ビットコイン/仮想通貨の種類

仮想通貨NEM【ネム】とは?

コインチェックの大規模流出事件で、話題となった仮想通貨NEM。そもそも取引所のシステムの問題なので、NEMからすると迷惑な話ですが、知名度が上がったことは事実です。そこで、どのような仮想通貨なのか基本を押さえておきましょう。

田代 昌之

執筆者:田代 昌之

資産運用ガイド

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NEM【ネム】とは?

先日、仮想通貨取引所コインチェックで市場最大規模のNEM(ネム)が流出した事件で一気に名前が知られることになりましたが、そもそもNEMとはどのようなコインなのでしょうか?簡単にご説明します。

仮想通貨NEMとは?

仮想通貨NEMとは?



NEMは、アルトコインの1種で、通貨単位はXEM(ゼム)、仮想通貨としては比較的新しく、2015年3月29日、金銭的な自由、分散化、平等、および連帯感という原則に基づいた新しい経済圏を創り出すことを目標として正式にプロジェクトがスタートしました。

決済手段としてはもちろんのこと、イーサリアムで実現されている「スマートコントラクト」も実装可能、さらにはNEMのプラットフォームを利用して独自のトークン(通貨)の発行などもでき、広い用途を持った仮想通貨です。

プルーフ・オブ・インポータンス(PoI)とは

NEMは上限である約90億コインの発行が完了していてこれ以上増えることはありません。取引承認はビットコインと変わらずブロックごとに行われますが、取引承認の報酬はNEMの取引手数料から支払われます。
この報酬の仕組みとして採用しているのがプルーフ・オブ・インポータンス(PoI)です。

ビットコインのプルーフ・オブ・ワーク(PoW)は、膨大な電力消費や高性能PCによる計算が必要であり、資本力のある一部にマイニングの寡占化が起き報酬配分に偏りが生まれ、イーサリアムが採用予定のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)は、コイン所有数の多い者に報酬が配られるため、富める者がより富むという偏りが生まれる構造が危惧されています。一方プルーフ・オブ・インポータンスで重要視されるのは、NEMを保有し且つ積極的に取引を行うという「NEMユーザーとしての重要度」です。NEMのネットワークに貢献した人は誰でも平等に報酬を得る機会を与えるというもので、これはNEMの大きな特徴です。

NEMの将来性は?アップデート「カタパルト」とは?

2018年、NEMのブロック・チェーン技術の拡張と機能向上を実装する「Catapult(カタパルト)」というアップデートが行われる予定です。この後に、NEMは1秒に最大4000件の取引処理を行うことができるようになるとアナウンスされています。

他の仮想通貨の処理能力は……ビットコイン:7件/秒、イーサリアム:15件/秒、リップル:1000件/秒ですので、4000件/秒という処理速度がいかに驚異的であるかがわかります。今後、この機能拡充がどれだけ評価され広がっていくのかが、NEMの更なる成長の鍵と言えるでしょう。

購入はどこで?国内でNEMの取り扱い取引所

現在国内でNEMの取り扱いを行っている仮想通貨取引所は2か所です。

○Zaif(ザイフ)
○DMM ビットコイン(FX取引のみ)

インパクトの大きかった今回のハッキング被害ですが、この事件をきっかけにNEMを知り興味を持った人も多かったのではないでしょうか。クラッカーや盗まれたNEMの追跡情報でブロック・チェーン技術の優れた面も見せてくれました。

この出来事がどこまで価格や取引量に影響してくるのか、市場でのNEMの動向に注目が集まっています。

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