犬にさくらんぼを与えても大丈夫?
犬にさくらんぼは大丈夫?
<INDEX>
- 犬にさくらんぼを食べさせても大丈夫!種は必ず取り除いて
- さくらんぼは、皮膚の健康や体を温めることが期待できる
- 犬がさくらんぼの種を飲み込んでしまうと胃腸障害や呼吸障害の恐れも
- 犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
- さくらんぼの加工品は犬には避けておいた方が無難
犬にさくらんぼを食べさせても大丈夫!種は必ず取り除いて
種や茎は必ず取り除いて!
注意すべき点としては、さくらんぼの種はとても硬く、とがった部分もあるので、消化管を傷つけたり腸に詰まる可能性があります。また、さくらんぼの種・茎・葉には青酸配糖体という毒素が含まれているので、種を歯で砕いて飲み込んでしまうことも好ましくありません。犬にさくらんぼを丸ごと与えることはしないで、種や茎を取り除いてからあげるようにしましょう。
さくらんぼは、皮膚の健康や体を温めることが期待できる
さくらんぼを犬に食べさせると健康にいいことは?
1:皮膚や粘膜のケアに
さくらんぼには、ビタミンAやビタミンCといった皮膚や粘膜の健康を維持してくれる成分が含まれています。日本食品成分表によると、アメリカ産のさくらんぼよりも国産さくらんぼに多く含まれているので、これらの栄養素の働きに期待したい場合は国産のさくらんぼを選ぶようにしましょう。
2:体を温め、血流をよくするサポートに
東洋医学の考えでは、さくらんぼは体を温める作用があると言われています。体を温める働きをする果物は、血流をよくすることも期待できます。
そのほか、主にインターネットで”さくらんぼにクエン酸やスパラギン酸が含まれているので疲労回復に期待できる”という情報もありますが、文部科学省の食品データベースにおいて、さくらんぼにクエン酸やアスパラギン酸が含まれていることは現段階では確認できません。
犬がさくらんぼの種を飲み込んでしまうと胃腸障害や呼吸障害の恐れも
万が一、さくらんぼの種や茎を食べてしまったら?
「さくらんぼは葉酸を多く含む果物なので、貧血が気になる犬に与えてもいいかもしれません。ですが、肉類や豆類の方が含有量としては多いので、敢えてさくらんぼで補給する必要はなさそうです。
さくらんぼの種を噛んでしまった場合、種に含まれる青酸配糖体によって呼吸障害や意識障害などの中毒症状が引き起こされる場合があります。中毒症状自体はかなり大量の種を食べた場合に限られますが、種そのものによって腸を傷つけることや詰まり、胃腸障害や吐き気といった症状が出る可能性があります。
万が一、犬がさくらんぼの種を飲み込んでしまった場合は、自己判断したり、自己流で吐かせたりせずに動物病院に相談するようにしてください。
シラカバとハンノキのアレルギーがある犬には交差反応(※)を示す可能性があります。さくらんぼと相性の悪い犬の病気、薬での報告は今のところありません。」
(※交差反応:アレルギー反応が出る対象物と分子構造が似ているまたは同じという理由で、別の食材や植物などにもアレルギー反応が出てしまうこと)
犬の間食として取り入れる場合、1日に与えていい量の目安
上記の表を参考にして、与えすぎないように注意してください。食物アレルギーはどのような食材でも反応する可能性があります。初めての食材を与える時は必ず少量ずつ与え、体調に変化がないか様子を見てくださいね。さくらんぼの加工品は犬には避けておいた方が無難
お菓子作り用に加工されたさくらんぼも避けて
・さくらんぼの缶詰
フルーツの缶詰は基本的に砂糖漬けになっているため、犬に大量に与えてしまうと肥満の原因になります。さくらんぼの缶詰は着色料を使用している製品もあるため、犬には避けておきましょう。
・ドレンチェリー
パンやお菓子のトッピングに使われることが多いドレンチェリーは、さくらんぼが主原料ですが、砂糖や着色料を使用しているため犬の健康維持には適していません。与えないようにしましょう。
犬にさくらんぼを食べさせても大丈夫?まとめ
- さくらんぼは犬に与えることができる
- 種や茎は毒性を持つ成分が含まれるので取り除く
- 皮膚、粘膜や血行のケアが期待できる
- 万が一、犬が種や茎を食べてしまったら自分で対処しないで動物病院に行く
- さくらんぼの加工品は犬には食べさせない方が安心
【執筆協力】
丸田香緒里 獣医師
日本大学卒。動物病院勤務後、飼い主様にもっと近い存在になりたいと思い「人も動物も幸せな生活が送れるためのサポート」をモットーにAnimal Life Partner設立。ペット栄養管理士など様々な資格を取得し、病院での診療や往診の他、セミナー講師やカウンセリング、企業との製品開発など活動は多岐にわたる。
ホームページ:http://animallifepartner.com/
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