将来、老後難民になるのが心配な人がやっておきたいこととは
老後難民になるのが心配な人が今日からやりたいこと、としてパッと思いつくのは「節約貯金」かもしれませんが、そんな短絡的な発想こそむしろ老後難民化を招くのではないかと懸念しています。そもそも貯金は、あまり考えなくてもできる、知性をそれほど必要としない行為です。では考えない人に富や安心がもたらされるでしょうか。
知的活動による価値の創出こそ、人間としての能力の向上、ひいては老後も稼ぎ続けられる最強の資本になると思います。
そこでまずやっておきたいのは、自分の人材としての将来的な価値の把握です。これは簡単で、転職斡旋サービスに相談し、エージェントから客観的評価をもらうことです。同時に、今の自分のキャリアの延長線上で定年退職を迎えた場合の再雇用・再就職の可能性を聞いておきましょう。
もしかしたら厳しい結果になるかもしれませんが、早く知ることができれば自分の課題がわかり、対処する時間が確保できます。
老後職を得るには今からどういうスキル・知識・経験を得ていけばよいのか
また、シニア向け人材マッチングサービスも増えており、必要とされる人材像を知ることもできます。たとえば再任された黒田日銀総の退任時は78歳、米FRB議長だったグリーンスパン氏の退任時は79歳でしたが、能力さえあれば高齢でもニーズはあるのです。AIやロボット等による影響で未来の職業ニーズは流動的ですが、機械では代替できない領域はあるので、老後でも職を得るには今からどういうスキル・知識・経験を得ていけばよいのかがわかり、準備できるということです。
起業をして生涯現役で働く
次は将来の起業を見据えて副業に取り組むことです。起業力さえあれば、雇用がどうなろうと、社会環境がどうなろうと、生涯現役で稼ぎ続けることができます。80歳を超えてなお前線で腕を振るっている経営者は少なくなく、もはや老後という概念すらどうでもよくなりそうです。年金の繰り下げ受給で金額は増えるし、医療費も少なくて済む可能性も高い(有業率が高いほど医療費が低い傾向がある)など、老後難民に陥るリスクは限りなく低くできるでしょう。
しかし、これらの方法はいずれも面倒くさいと感じるでしょう。転職エージェントに相談するのは面倒だし、どんなビジネスをどのような方法で始めればよいかを考えるのはもっと面倒。
なぜ面倒かというと、これらの行為は知性を必要とするからです。知性とは考えることであり、考えることは面倒なのです。考えることを放棄し、この面倒くささを乗り越えらなければ老後難民に陥り、乗り越えた人が老後の安心を手にするのではないでしょうか。