初心者でも安心安全と聞き、思い切って圧力鍋を使ってみる
ツヴィリング「エコ クイック」。手前が3L(46×25×18.5cm・2520g)、奥が4L(46×25×20.5cm・2660g)です
しかし、圧力鍋の実演を見る機会があり、がぜん興味が湧いてきました。もしかしてこれなら使えるかも? と手にした鍋は、2017年6月にツヴィリングから発売された「エコ クイック4L」(同じシリーズでひとまわり小さい3Lサイズもあります)。
見た感じ、猫が丸まって入るのにちょうどいいくらいの大きさです(鶏1匹そのまま入る!)。持つとそれなりに重さはありますが、ストウブやル・クルーゼは3000g以上あるので、鋳物鍋に慣れている方なら、それほど重くはないかもしれません。柄の反対側に取っ手が付いているので、実際に持ち運んでみると、思ったより安定します。
圧力鍋というと、突起がこちょこちょ付いてメカっぽい印象があったのですが、こちらは取っ手と一体化してデザインされているせいか、かなりスッキリ。全体的にスタイリッシュでかっこいい! 見た目がいいということは、使い続けることへのモチベーションにもなります。
家にやってきた4L圧力鍋。蓋を開けたところ。デザインは、建築デザイナーのステファン・ショーニング氏
圧力鍋で玄米を炊いてみる
圧力鍋は、中を密閉状態にして気圧を上げることで温度が上がり、食材に早く火が通るため、調理時間を短縮できる、というのが最大のメリット。もともとは玄米をふっくらとおいしく炊くために、圧力鍋が全国に広まったともいわれます。圧力釜という言い方もある通り。そこで早速、玄米を炊いてみました。以下、初めて使う人向けの注意点を出しながら、ご紹介します。(圧力鍋上級者には「そんなのわかってるよ!」という内容が多々あるかもしれませんが、ご了承ください)
〔注意その1〕充填量は守ること!
目盛りを見て、分量は守りましょう
吸水はしなくていいそうです。時間がない人には朗報! そして4Lタイプでは、一度にかなり多くお米が炊けます。なんと7合いっぺんに炊けました! 最大で8合くらいはいけそうです。ちなみに3Lタイプだと、5合くらい炊けそうです。家族の人数や食べる量、使い方のスタイルなどに合わせて、サイズを選んだほうがいいでしょう。
3Lタイプは、浅鍋で炒めて煮込むようなもの、水分の少ない固形の具材を使った料理など向け。4Lは水分の多いもの、鶏などを丸々一匹、蒸し器を使った調理(別売りでスチームトレイあり)など、それなりの量を作るときに向いています。または忙しい人が4Lタイプで一度に多く作って作り置きする、一気に冷凍しておく、という使い方もできると思います。
〔注意点その2〕蓋はきちんと閉めること
取っ手にある「安全レバー」がカチッとロック。上部「圧力調整レバー」の先に排気口があり、蒸気が放出されます
蓋を閉めたら「圧力調整レバー」をセット。調理する食材によって、I低圧調理(約60kPa 110℃)、II高圧調理(約100kPa 120℃)の2パターンを設定できるようになっていました。食材に合わせて圧力レベルを選ぶことができるのは、この鍋の利点だと思います。ちなみに玄米を炊く場合はIIにしました(取扱説明書に食材別レベル設定の一覧表あり)。
〔注意点その3〕圧がかかるまではしっかり強火で
強火です
赤い部分が「安全バルブ」、緑のラインが「圧力表示」です
圧力調整レバーの部分が、湯気を逃す機能にもなっており、内圧が上限を越えると、蒸気を自動的に放出します。一番恐怖だったピーピーもくもくと騒がしい音と湯気は、いざ圧がかかってみると、想像していたほどではありませんでした。もちろん湯気も音も出ますが、鍋に安定感があるせいか、それほど怖くはなかったです。湯気はだんだんと落ち着いてきます。
火を止めて蒸らし、赤い安全バルブが引っ込んだら、圧力が下がった証拠です。蓋を開けることができます。引っ込まないと蓋は開きません。うっかり開けてしまうことはできませんので安心です。
玄米がいい感じに炊けました
圧力鍋をいろいろ使ってみてわかったこと
カレーがおいしくできました
また、野菜が甘くなり、いい出汁ができたことに驚きました。カレーの場合はルーを入れる前に圧をかけますが、そのまま入れずにシチューとして飲んでしまおうかと思うくらい、汁がおいしい。何も調味料は入れていないのに、野菜の甘みうまみが際立っていました(おいしいのでルーを入れる前に1杯食べてしまいました)。
別売で「スチームトレイ」と「三脚」のセットがあります
スチームトレイをセットして、水を注ぎ、野菜をのせます
あっという間に蒸しあがりました
蓋にはめ込むゴムパッキンは着脱が簡単です。古くなったらパーツ交換も可能(有料)
圧力鍋を使ってみた・まとめ
★ツヴィリングの圧力鍋を使ってみて、良かったこと・何と言っても時短! 調理時間が短縮できる!
・安全設計。圧がかかっていたら蓋は開かない。必要以上に怖がらなくてよし!
・玄米がうまく炊けてもちもちの食感! 吸水もしなくていい
・野菜の甘みがしっかり感じられた
・肉が短時間でほろほろになる
・環境に優しく省エネ。ガスor電気代の節約になるかも!?
・洗いやすく、手入れが意外と簡単だった
★ツヴィリングの圧力鍋を使ってみて、デメリットに感じたこと
・鍋がちょっと重いと感じる人はいるかも
・分量を少しだけ作るのには不向き
・短時間調理では味が染み込みにくい場合もあり、火を止めてしばらく置く方がよりおいしくなる
★圧力鍋に向いている料理
玄米、炊き込みご飯、カレー、シチュー、肉じゃが、豚の角煮、ローストビーフ、煮魚、豆料理などなど。基本的に煮込み料理向き。ちなみにビタミンなどの栄養の損失は普通の鍋と同様だそうです。
★こんな人に向いているかも?
・忙しい人、時間がない人
・手の込んだ料理を効率よく作りたい人
・玄米をよく食べる人
・ホームパーティーを開きたい人
・デザインにこだわりがある人
私は初めての圧力鍋だったので、全体的にたどたどしい作業でしたが、使ったことのある方なら、もっとスムーズだと思います。一度使って要領を得ると、あれ?というくらい簡単でした。圧力鍋を使いこなせると、気持ちに余裕ができ、料理の幅も広がりそうです。
ZWILLING(ツヴィリング)エコクイック圧力鍋