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新CBシリーズ末弟、CB125R試乗インプレッション

ホンダの新しいCBシリーズ。CB1000R、CB250R,CB125Rが発表されました。今回試乗したCB125RとCB250Rはエンジン以外のほとんどが共通という仕様。個人的には125ccバイクに250ccで採用しているタイヤを装備すると動きが重くなってしまうイメージを持っていましたが、実際はどうか?都内の通勤で検証してみました。

相京 雅行

執筆者:相京 雅行

バイクガイド

新CBシリーズの末弟CB125R

CB125Rフロントアップ

CB125Rフロントアップ


ホンダは共通のスタイリングを採用した排気量の異なる4台のバイクをラインナップしています。排気量の大きな順からCB1000R、CB650R、CB250R、CB125Rの4台です。その中でもCB250RとCB125Rはフレームを共通として外装類のみ若干異なる仕様で仕上げています。

新しいCBシリーズは2017の11月9日~12日まで開催されたEICMA(ミラノショー)で発表されました。CB1000Rに関しては欧州では既に販売していたモデルがフルモデルチェンジして発表という形でしたが、CB250RとCB125Rは新世代CBシリーズとして発表され、それにCB650Rが続きました。ネオスポーツカフェというコンセプトでデザインされたCB1000Rのデザインを踏襲してCB650R、CB250RとCB125Rは開発されています。

今回インプレッションするのは末弟のCB125R。タイヤは前後共に17インチを採用しておりスポーツモデルとしては一般的なインチ数なのですが気になったのはタイヤの幅。フロントが110、リアが150を採用しています。フロントの110は250ccクラスとしては一般的に採用されるサイズですが、リアは異例の太さを採用しています。250ccでも異例といえる太さなわけですから125ccでこのサイズを採用しているバイクは見たことがありません。

タイヤが太ければ後ろからの見た目にインパクトが出ますし、路面との設置面積が増えるので安定感はでるものの、エンジンのパワーによっては設置面積が広いことでパワーのロスが増えて軽快さが失われることがあります。

例えば、ホンダの原付二種バイクPCXの初期型は通常リアタイヤ幅が100ですが、120のタイヤサイズを履かせてみたところ加速が悪くなり最高速も落ちてしまいました。また私の愛車XL1200Rは通常リアタイヤの幅が150ですが、130にタイヤサイズを変更したところ圧倒的に軽快な乗り味を手に入れています。

個人的には125ccのバイクに幅150のタイヤを装備するのはエンジンの出力からいってもかなり加速が悪くなってしまう印象があるのですが果たしてどうか? まずは装備から見ていきましょう。
 

まずはCB125Rの装備をチェック

CB125RのLEDヘッドライト

CB125RのLEDヘッドライト


メインとなる装備はCB250Rと共通としているCB125R。そのため装備は豪華仕様となっています。まず灯火類は全てLEDを採用。最近は125ccでも採用する事が増えたLEDヘッドライトですが、車種によっては明るさが一般的なバルブと大差がないこともあります。しかしCB125Rで採用されているオーセンティックな丸目デザインのLEDヘッドライトは視認性もバツグンです。
 
CB125Rフロントブレーキ

CB125Rフロントブレーキ


ブレーキは放熱効果に優れたウェーブ形状のフローティングディスクに対向4ポッドキャリパーをラジアルマウント。125ccのバイクに装備されるブレーキシステムとしては豪華装備。更にブレーキがロックしてしまうのを緩和するABSは標準となっています。
 
CB125Rのリアサスペンションundefinedプリロード調整は簡単にはできなそう

CB125Rのリアサスペンション プリロード調整は簡単にはできなそう


CB125Rのサスペンションはフロントが直系41mmの倒立。リアは7段階のスプリングプリロード調整が可能となっています。跨ってみるとリアサスペンションがスッと沈み込みます。シート高は815mmと決して低くはありませんが、沈み込みが多いので数値ほど高くは感じません。しかし身長165cmの筆者が跨ると片足のつま先が3/4設置するぐらいとなります。車両重量が127kgと軽いのでストップ&ゴーが多い街中でもストレスは感じませんでしたが人によっては気になるかもしれません。
 
