れることで一般の消費者もその存在を認知することになりました。少額でも投資参加可能という背景もあり、現在の市場の牽引役は若者であることがよくわかる報告となっています。とある調査では、20代の男女の約80%が仮想通貨に興味ありと回答したという報告もあります(若年層調査のTesTee(テスティー)調べ)。
2014年に186件だった相談件数は、2017年には2769件まで増加
しかし、裾野の広がりにより仮想通貨関連の消費生活相談数も増加傾向にあります。2014年に186件だった相談件数は、2015年には440件に、2016年には847件に、2017年には2769件まで増加、特に30~50代からの相談が急増しています。相談者の居住地も2015年は大都市圏が中心でしたが、2016年以降は全都道府県で相談が寄せられ、仮想通貨取引や決済が全国で行われていることがわかります(PIO-NET(パイオネット:全国消費生活情報ネットワークシステム)調べ)。知る人ぞ知る存在だった仮想通貨が市民権を得た今、安全な取引のための正しい知識の啓蒙が急務となります。