リート(REIT)とは?5年ぶりの割安水準となっており注目
リート(REIT)とはReal Estate Investment Trustの頭文字をとった通称で、不動産投資信託のことです。投資家から集めた資金でマンション、オフィスビル、商業施設などを購入し、賃借料や売却益などを投資家に分配する投資信託です。もともとアメリカで生まれたものですが、日本でも2001年9月に始めてリート(REIT)が東京証券取引所に上場し、JAPANのJをつけてJ-REITと呼ばれています。不動産は高額ですから、1つ1つの不動産を個人が買う場合にはどうしても資金的な問題が出てきます。また、個人で投資用不動産を買う場合は税金面でも総合課税となりますし、空室リスクや管理の手間などもあります。一方でリート(REIT)なら小口で投資が可能となります。また、配当についても株式と同じで、税率は20.315%(所得税15.315%、住民税5%)と有利なものになっています。
2018年3月20日現在、60銘柄ほどが上場しています。
24銘柄がNAV倍率が1.0倍を下回る割安値
リート(REIT)は2017年に金融庁からの毎月分配型リートファンドの批判により、解約で大きな資金流出が長期に渡って起き、5年ぶりの割安水準となっています。計60銘柄ある上場リートの分析については、「JREIT」と検索すれば複数のリート専門の情報サイトが見つかります。見るべきポイントは分配金利回り、NAV倍率で割安さを確認し、あとは運用資産タイプと地域で判断していけばよいと思います。
分配金利回りがやたら高いと他に問題ある場合(借金リスクなど)もあり、平均的といえる4%を超えれば合格と思います。そして保有するビルの評価額で純資産価値を計算したのがNAVで、それがリート価格を上回っていれば相当割安と言えます。具体的には3月21日時点で60銘柄中、24銘柄がNAV倍率が1.0倍を下回る割安値となっており、こうした状況は滅多になく、2012年以来の現象と言えます。
5年に一度の好機に仕込んで長期に持つことが成功の秘訣
リートは税制優遇による高い分配金が魅力で、分配金と値上がり益を足したリターンで見ると、長年株式市場を上回る高パフォーマンスとなっています。そしてより高い分配金を得るには、分配金利回りの高い今のような、5年に一度の好機に仕込んで長期に持つことです。得られる分配金でリートを買い増し、再投資に回していけば、長期では株より良いリターンとなる可能性も高いと思います。銘柄選びは運用資産タイプ(オフィス、商業ビル、ホテル、物流施設、ヘルスケアか)や地域で好みによりますが、2銘柄選んでみると、阪急リート<8977>とイオンリート<3292>があります。いずれも4.5~5.0%の年間利回りがあり、NAV倍率が1倍を切る割安銘柄です。
阪急リートの特色は、殆どのリートが首都圏・関東エリア中心なのに対し、唯一関西の阪急沿線中心という希少さです。東京に比べ関西の土地や賃料は、訪日客ブームによってようやく上がりはじめたばかりで伸びしろ高く、カジノリゾートに万博という目玉もあります。
マッキンゼー、アクセンチュアという外資コンサルタントのエリート集団が、揃って大阪に初拠点を設けるニュースもあったばかりで、関西の価値向上とビジネス機会向上の機運が伺えます。バブル期の大阪は東京と張り合うほど勢いや地価もあったのでしたが、恐ろしく長かった地盤沈下からようやく抜けそうな頃合いです。阪急リートは現在の保有物件資産1500億円弱から2年後に2000億円とし、成長を目指します。
イオンリートはイオンモールを所有することから、資産が全国に満遍なく分散されているという特徴があります。長期投資だと、地震リスクを考えると一極集中型より分散型が好ましいかもしれません。
参考:日本株通信
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