ストレスマネジメント

頑張っているのに評価されません(34歳女性・会社員)

ガイドの掬池友絢(きくち・ゆうけん)は、浄土宗の尼僧。大学卒業と同時に僧階を取得し、静岡・三島市にある実家の寺を守りながら、仏教組織で仏教を世界に広げる仕事をしています。上司と合わない、同僚とのコミュニケーションに疲れる、頑張っているのに評価されない……といった仕事をする女性のお悩みに、仏教に寄り添いながらお答えします。

掬池 友絢

執筆者:掬池 友絢

仏教とストレスケアガイド

職場のストレス,人間関係

仏教の教えをストレスマネジメントに活かす

掬池友絢(きくち・ゆうけん)さんは、浄土宗の尼僧。静岡にある実家のお寺を守りながら、今は仏教組織で仏教を世界に広げるお仕事をされています。上司と合わない、同僚とのコミュニケーションに疲れる、頑張っているのに評価されない……、といった仕事をする女性のお悩みに、仏教に寄り添いながらお答えします。
 

「頑張っているのに、評価されません」(34歳女性・会社員・未婚)

今回のお悩みは34歳会社員の女性から。
5年前に転職し、広告関係の会社で働いています。学生時代から憧れていた仕事なのでやる気もアップし、がんばってきました。

しかし、5年経った今も与えられる仕事はあまり変わらず、なんとなく悶々としています。同じように転職してきた同僚は、大きなプロジェクトを任されたり、昇進したりするなか、私だけが取り残されている感じ。私だって、それなりの仕事を任せてもらえれば成果を出せるのに……と思ってしまいます。

朝活でセミナーや勉強会に参加したり、休日には仕事に関係する本を読んだり、スキルアップのために努力をしているつもりです。それなのに認めてもらえないような気がして、35歳を目前にして、焦りを感じています。これは私の実力不足なのでしょうか? このままでは自分に自信が持てなくなりそうです……。
 

アドバイス1:具体的なアピールをしてみましょう

学生時代から憧れていた仕事に就けているのは素晴らしいことですね。あなたが努力を重ねてこられたからこそ、転職にも成功されたのだと思います。

さて、もっと大きな仕事を任せてほしいとのことですが、上司や先輩などに「自分はもっと仕事がしたい」という意志を伝えているでしょうか?

待っているだけではチャンスはやって来ない場合があります。もし伝えていないなら、自分の意志を周囲に伝える必要があるかもしれません。

きちんと伝えているのであれば、アピール方法を少し見直してみてはどうでしょうか。

セミナーや勉強会などにも参加して一生懸命がんばっているわけですから、「私はこんなことに興味があります」「こんな勉強会に行ってきました」といったことを具体的に発信してみるのです。

単に「やる気があります」では上司も判断しにくいものですが、得意なことや持っているスキルが具体的にわかれば、「この仕事は彼女に向いているかも」と新しい仕事を任せてくれるかもしれません。自分が今、何に興味があり何を学んでいるのか、さりげなく話してみるのもひとつの手段だと思います。
 

アドバイス2:”嫉妬”の感情に気づき、認めてみる

嫉妬,手放す

自分の中の嫉妬に向き合い、認めることで次に進めます

ただ少し気になったのは、あなたが同僚に”嫉妬”しているのではないか、ということです。同僚が大きなプロジェクトを任されたり、昇進したりするのをうらやましく思い、「なぜあの人が……」「どうして私ではないのか」という気持ちを持ってしまうなら、それは嫉妬です。

嫉妬はマイナスな感情ですから、持っていると自分の心が苦しくなります。なるべく持たないほうがいい感情ですが、人間なら誰もが持ってしまう感情でもあります。

では、どうすれば嫉妬をなくせるのか?

それには嫉妬している自分に気づき、それをきちんと認めることです。

自分の中の醜い心を受け止め、自分自身と向き合うことができるようになれば、「いいな」「ずるいな」という妬みが「もっとがんばるぞ」に変わり、これからどうすればいいのかという次のアクションも浮かんでくるはずです。

嫉妬していることを自分で認めるのはつらいですよね。惨めな気持ちにもなるでしょう。でも、ちゃんと認めることで次のステップに進めるようになります。マイナスのエネルギーをプラスに転換できるようになるのです。
 

アドバイス3:評価だけでなく、自分の足元を見つめる

周囲に認められ、評価されることがモチベーションになる、という人は多いかもしれません。どんな仕事でも、周りの評価は気になるものです。また、何かひとつ評価を得ると「もっと認められたい」と次々に欲が出てきます。

向上心を持つのは良いことですが、評価や欲ばかりに振り回されないようにしなければいけません。大事なのは評価される仕事をすることではなく、その仕事が本当に自分がやりたいことにつながっているのか、ということ。本当にやりたいことであれば、他人からの評価はあまり気にならないはずです。そして、本当にやりたいことに真剣に取り組んでいれば、自然と周囲から認められるようになります。

「大きな仕事がしたい」と望むのは悪いことではありませんが、小さくても仕事は仕事。それを評価してくれる人は必ずいます。また、毎日の中には小さくてもありがたいこと、恵まれていると感じることがたくさんあるはずです。

「もっともっと」と遠くばかりを見ていると足元が見えなくなり、そうした小さな幸せに気づけなくなってしまいます。それはとてももったいないことです。

日々の小さな幸せに気づき、感謝しましょう。落ち込んだときや自分に自信が持てなくなったとき、それがあなたの心の支えになるはずですよ。 
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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