みんな気になってる!
軽自動車のキャンピングカーってどうですか?

「軽自動車ベースのキャンピングカーがあるらしいですね」「それぐらいだったら運転できそうだなあ」

キャンピングカーをよく知らない、という人から、たまに言われるセリフである。
大抵は「キャンピングカー=大きい」と感じている人が多く、軽のサイズ感にほっとするのだろう。おまけに軽自動車は維持費も安い。例えば自動車税は市町村によって若干異なるが年額5000円程度。高速道路料金もNEXCOの高速道路では普通車の2割引きだ。その他にも、普通車だと毎年車検になる4ナンバー車も軽自動車なら2年毎など、様々な優遇措置がある。

そもそも「軽自動車」というのは日本独自の規格。全長3.4m以下、全幅1.48m以下、全高2.0m以下、排気量660cc以下、乗車定員4名以下と規定されいる。この軽自動車をベースにした軽キャンピングカーは、言い換えれば「世界最小のキャンピングカー」でもある。取り回しの良さ、手頃な価格と維持費、それでいてキャンピングカーとしての装備を備えているので、人気が高い。では、どんな商品があって、どんな人にフィットするのか。

軽キャンピングカーにも様々な種類があるが、大きく分けると
・ワンボックスバンをベースに車内に架装を施した「軽バンコン」
・軽トラックの荷台部分に居室を架装した「軽キャブコン」
の2種類がある。いずれも限られたスペースを有効に活用するために、各ビルダー(キャンピングカー製造会社)はさまざまな工夫を凝らしている。

見た目も使い勝手も「軽のまんま」~バンコン~
スマイルファクトリー社 オフタイム・和「なごみ」

外観

外から見てもキャンピングカーには見えない


■概要
 ベース車両はスズキ・エブリイ(2WD・4WD、マニュアル・AGS・AT、ターボ・ノンターボの組み合わせが可能)。
軽キャンピングカーによく見られる「ポップアップルーフ(屋根の一部がせり上がり室内空間を広げる機構)」はナシ。そのため、車内で立つことはできない。ボディにまったく手を加えていない分、外見は軽自動車そのもの。ぱっと見、キャンピングカーだとはわからないので街の風景に溶け込みやすく、普段使いし易いというメリットがある。
前席・後席とも標準の純正シートを使用。その点も、普段の使い勝手はノーマル車のままだ。


■走りは?
軽キャンピングカーの泣き所と言えば動力性能だ。街なかでの細かな走りには問題ないが、山道や高速道路の長距離巡航などは、まあまあ及第点という車が多い。「なごみ」のベース車両はスズキ・エブリイ。ノンターボの5速AGS(オートギヤシフト)車を試乗させてもらった。

ターボもついていないし、架装もされている。正直、走りには期待していなかったのだが、5MTをベースにクラッチおよびシフト操作を自動で行なう5速AGSは、パワーバンドを上手に使う絶妙なセッティング。これならターボ車でなくても十分だ。ターボにはメンテナンスも必要だし、車両価格もノンターボよりは高い。初期コストやランニングコストの面からも、ノンターボ×5AGSの組み合わせは正解だろう。

■室内空間は?
キャンピングカーで大事なのは、やはり居住空間の快適さだ。とはいえ軽バンコン、おまけにポップアップルーフなし、なので「広々とした居住空間」というわけにはいかない。が、「快適に寝られれば十分」という人にはオススメだ。
ベッド

ベッド展開したところ。2人でちゃんと休める広さ


快眠のためのベッドにはこだわっている。
ベッド展開は、後席と助手席を倒して専用のベッドボードを設置するだけ。ベッドの長さは助手席側で2,440mm、短い運転席側でも1,800mmある。ベッド幅は1,200mm(足元の狭い部分でも1,000mm)。大人二人が十分に寝られるスペースだ。全部ベッド展開すればフルフラットになるし、片側ベッドにすれば一人仕様にもできる。

さらに「なごみ」最大の特徴はオプションの二段ベッド。これを追加すれば、限られたスペースの中に4人分の就寝スペースが出来上がるのだ(上段ベッドのサイズは1,800mm×1,000mm)
ベッドに使われるボードは合板ではなく、軽くて丈夫なハニカム材を採用。車両重量を少しでも軽くしたいという狙いもさることながら、狭い車内でのベッドメイクを少しでも楽に、という配慮だ。さすがにベッド展開すると、車内はベッドでいっぱいになるが、二段ベッドを設置しても上段へは助手席から簡単にアクセスできるなど、動線までよく考えられている。
上段ベッド

上段ベッドをセッティング、軽量ボードなので設置も楽々


ちなみにこの二段ベッドは、4人で寝るつもりのない人にもオススメだ。荷物が多いと、ベッド展開のたびに、それらをあっちへやり、こっちへやりすることになるが、二段ベッドならば荷物は下段に置いて、人は上段でのびのびと寝られるメリットがある。二段ベッドは、後からでも追加装備可能というのもうれしいポイントだ。

見えない部分にこそ職人技が光る

軽キャンピングカーに限らず、大事なのは「見えない部分」だ。

■断熱性能
通常、自動車はほとんど断熱されていない。走行中は冷暖房が使えるし、駐車中に長時間滞在することは考えていないからだ。
その点、キャンピングカーは「停めた状態」で使うもの。断熱はとても大切だ。
「なごみ」は壁面や天井はもちろん、家具の裏側に至るまで断熱加工が施されている。
断熱材

丁寧に一台ずつ断熱材が張り込まれている


■シンク(流し台)
「寝られればいい」という人の中にはシンクのない車両を選ぶ人も多いが、ちょっとした水場は便利なもの。「なごみ」にはしっかり装備されている。通常、キャンピングカーの水回りは、給水・排水ともにタンクを取り付けるのだが、「なごみ」は給水に2Lのペットボトルを使用。タンクを洗浄する手間がなく、ボトルごと交換できるので、衛生的で取り扱いも簡単だ。なんとなれば市販のミネラルウォーターをそのまま使うこともできる。

■サスペンション
 「なごみ」を製造しているスマイルファクトリーは、実はキャンピングカーのサスペンションのスペシャリストでもある。試乗車に装着されていたリアのエアサスは安定性も抜群で、ワンタッチで圧力が調整できる優れもの。停泊中は目一杯高圧にしておくと、寝返りを打ってもほとんど揺れないほどだ。快適な走りにも安眠にも役立つ見えない装備だが、ぜひ取り付けておきたいオプションだ。

どんな人にいいの? どんな使い方にいいの?

  • 普段使いと兼用したい
  • 置き場所に余裕がない(立体駐車場でもOK)
  • 旅先では快適に寝られればよい
  • 車内で立てなくてもいい(料理などをしない)
  • 最大4人が寝られるようにしたい
  • 夏や冬の気候が厳しいときでも旅をしたい
「なごみ」にフィットする使い方は、こんな感じになるだろうか。
気になる価格は、ベース車両のグレードやオプションによっても異なるが、1,571,400円~。スマイルファクトリーは島根県の会社だが、同社に限らず、ビルダーは日本各地に販売協力店やサービスネットワークを持っている。
トヨタや日産、ホンダなどと違って、必ずしもあちこちにはないのが、キャンピングカービルダーだが、後日のサポート体制などは整っているので、その点は心配いらない。

どこへでもスイスイ、小さな体にいろんな機能を詰め込んだ軽バンコン。気軽なデイキャンプや温泉巡りの友にもぴったりだ。

スマイルファクトリー
http://www.smilefactory.biz/
島根県益田市高津ロ28-1
0856-32-0567
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