うまく片づけられない人は考え方が原因?

お金持ちになるために特別な能力も超人的な努力も不要!毎日15分、身の回りを整理整頓するだけ。「片づけ」は自分自身と生活を振り返り、本当に大切なものは何かを教えてくれるきっかけになります。「貧乏スパイラル」を脱して「お金持ちスパイラル」に飛び込むための「片づけ」の奥義を「かたづけ士」を標ぼうする小松易さんに聞きました!(第3回『お金持ちの仕事術は優先順位のつけ方で決まる』から続きます)

悪いこだわりとは「思考の詰まり」が原因だ

「片づけ」を指導しているなかで、どうしても「片づけ」が上手にできない、うまくいかないという人に出会います。それはモノを捨てることができない人です。なぜ捨てられないか? 私は思考に「詰り」があるからだと考えています。

片づけができない人の思考とは

片づけができない人の思考とは


「詰り」とは簡単に言えば「こだわり」に近いものです。たとえばある人は買い物したときに商品を入れてくれるお店の紙袋を捨てられずに溜めています。実際にはほとんどその後利用することはないのですが、なぜか捨てることができない。「いつか使うはずだ」と考え、捨てられないのです。

書類や資料を捨てられない。読んだ本や雑誌を捨てられない。連絡することもない人の名刺を捨てられない。着なくなった服や冷凍庫にしまっている食品を捨てられない……。ビジネスから日常の生活まで、捨てられないモノや、なぜか集めて大切にしてしまうモノが、ひとそれぞれにあるのではないでしょうか?

「良いこだわり」と「悪いこだわり」の違いとは?

「こだわり」には二種類あると考えています。1つは「過去のこだわり」です。かつて自分が失敗したことに対する後悔をいつも引きずっている人がいますが、それは「過去のこだわり」といえるでしょう。

あるいは逆に成功した体験からのこだわりも「過去のこだわり」でしょう。営業で成績をあげた体験があったとして、その時のやり方をずっと繰り返すということもその一つでしょうし、昔つきあっていた恋人の写真を捨てられないというのも「過去のこだわり」の1つだということができます。

「過去のこだわり」はその時には必要なことだったかもしれませんが、それをずっと引きずるのは時として問題がある場合があります。もはや時代が変わっていたり、自分自身の環境や状況が変わっているのに、そのこだわりを持ち続けるのは、マイナスになることもあるのです。

もう1つは「今のこだわり」です。それは自分の目標や夢と絡んだこだわりです。たとえば将来海外で仕事をしたいという目標があったとして、語学やそれを学ぶことに関してこだわる場合があります。

参考書を買ったり、英字新聞を読む。読んだ英字新聞は捨てずにとっておくというのは、「良いこだわり」でしょう。そのような「こだわり」は大いに持つべきだと思います。

「過去のこだわり」の中には、とくに目標や目的がないまま、「もったいない」とか「いつか使えるはずだ」と漠然とモノを捨てられずに取っておくということもあります。それはただ単に自分の元に置いておきたいという執着であり、依存でもあります。

結論を言えば、お金持ちになる人は「今のこだわり」を持ち、お金が貯まらない人は「過去のこだわり」を持っている人だということができます。

モノを捨てられないことが、病的である場合とは

最近の研究によると、これが病的になった状態を「強迫性貯蓄症」(ホーディング)と呼び、このような人たちを「ホーダー」と呼ぶそうです。彼らはモノを捨てることに強い喪失感や罪悪感を覚え、捨てることができません。

またモノを自分の周りにうず高く積み上げることで精神的な安定を得ます。誰かがそれを捨てようとしたり撤去しようとすると、激しく抵抗します。よくゴミ屋敷と呼ばれ、不要なゴミやガラクタでいっぱいになっている家がありますが、その住人がまさに「ボーダー」なのです。

ここまで病的ではないにしろ、モノが捨てられない、蒐集してモノを増やしていくという傾向のある人は多いはずです。心理学的には完全に解き明かされていない部分も多いようですが、何らかの心の歪み、病的な部分がこだわりや執着となって表れていると考えられます。

いずれにしても、自分の心の歪みや病んでいる部分に対する「気づき」が大切なのです。気づきによって自分を客観視し、その状態から脱却するきっかけになるのです。

心の歪みと思考のクセに気づくことが大事

このような心の歪みは、思考のクセとなって表れることもあります。ある相談者のお宅を伺ったとき、やはり足の踏み場もないほど部屋が散らかっていました。本人は片づけをしたい、そのような主婦になりたいと思っているのです。

ところが、いつまでたっても実行できず、先延ばしにしてしまう。片づけの効用を説明し、本人も納得したので「さっそく始めましょう」と言うと、「主人の承諾を得てからじゃないとダメ」だと言うのです。ではご主人の許可を得て始めましょうと言うと、「主人に話してどうなるかはわからないので」となかなか決断できないのです。

おそらく、この主婦の方は、これまでもずっと、あらゆる判断や行動を先延ばしにするクセがついているのだと思いました。

お金持ちの人を見ると、このような心の歪みや執着、依存がほとんどない事に気がつきます。もちろん夢や目標に向かって努力し、まい進するという「今のこだわり」はありますが、無目的でほとんど意味のない執着や依存のような「過去のこだわり」はありません。

その様な負のこだわりから自由なのが、お金を稼ぎ増やすことができる人の特徴なのだと思います。

カウンセリングよりもまず「片づけ」から始める

では、そのような過去の古いこだわりを持った人は、ずっとそのままなのか? お金持ちになることができず、ずっと貧乏のままなのでしょうか? そうでないことは、第3回でお話しした主婦のAさんの例を見れば明らかでしょう。

難しい自己分析や心理カウンセリングをせずとも、まず手近なところからの「片づけ」を実践してみましょう。それによって思考の混乱を抑え、整理して考える習慣を身につけることができるのです。

同時に片づけを実践する中で、自分の心の歪みやクセに気づくことができます。「自分はなぜか紙袋ばかり捨てずにとっておくけれど、本当に必要なモノなのだろうか?」「思い切って捨てると判断できないのは、なぜなのだろう?」と自問する機会を得ることで、これまで無意識に行動していたものを意識化することができるのです。

それは過去のこだわりから自由になることであり、その結果としてお金持ちに近づくことでもあるのです。

★第5回『「片づけ」で自分のお金と時間を取り戻す方法』はコチラへ

教えてくれたのは…
小松易(こまつ・やすし)さん

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北海道出身。日本初の「かたづけ士」。大学在学中に交換留学で行ったアイルランドで「トランク1つで生活」できることに衝撃を受けて帰国。以来モノと人の関係を探求する。仕事で頑張りすぎがたたって倒れ、仕事の仕方、人生のあり方を見直す。2005年に会社を退職し独立、片づけられない人、片づけが苦手な人に個人カウンセリング&コーチングを提供する。その後、片づけの効用とノウハウをもとにコンサルティング業務を展開、銀座に『スッキリ・ラボ』を開業する。

以後、個人や企業向けにコンサルティング、セミナー、講演などを行い、これまで延べ2000人以上に片づけ指南、指導を行う。「かたづけ士」としての活動はマスコミでも取り上げられ、テレビ東京「ガイアの夜明け」をはじめ、NHKなどの番組に出演、話題となる。近著に『1日1分! お金も時間も貯まる片づけの習慣』(祥伝社)、ほかに『たった1分で人生が変わる 片づけの習慣』(KADOKAWA)、『超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜですくがきれいなのか』(マガジンハウス)など多数。

取材・文/ビルドゥングス


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