日米の株価急落は買い好機か?
世界の株式市場が揺れています。2月5日(火)にニューヨークダウは1100ドル超の下げでこれは値幅では過去最大(ただし値下がり率で見るとそれほどではない)。2年近くも大幅な変動を経験せずにきた世界の株式市場には衝撃でした。翌日2月6日(水)の日本株は米国株の急落を受けて東証1部の値下がり銘柄数が2000を越えるほどの暴落となりました。もっとも、2月5日(火)のニューヨークダウも長い下髭をつける形で終盤は反発しており、2月6日(水)も急反発。2月6日(水)の日経平均も長い下髭をつける形で後場に急反発しており、翌2月7日(木)も前場までは急反発となりました(後場は反落となり、前日比で若干のプラスで引けていますが)。
これらの一連の動きを見ると株価はまずは一旦底を打ったとみることが出来ると思います。
今回の急落の背景は?
今回の急落の背景はファンダメンタルが悪化したということではなく、投資家の傾きが行き過ぎた結果だと思います。好景気時の低金利状況という、株式市場にとって絶好な環境が非常に長く続きました。このことで、いわゆるゴルディロックス相場に賭ける投資家が非常に多くなり(株式だけでなく、債券、先物、オプションなどでも)、投資家の傾きが楽観的に寄りすぎていた状態があったわけです。ところが、米雇用統計での賃金上昇をきっかけとして米国の長期金利が予想よりも大きく上昇して、株価が下がると、利食い売りや損切り、さらには投機の売りを巻き込みながら、アルゴリズム売買がその流れを加速して急落してしまったといったところかと思います。
もっとも、この長期金利の上昇は好景気を背景としているので悪性のインフレのようなものとは全く違います。物価、賃金、資産価格の上昇、経済成長を伴った良い金利上昇ですから、心配はいらないと考えます。
さらに傾きすぎた投資家の傾きは修正されました。
つまり、今回の暴落は「売りが売りを呼ぶ」相場全体のなし崩し的な、短期の下落を目的とした急落であり、「悪い金利上昇」を懸念した長期投資家からの売りでないと分かります。さらにファンダメンタルが変わっていないのなら、株価が下がったところは買いと判断できます。
今後どうなるのか?
ただ、一旦株価が大きく下がると大きく損失を抱えてしまった人も出ますし、株価が今後下がると考える人も出てくるでしょう。株価が上がれば、そういった人たちのポジション整理の売りも出てきますから、一気にV字回復というわけにもいかず、しばらくはボラティリティーが高い状況が続きます。そうしてしばらくもみ合った後に株価上昇となっていくというのがメインシナリオと言えると思います。考えようによっては、そのボラティリティーをチャンスと捉えることも出来ると思います。株価が下がったタイミングでは優良株を購入するチャンスと考えることも出来るというわけです。
参考:日本株通信
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