市場予想を上回った主力5銘柄をピックアップ

18年3月期の決算発表が一巡しました。

株式市場では円高や原料高、人件費高騰などで19年3月期に減益になるのではないかとの警戒感もありましたが、経常利益ベースでの増益は確保できそうとの見方が広がっています。日経平均株価も戻り歩調となっています。

今回は主力銘柄の中で、市場の予想を上回った銘柄5社をピックアップしてみました。セクターでは自動車や商社、運輸の大手、テーマでは半導体、FA関連の2銘柄をご紹介します。

銘柄1.トヨタ自動車<7203>

トヨタ自動車<7203>は言わずと知れた世界有数の自動車メーカーです。18年3月期の売上高29兆3795億円(前年比7%増)、営業利益2兆3998億円(同20%増)でした。営業利益は会社計画を約2000億円上回っています。

会社側が強調していたのは「トヨタ生産方式(TPS)と原価低減でトヨタらしさを取り戻す」というものでした。TPSは、必要なものを、必要なときに、必要な分だけを届けることを目的とする方式。無駄な在庫を持たず、ジャストインタイムに提供することで無駄をなくすものです。

前期はTPSと原価低減で1650億円の増益要因になりました。19年3月期の営業利益は2兆3000億円(前期比4%減)ですが、為替の円高で2300億円の減益要因で、この影響を除けば増益となります。原価低減効果は1300億円を見込んでいます。

EVや燃料電池車開発に研究開発費がかかりますが、その費用も原価低減などで捻出する方針。前期も今期計画もアナリストの予想を上回りましたが、その理由はほぼTPS+原価低減効果分。筋肉質な体制が整ってきています。

銘柄2.三菱商事<8058>

三菱商事<8058>は総合商社の大手で、資源部門に強さがあります。商社は原油など権益の持ち分損益が重要なので、営業利益よりも当期純利益で比較します。

18年3月期の純利益が5601億円(前年比27%増)となったのに続き、19年3月期の純利益予想は6000億円(前期比7%増)、1株利益は378.3円を計画しています。市場では今期に減益になると見る向きもあっただけに、株価は好感して上昇しています。

エネルギー部門で前期に一過性の損失を計上した反動や市況の上昇などが貢献。また、化学事業や生活産業事業などでも増益を見込んでいます。

配当は前期比5円増配の年115円とする方針です。株価を3300円なら、配当利回りは3.5%に迫る水準となります。

銘柄3.ヤマトホールディングス<9064>

ヤマトホールディングス<9064>は宅急便大手のヤマト運輸の持ち株会社です。18年3月期の営業利益は356億円(前年比2%増)となり、会社計画の310億円(同11%減)を上回りました。

ヤマト運輸といえば昨年、ネット通販普及によるドライバーの過重労働が話題になったことを覚えている方も多いでしょう。その後、会社側では出荷調整や再配達の削減、賃金の是正、値上げなどに取り組んできました。

19年3月期は売上高1兆6000億円(前期比4%増)、営業利益580億円(前期比63%増)と大幅な増益を計画しています。宅急便の取り扱いを約4%削減しながらの大幅増益計画は、同社の構造改革が進んだことを示しています。

株価は一時の低迷がウソのように、2000年3月以来18年ぶりの3000円台回復となっています。

銘柄4.東京エレクトロン<8035>

東京エレクトロン<8035>は半導体製造装置メーカーです。19年3月期の売上高1兆4000億円(前期比24%増、営業利益3660億円(同30%増)を計画しています。

営業利益は前期にも8割増となっており、連続の大幅増益見込み。今期のアナリスト予想の約3000億円を上回る計画です。半導体はパソコンやスマホだけでなく、IoTや5G、自動運転などにも使われるため設備投資の需要が増加しているのです。

今期の年間配当金は823円(前期は624円)の方針で、値が株にもかかわらず配当利回りが高く、PERも13倍台にとどまっています。

銘柄5.ダイフク<6383>

ダイフク<6383>は保管や搬送システムで世界トップクラスのメーカーです。FA(工場の自動化)を進めるのに同社の仕組みが不可欠で、業績が拡大しています。

18年3月期の営業利益は399億円(前年比73%増)となりました。期中に370億円から390億円に上方修正しましたが、それも上回りました。19年3月期は売上高4600億円(前期比14%増)、営業利益460億円(同15%増)を計画しています。

倉庫に同社の装置を導入すると自動で商品を仕分けして保管。必要な場所に搬送。無人の夜間でも動き続けます。ライバルはほぼ見当たりません。同社では需要に応じるため、増産投資を急ぐ考えです。

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