お金持ちになるための、仕事術とは?

お金持ちになるために特別な能力も超人的な努力も不要! 毎日15分、身の回りを整理整頓するだけ。「片づけ」は自分自身と生活を振り返り、本当に大切なものは何かを教えてくれるきっかけになります。「貧乏スパイラル」を脱して「お金持ちスパイラル」に飛び込むための「片づけ」の奥義を「かたづけ士」を標ぼうする小松易さんに聞きました!(第2回『「1日15分整理術」で誰もがお金持ち体質になれる』から続きます)
 

仕事を4つの領域で分けて優先順位をつける

「モノの片づけはコトの片づけにつながる」。コンサルティングの場で私はよくこう話します。モノを整理整頓することができれば、次第に考え方自体も整理されたものになります。つねに優先順位を考えるようになるので、行動もそのようになっていくのです。
 
モノの片づけはコトの片づけにつながる!

モノの片づけはコトの片づけにつながる!



名著『7つの習慣』の中で、著者のスティーブン・コヴィー博士は仕事を「緊急度」と「重要度」の2つを座標軸に、4つの領域に分類しています。すなわち「緊急度も重要度も高い」仕事(第1領域)、「緊急度は低いが重要度は高い」仕事(第2領域)、「緊急度は高いが重要度は低い」仕事(第3領域)、「緊急度も重要度も低い」仕事(第4領域)です。

たとえばクレーム対応の仕事や突然のトラブル対応などは緊急度も重要度も高い第1領域の仕事になります。第1領域の仕事を優先しなければならないのは誰もが当然理解できることでしょう。

問題は第2領域と第3領域の優先順位です。「緊急度は低いが重要度は高い」第2領域の仕事は、たとえば将来設計や計画、長期的な人間関係作り、自己研鑽や自己投資などがあります。それに対して「緊急度が高いが重要度は低い」第3領域の仕事は、日常のメールの対応や書類作成、会議や来訪者の対応などのルーティンワークが中心です。

どうでしょうか? 多くの人は「緊急度が高いが重要度が低い」第3領域の仕事を優先しがちでは? しかし、お金持ちになる人は第2領域の「緊急度は低いが重要度が高い」仕事を優先する傾向があります。

頭の中の整理がついておらず、仕事に追われると、ついつい第3領域の仕事に目が行ってしまい、それに忙殺されてしまうことになりがちなのです。本人はとにかく一生懸命仕事をしているつもりなのですが、結局こなすだけの仕事に終始してしまう。

こういう人の特徴として仕事を人に振ることができないというのがあります。何でもかんでも自分で抱え込んでしまうのです。もしやあなたも身に覚えはありませんか? あるいはあなたの周りにもこんな人物がいるのでは? 
 

お金持ちがこだわる仕事の領域とは?

それに対して、お金持ちになる人は第2領域の仕事に重きを置いています。たとえば10年後、15年後の独立起業や転職を目指して、長期的に自己投資や人脈作りを行うことに時間を割こうとします。

そのためには時間を取られがちな第3領域の仕事をいかに要領よくこなすかを考えます。場合によっては人に任せることで自分の負担を減らすことを考える。仕事を抱え込むのではなく、上手に部下などに仕事を任せ、自分の時間を捻出するようにするのです。

このような仕事の仕方ができるようになるためには、思考が整理され、目的意識が明確で、物事の優先順位がはっきりとしていなければなりません。そして思考がすっきりと整理されるためには、まず身の回りのモノを整理整頓することをお勧めします。

これを逆に言うと身の回りの整理整頓ができるようになれば、おのずと思考が整理され、物事の優先順位をつける力がつく。そして第2領域の仕事に重点を置くことで、結果として将来的にお金を稼ぐ力をつけることができる。すなわちお金持ち体質になれるということです。
 

片づけを始めて人生が変わったAさんの場合

「子どもを産むために会社を退職したのですが、すっかり子育てに追われてしまい、自分の時間を持つこともできません」と主婦のAさんから相談を受けたことがあります。Aさんの家に行ってみると、部屋は雑然としていて整理整頓など程遠い状態でした。部屋全体から彼女の余裕のなさ、思考の混乱が手に取るように感じられたのです。

私はまず部屋の整理整頓を進めました。Aさんも素直にそれに従ってくれ、まずは「整理」から徹底し、余計なモノや不要なモノを捨てることを実践しました。そして「整頓」もできるようになったころ、Aさんの表情がすっかり以前とは違ったものになっていることに気がつきました。

「先生、私、前に勤めていた会社に再就職することになりました!」。しばらくして連絡があり、なんとあれだけ時間がないと言っていた彼女が再び働きに出ると言うのです。聞けば子どもを思い切って託児所に預け、子育ての時間を削ることで働く時間を捻出したというのです。

片づけ、整理整頓を学ぶことで、思考の整理がつき、物事の優先順位ができた良い例でしょう。それまでAさんはとにかく子どもの世話を自分がすべてこなすことが、第一だと思い込んでいました。

しかし、多少お金を払ってもしかるべき場所に子どもを預け、自分の負担を軽くすることで自分の時間を作ることが大事だということに気がついたわけです。その時間に仕事をすれば、むしろ以前より家計にプラスになることがわかったのです。

そして何より、子育てで一杯になっていた精神状態から解放され、心にゆとりが生まれたことが大きいでしょう。
 

お金と時間の使いどころを知ることがお金持ちへの道

お金持ちの人は「お金の使いどころ」を知っている人だと言われます。Aさんが子育ての仕事をお金を払ってでも人に任せたというのも、まさに「お金の使いどころ」を心得た行動だということができると思います。

私たちの日常の仕事も、すべて自分が抱え込むのではなく、他人に振る。場合によっては多少のチップをはずんだり、昼飯を奢ってでも誰かサポートを頼む。それによって自分の時間を確保し、第2領域の長期的視点での自己投資や企画や計画を立て実行する方が、結果として将来的な利益につながる──。

お金持ちの人ほど、このような思考をする傾向があります。

思考の整理ができること、優先順位を明確につけることで、時間的、精神的にゆとりができます。そして金銭的にも余裕が生まれます。たかが「整理整頓」「片づけ」と言うなかれ。「片づけ」とは生き方や人生の方向性さえも変えるパワーを持っているのです。

★第4回『「物を捨てられない」から自由になり、お金持ち体質に』はコチラ

教えてくれたのは…
小松易(こまつ・やすし)さん
 
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北海道出身。日本初の「かたづけ士」。大学在学中に交換留学で行ったアイルランドで「トランク1つで生活」できることに衝撃を受けて帰国。以来モノと人の関係を探求する。仕事で頑張りすぎがたたって倒れ、仕事の仕方、人生のあり方を見直す。2005年に会社を退職し独立、片づけられない人、片づけが苦手な人に個人カウンセリング&コーチングを提供する。その後、片づけの効用とノウハウをもとにコンサルティング業務を展開、銀座に『スッキリ・ラボ』を開業する。

以後、個人や企業向けにコンサルティング、セミナー、講演などを行い、これまで延べ2000人以上に片づけ指南、指導を行う。「かたづけ士」としての活動はマスコミでも取り上げられ、テレビ東京「ガイアの夜明け」をはじめ、NHKなどの番組に出演、話題となる。近著に『1日1分! お金も時間も貯まる片づけの習慣』(祥伝社)、ほかに『たった1分で人生が変わる 片づけの習慣』(KADOKAWA)、『超・オフィス整理術 仕事ができる人はなぜですくがきれいなのか』(マガジンハウス)など多数。

取材・文/ビルドゥングス

 
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