4月に上がりやすい業種は?
4月相場は、3月決算企業にとって新たな会計年度を迎えることから「新年度相場」と呼ばれています。また、企業や機関投資家が、3月の年度末にかけて決算対策として売り出していた株式を買い戻す傾向があることから「4月効果」とも呼ばれ、株価上昇しやすいと言われています。今回は、4月の株式相場においてどのような業種が上がりやすいのかについて、過去の株価データから統計的に検証してみました。※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
検証対象:日経平均採用銘柄(225銘柄)
検証期間:1990年3月1日~2020年2月29日
1銘柄当たりの投資金額:20万円
買い条件
・3月末に買い
売り条件
・25営業日経過後の翌営業日寄り付きで売り
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3月末に、ある業種の銘柄をすべて購入し、25日経過後に売却した場合について検証を行います。仮に勝率が50%以上で損益がプラスならば4月は株価が上がりやすく、逆に勝率が50%未満で損益がマイナスならば株価が下がりやすい月となります。
以上のルールで過去のデータを用いて検証した結果は、以下の通りです。
4月相場で好調な業種ランキング、ベスト3
■1位:造船(2銘柄) 勝率: 70.69 %勝ち数: 41 回
負け数: 17 回
引き分け数: 2 回
合計損益(率): 324.12 % 平均損益(率): 5.40 %
合計利益(率): 415.58 % 平均利益(率): 10.14 %
合計損失(率): -91.46 % 平均損失(率): -5.38 %
プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 4.544
平均保持日数: 27.80 日
■2位:ゴム(2銘柄) 勝率: 63.33 %
勝ち数: 38 回
負け数: 22 回
引き分け数: 0 回
合計損益(率): 141.42 % 平均損益(率): 2.36 %
合計利益(率): 216.68 % 平均利益(率): 5.70 %
合計損失(率): -75.26 % 平均損失(率): -3.42 %
プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 2.879
平均保持日数: 27.80 日
■3位:精密機器(5銘柄) 勝率: 59.46 %
勝ち数: 88 回
負け数: 60 回
引き分け数: 2 回
合計損益(率): 414.72 % 平均損益(率): 2.76 %
合計利益(率): 648.74 % 平均利益(率): 7.37 %
合計損失(率): -234.02 % 平均損失(率): -3.90 %
プロフィット・ファクター(合計利益÷合計損失): 2.772
平均保持日数: 27.80 日
以上が、4月相場で好調だった3業種の検証結果です。検証結果を見てみると、どれも勝率が50%以上で1トレード当たりの平均損益もプラスになっています。従ってこの3業種は4月に上がりやすい傾向があると言えるでしょう。
今回の検証でご紹介した3業種は、4月相場に上がりやすい傾向にありました。では、これらの業種の中でも上昇傾向が強かった銘柄はどれでしょうか? 最後に、4月相場で特に好調だった銘柄をご紹介します。
4月好成績ランキング
上の表は、先ほどの検証において特に勝率の高かった銘柄のランキングです。4月相場は、「コニカミノルタ<4902>」「三井E&Sホールディングス<7003>」「ブリヂストン<5108>」などが勝率70%を超えており好調です。4月相場は、企業や機関投資家が3月の年度末にかけて決算対策として売り出していた株式を買い戻す「4月効果」により株価上昇しやすいといわれる相場ですが、その中でも特に勝率が高い上記3業種(造船、ゴム、精密機器)の銘柄に注目してみてはいかがでしょうか。
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(このテーマでの検証については、【システムトレードの達人】を使って検証しています。記事の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性、利用者にとっての有用性を保証するものではありません。当社及び関係者は一切の責任を負わないものとします。投資判断はご自身の責任でお願いします)