CB125Rのメーター

CB125Rのメーター


メーターはシフトポジションやシフトアップインジケーターも表示されるフルデジタルタイプを装備。125ccなのにギアが6速まであるのも驚きです。ハンドルも中央クランプ部分が太いテーパーハンドルを採用しており、見た目・剛性のどちらにも貢献しています。燃費は街乗りで40km/L程度でした。タンク容量は10Lなので、単純計算で連続航行距離は400kmとなります。125ccクラスのバイクとしてはトップクラスの連続航行距離といえるでしょう。

基本的に250ccのスポーツバイクに125ccエンジンを搭載した仕様なので、走行に関わる部分の装備が豪華な印象が強いCB125R。いつもどおり一週間通勤で試乗してみました。
 

驚きのコンパクトさ。回しきれる楽しさ

CB125Rサイドビュー

CB125Rサイドビュー


フレームや燃料タンク、タイヤサイズなど基本的な装備は250ccと共通装備と聞いていたのである程度の大きさの車両だと思っていましたが、実際に見てみると非常にコンパクトで取り回しも軽くて驚きました。
 
CB125Rのエンジン

CB125Rのエンジン


CB125Rに搭載されるエンジンはフルカウルスポーツCBR125Rに採用されていたもの。車重はCB125Rが127kg、CBR125Rは136kgとCB125Rのほうが9kgも軽いのです。CB125Rは前述したとおり幅の広いタイヤを採用しており、それだけでも車両重量は重くなりますが、これだけ軽く仕上がっているのはフレームやスイングアームなどで相当な軽量化に取り組んでいるからでしょう。

ブレーキは大排気量のスポーツバイク並みのブレーキシステムを採用していますが、タッチが非常に良く過不足を感じません。ホンダのレブル250と500はフレームやブレーキが共通ですが、レブル500に合わせてセッティングされているので、レブル250のブレーキのタッチは若干ハードになっています。しかしCB125Rは握り始めのタッチが良く握れば握った分だけしっかりと効くので扱いやすく感じました。

エンジンは単気筒OHCエンジンを搭載しており、最高出力は13PS/10000となっています。先日試乗したスズキのGSX-125Rは15PS/10000rpmとなので、若干見劣りするスペックとなっています。

両者共にパワーバンドに入っていれば加速性能に違いはでません。違いが出るのはパワーバンドから外れて回転が落ちてきた時です。街中は加速減速の繰り返しとなりますが、GSX-125Rならギアを下げないでもスムーズに加速できるシチュエーションでもCB125Rではギアを下げないとギクシャクしてしまうケースがありました。

しかしパワーバンドに入っている回転域では2PSの差があるとは思えないほどスムーズに加速します。7000rpmに入ったあたりからシフトアップインジケーターが点滅し始め、8000rpm付近で点灯したままになります。この状態がシフトアップタイミングです。

250ccクラス以上の排気量になってくると速度域が一気に上がるので、エンジンの回転をあげるとあっという間に法定速度を超えてしまい、高速道路を走行する時ぐらいしか思いっきり回転を上げることはありません。しかし、125ccクラスだと3~4速ぐらいまではある程度回しても法定速度内となりますので思いっきりエンジンを回せる楽しさがあります。

前後足回りのセッティングは若干ダンパーの効きが弱い印象はありますが乗り心地は良好で、しっかりストロークするのでモタードバイクに似た乗り心地のように感じました。メーカーは異なりますがマスフォワードとマスの集中化を追及したというヤマハのMT-09などのMTシリーズにも似た印象です。
 

剛性と直進安定に優れたCB125R。パワフルなエンジンのGSX-125R

CB125Rリアビュー

CB125Rリアビュー


正直日本の市場ではフルサイズの125ccバイクは125ccスクーターに比べて売れない傾向があり、CB125RやGSX-125Rのメインマーケットは海外となります。以前フルカウルのCBR125Rが日本で販売された際も販売期間は比較的短かく、2013年5月に登場し2015年6月には販売終了となりました。

