垂木(たるき)とは
Q:図面の屋根のところに垂木とあり、何と読むのだろうと調べたら「たるき」と書いてありました。字から想像すると、垂れる木になってぶら下がったイメージを受けました。役割や意味を教えて下さい。
A:垂木は小屋組構造材の部材で、棟木が立ち上がり屋根を葺く段階になると、棟木から軒へと一定方向に角材を打ち付けます。これが「垂木(たるき)」です。
垂木の一般的な寸法やスパン、材質
一般的に屋根材が鋼板やスレートなどの軽い材料であれば幅4.5cm×成6cmで間隔は45.5 cmです。瓦は多少重くなるので幅4.5cm×成7.5cm、間隔は30.3 cmになります。主に使用する材木はスギ材です。工事の流れとして垂木は、棟木・母屋(もや)・軒桁といった主要な構造材に接し、それらの構造材に釘やビスなどで固定します。
次に屋根を葺くために垂木の上に下地(ベニヤ板)を張るのですが、これは野地板と呼びます。ちなみにここで使われる「野」というのは大自然に最も近い下地ということで「野」が使われているのです。
垂木の意味
建築の様々な部位の中で、最も痛みやすいところは屋根です。屋根は厳しい自然から私達を守る最前線にあります。その屋根を支えているのが垂木で、垂木は構造上、棟木と軒をつなぎとめる重要な役割も担っているということがわかりました。つまりこの機能と役割がきちんとされていないと足りないことになります。垂木は足りていて初めてその存在の意味が出てくるのです。垂る=足るにも通じていて、垂木とは「足り木」とも言えるのです。修理が必要になるケースとは?
前文でも述べた通り最も痛みやすい箇所は屋根なので、垂木が劣化してしまうケースがあります。屋根の施工が悪いと雨が染み込んで腐ってしまったり、積雪の重みで垂木が折れてしまうことも考えられます。垂木の活かし方
現代の住まいの多くは軒天井(のきてんじょう)や鼻隠(はなかくし)などをして隠してしまいます。表に出ない垂木のことを「野垂木(のだるき)」といい、表に出された垂木のことを「化粧垂木(けしょうだるき)」といいます。和風の住まいは化粧垂木を見せてつくることが多いです。化粧垂木の例
洋風は見せないのですが、室内の天井に垂木のように見せたデザインなどがあり、空間のリズム感を演出させてくれます。
室内の垂木はリズム感を演出させてくれます。