ビットコインの最新技術、ライトニング・ネットワークとは?
2018年、ビットコインにおけるライトニング・ネットワークという技術実装への道は大きな進捗を見せています。ライトニング・ネットワークとは、ビットコインの取引処理能力を向上させる技術として、今大きな注目を集めている技術です。ライトニングネットワークとは?
ライトニング・ネットワークが実装されることで、ビットコインには以下の3つのメリットがもたらされます。
1)取引処理能力が大きく向上する
ビットコインのブロックチェーンを利用せずにトランザクション(取引)を行うことができるようになり(オフチェーン処理といいます)、一秒の間に何千、何万もの取引処理を行うことができるようになります。現在のビットコイン取引では約10分で1ブロックと呼ばれる単位の取引データ処理(1ブロックの上限は1MB)がなされますが、この速度と取引処理容量が大幅に拡大すると期待されています。2)取引手数料を大きく節約できる
現在はひとつの取引が発生する度にその都度ブロックチェーンにその情報が書き込まれて取引手数料が発生しますが、ライトニング・ネットワークではある任意の期間の取引をすべて前述のオフチェーン処理を行い、その期間終了時にまとめて取引1回分としてブロックチェーンに処理します。このため、取引手数料が発生するのは最後の一回で済むので、大幅な取引手数料の減額が期待できます。3)1satoshi単位(ビットコインの最小単位)での少額決済(マイクロペイメント)が可能となる
現状では、例えば1satoshi単位でビットコインを送金したとしても取引手数料の方が高くなってしまうのでマイクロペイメントを実行すると割に合わないのですが、ライトニング・ネットワークが実現されれば、こうしたごく少額の送金も可能となります。ユーザーにとってその実装が待たれるライトニング・ネットワークですが、その実現化には導入のための前段階としてSegwitの実装が必要です。Segwitとは取引サイズを圧縮し、メインのブロックチェーン上で行う取引をブロックチェーンの外(オフチェーンと呼びます)で行うことのできる技術です。
このSegwitが2017年8月に実装され、2018年1月には米国の大手仮想通貨取引所兼ウォレット企業であるCoinbaseがSegwit対応を開始しました。また、2018年2月にはビットコインのメインクライアントであるBitcoin Core(ビットコインコア)の最新バージョン「Bitcoin Core 0.16.0」がSegwit完全サポートでリリースされました。
さらには、2018年3月にライトニング・ネットワークの技術開発を行っているライトニング・ラボが、初めてライトニング・ネットワークをビットコインのメインネットで実装した「lnd 0.4beta」をリリースしました。これについて、実装にまた一歩近づいた画期的な出来事と評価する専門家が多い状態です。
ビットコインの送金がさらに高速かつ安価で、便利になる、そんな未来が実現するときがすぐそこまで近づいているのかもしれません。