介護職にとってレクは悩みの種

レクリエーション介護士

レクリエーション介護士とは?

このページに訪れる人は既に介護福祉士の資格をお持ちの方も多いと思います。本連載では介護福祉士の資格に加えて、現場で活用できる、プラスアルファの資格を紹介していきます。

今回は特別養護老人ホームなどの施設やデイサービス(通所介護)などの事業所で働く介護職にとって、悩みのひとつと考える人が多い「レクリエーション(以下、レク)」をとりあげます。  

そもそも介護施設などで行われるレクのプログラム(企画)には、体操やダンスなど体を動かすもの、パズルや計算ドリルなど頭脳を中心につかうもの、手芸や折り紙など指先を中心につかうもの、合唱やカラオケなど音楽を楽しむもの等々があります。

こうしたレクを行うことで体力や認知機能の低下を防ぐほか、仲間や職員、ボランティアで施設に訪れる地域のみなさんと交流することを目的やねらいとしています。 

しかし現場で働く職員は、人手が十分とはいえないなかで、ご利用者の入浴、食事、排泄などの日常生活の介助に追われ、レクのプログラムを企画することはもちろん、当日のリハーサルをする余裕などなく、「悩みのひとつ」となっている人が多いようです。
 

レクリエーション介護士の資格取得で自信をもってレクができるように

「ネタがなく、マンネリ化していることに悩みながらレクに取り組んでいた」という介護職員のAさん。そんな現状を打破するべく、思い切ってチャレンジしたのが「レクリエーション介護士」の資格取得でした。

「レクの基礎的な知識から学びたい」「参加者の個性や状態に合わせてプログラムを考えられるようになりたい」という人も「レクリエーション介護士」の資格を取得することでレクに自信を持つことができるかもしれません。

この資格についてもう少し詳しく紹介しましょう。

レクリエーション介護士の資格概要

  • 一般社団法人日本アクティブコミュニティ協会が認定する民間資格
  • 級・レベル:2級、1級、マスターの3段階
  •  各級のレベル目標
2級…介護の基本的な知識、介護レクリエーションの意義や役割を理解している
1級…自ら介護レクリエーションの実践を通して、事業所のレクリエーションを充実できる
マスター…地域や介護施設でリーダーとしてレクリエーション介護士を育成できる
  • 独学できるか
独学では取得できず、通学講座通信講座で取得します。公認講師が法人に直接出向いて実践的に指導する団体研修もあります。通学講座で2日間(6時間×2日)、通信講座で約3ヵ月間の学習が必要です。
  • 取得費用
受講にあたっての費用は、通学講座で35,000円~40,000円程度、通信講座で35,000円です。
  • 試験内容
気になる試験ですが、通学講座の場合、2日目の最後に1時間の筆記試験が設定されています。通信講座の場合は、受講終了後に自宅で筆記試験を受験します。
 

その他の資格に関する注意点

  •  合格率は?

筆記試験は通学・通信ともにテキスト持込可となっています。通学の場合、多くの学校が再試験制度をとっており、合格率は9割を超えています。筆記試験は選択式50問で60点以上が合格。加えて添削課題(レク企画書)の提出が必要です。

  • 日本語以外での受験は可能?

昨今、外国人の介護職が現場で働く姿も目にするようになりましたが、筆記試験と企画書の合格が必要となるため、日本語が書けない場合、受講は難しいようです。ちなみに課題の提出はすべてひらがなでもよいとのこと。テキストは日本語版のみとなります。

  • テキストはどんな内容?

入門編となるレクリエーション介護士2級のテキストは、「レクリエーションの意義と役割」、介護保険制度などの「介護の基本的な知識」、「高齢者に対する現場での支援の方法」、「レクリエーションの企画と計画」、「レクリエーションの実行と見直し」「安全管理と実行の際の留意点」といった章立てで構成されています。理論だけでなく、具体的な実践例も学ぶことができます。

  • 取得したら給与・立場が上がる?

最近はレクリエーション介護士の資格手当の制度を設けて、給料に反映する施設もあるようです。さらに、レク専門でいくつもの施設で働くほか、自ら地域でサロンを立ち上げて活躍している人もいます。

ちなみに、レクで悩んでいた介護職員のAさんは、レクリエーション介護士の資格を取得後、施設のレクの企画と運営を任されるようになり、現在では自分の仕事にやりがいを感じています。

介護福祉士の有資格者は現場においてリーダー的な立場である人も少なくないでしょう。自らのスキル向上はもちろん、後輩の職員にレクリエーションの意義やプログラムの立て方について説得力のある指導をするには、このような資格制度を通して学ぶことが役に立つと考えます。
 

資格取得はハードルが高い人は雑誌や書籍も

「レクリエーションのプログラムを考えることはもちろん、もともとあがり症で、人前で話すことが苦手。複数のご利用者の前で毎回ドキドキしていました」。

こう語る介護職員のAさんが参考にしたのが雑誌や書籍です。いくつか種類があるので、書店やウェブで内容を確認し、自分に合うものを購入するとよいでしょう。

なかには雑誌と動画と連動してレクのプログラムを紹介している雑誌もあり、今年5月創刊の「介護レク広場.book」(BCC株式会社スマイル・プラスカンパニー発行)では、雑誌で紹介されている各プログラムにQRコードが付いており、それを読み取ると音源と動作を確認することができます。

レクアイデア収集のヒントは「自分の生活を少し豊かに」

最後にガイド自らの経験から、レクアイデア収集のヒントを紹介します。

それは「レクを提供する介護職のみなさんの日常を丁寧に暮らすことを心がけてみては」という提案です。

例えば
flower

公園を散策している途中で出会った色とりどりのあじさい

休日の朝は少し早起きしてウォーキングや軽い運動をする、朝食を自分でつくってみるといった小さな変化を楽しんでみるということです。

ガイド自身も、自分で種をまき野菜を育てたり、一日のうち、5分間でも瞑想をする時間をつくるようになってから、これまで気づかなかった四季の移ろいなどに気づくようになり、高齢者との会話も広がりました。

「あじさいの花が咲き始めましたよ」

ご利用者のなかにはこのような一言でも喜んでくださる方はいますし、レクを進めるうえでの話題づくりにもつながるでしょう。

ご利用者に対する気遣うことはもちろんですが、それと同様に、介護職であるあなた自身の心身も労わってほしいと思います。
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