ですが、このクラスには操作する楽しさやエンジンを回す楽しさがあるように思います。250ccと共通のフレームやタイヤを装備したCB125Rはバツグンの安定感があり、幅広のタイヤを採用している割には軽快さも失われていませんでした。

それに対してGSX-125Rはクラスを超えた出力を誇るエンジンが持ち味。高回転まで回さなくても比較的トルクがあるので低速からしっかりと加速できるのは魅力的です。

ただちょっと気になるのはCB125Rのお値段。250ccバイクをベースに開発された為、装備は豪華ですが高めの44万8200円(税込み)。それに対してGSX-R125は海外ではGSX-R150として販売されているモデルの排気量のみを変更した専用設計となっており、お値段は38万6640円(税込み)。この価格差は小さくありません。

難しいマーケットに難しい価格設定をつけてきたホンダ。販売計画数は1200台とCBR125Rリリース時の1500台と比べても少なく見積もってきました。メーカーも販売が難しい車両であることは理解しているように思います。

ただ今後125ccのフルサイズスポーツバイクにこれだけ豪華な車両がリリースされこともあまりないように思います。乗ってみれば上質な乗り味に驚く1台です。
 

東京モーターサイクルショーで展示されていたウェア(Rentoto)も借りてみた!

いつもよりワンサイズ大きいサイズをお借りしましたがシルエットが細めなので大きすぎる感じはしませんでした

いつもよりワンサイズ大きいサイズをお借りしましたがシルエットが細めなので大きすぎる感じはしませんでした


ここ数年、ホンダは用品にも力を入れておりウェアやグローブなど様々な製品を販売しています。アパレルメーカーとのコラボ商品も複数リリースしており、今年のモーターサイクルショーではホンダのバイクデザイナーが中心となって立ち上げたというRentotoというブランドが紹介されていました。

今回の試乗ではRentotoのレインウェアを借りてみました。羽織った感じはとても軽く、着心地は良い感じです。防水だけでなく透湿素材を採用しているので、撮影時は暖かく動くと多少汗をかく気温でしたがジャケット内が蒸れることはありませんでした。

いつもジャケットはMサイズを選んでいますが、今回はLサイズをお借りしました。Rentotoのレインウェアは比較的シルエットが細身なのでLサイズを着ても大きすぎる感じはしません。

ジャンルはレインウェアではありますが、春から夏にかけてはジャケットとしても充分に使えそうな印象です。風を通さないだけでなく透湿性能があるので、朝晩の気温差がある時期でも対応出来ちゃいます。
 
上下着用してみましたがストレッチ素材なので動きにくさは皆無

上下着用してみましたがストレッチ素材なので動きにくさは皆無


ストレッチ素材を採用しているので、下に着込んで多少きつくなってしまっても動きが邪魔されることはありません。色味もライディングウェアではあまり使われないパステルカラーが使われるなど個性的です。

ぱっと見はマウンテンパーカーっぽいので、街中でもバイク用ウェアを着て歩いているという印象を与えないでしょう。ロゴがガッツリ入っているわけではないので、ホンダの製品であることを主張しすぎていないのもポイントかもしれません。個人的には今期オススメのレインウェアです。
 

CB125Rを少しカスタムするなら

  下道ツーリングなどで長距離を走るなら疲労軽減の為に小さめでもスクリーンは装着しておきたいところ。H2Cのスクリーンは素材にポリカーボネイトを採用しており強度はバッチリ。小さめなのでイメージを崩す事がないのでお勧めです。
  CB125Rは日常の足として使い勝手の良い原付二種クラスですが、スクータータイプではないので収納は無し。リアキャリアを装着して積載性をアップさせて置きたいところです。デイトナのマルチウイングキャリアならヘルメットホルダーまで付いてます。

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