2年に一度の東京モーターショーが今年も開幕!
車やバイクのイベントと言えば、毎年開催されるモーターサイクルショーと2年に一度開催されるモーターショーの二つ。モーターサイクルショーにはトヨタや日産などの車メーカーは出展していませんが、モーターショーではトヨタや日産はもちろん、ホンダやスズキといったバイクと車の両方を扱うメーカー、バイクしか扱いのないハーレーダビッドソンやカワサキ、ヤマハなども出展しています。そのためバイク好きにとっても楽しめる内容が盛りだくさん。プレビューデーや一般公開にさきがけ、マスコミ向けプレスデーにお邪魔し取材してきました。これから行きたい人にとっては一部ネタバレも含まれていますが、知っていると更に楽しめるポイントも押さえていますので参考にしてください。
【目次】
1、2017年ホンダのこの車種は見ておこう!
- 更にすごくなった転ばないバイク(Honda Riding Assist-e)
- 熊本生産に戻ったスーパーカブ(スーパーカブ50)
- スーパーカブに125cc版が発売?(スーパーカブ125)
- 125ccになってモンキー復活?(モンキー125)
- 原付二種にもEVの波がおとずれた?(PCX HYBRID、PCX ELECTRIC)
- 日本を代表するツーリングバイクがモデルチェンジ(ゴールドウイング)
- ほんとに市販されるの?MT-09の三輪バージョン(NIKEN)
- ヤマハ版ゴールドウイング(Star Venture)
- 兄と同様に人気車両になるか(XSR700ABS)
- マジェスティの後継機か?新しいMAXシリーズ(XMAX)
2017年 ホンダのこの車種は見ておこう!
■更にすごくなった転ばないバイク(Honda Riding Assist-e)2017年1月5日、ラスベガスのCES2017にて発表されたライダーが乗っていなくても自立する「Honda Riding Assist」の技術を採用したコンセプトモデルです。当時発表されたコンセプトモデルは、市販車のNC750がベースになっていましたが世界初出展となるHonda Riding Assist-eは、その名の通り動力にエンジンではなくモーターを採用しています。
生産台数が1億台を突破し、立体商標の登録や60周年のアニバーサリーイヤーと、今年に入ってから話題に上ることが多いスーパーカブ。
前のモデルは中国生産でしたが、私の周りでも「スーパーカブは国産じゃないと」という方が多く、理由を聞くと国産カブに比べて故障が多かったそう。今回のモデルは熊本工場に生産を戻した意欲溢れる一台となっています。信頼を取り戻せるか期待したいところです。
装備面ではヘッドライトがLEDですが、見た目はおなじみのカブそのもの。蕎麦屋の出前などで使われることが多かったというスーパーカブは、持ち前の堅牢さにより世界中で大人気です。
スーパーカブには50ccと110ccのエンジンを搭載したモデルがありますが、125ccモデルはありませんでした。海外では110ccの車両が比較的安く販売される傾向があり、125ccより110ccを好む国も多いようです。
今や海外での人気を不動のものとしたスーパーカブ。海外での販売台数を考えれば110ccモデルになるのも当然と言えば当然ですが、実際に試乗してみると商業車両がコンセプトになっているため、スピードを上げて走ろうとするとエンジンがうなりをあげ、振動が多くなってしまうのが特徴です。
排気ガス規制への対応ができずカタログ落ちしてしまったモンキー。最後に販売した50周年のアニバーサリーモデルは予約開始と共にすぐに売り切れてしまいました。
アフターパーツも豊富なのでカスタムベースにするユーザーも多いのが特徴ですが、フルカスタムしても車体の小ささからスピードを出した時に安定感にかけるといった問題もありました。50ccのモンキーを二回りぐらい大きくした車体に12インチの幅広タイヤを履いた今回のモンキー125は、発売されたら欲しい!というユーザーも多いはず。是非販売を実現して欲しい一台です。
■原付二種にもEVの波がおとずれた?(PCX HYBRID、PCX ELECTRIC)
今や原付二種クラスで一番の人気車種といえばPCX。そのPCXにハイブリッドモデルと電動バイクモデルが登場です。
車に比べて余分なスペースが無いバイクはハイブリット化が難しいと言われていましたが、PCX HYBRIDは通常エンジン始動時に使うACGスターター(セルモーター)を使ってエンジンをアシストする機構を備えています。シート下スペースは若干削られているようですが、どれだけ低燃費になるのか楽しみです。
次にリチウムイオンバッテリーを2基搭載したPCX ELECTRICです。
基本的にはPCX HYBRIDと同じ見た目ですが、リア回りが一部変更されており、シート下はリチウムイオンバッテリーが二基搭載されているのでスペースがなくなっています。
電動バイクで課題だった連続航行距離も伸びてきています。荷物の収納スペースの問題はリアキャリアとリアボックスを装着してしまえば解決するので、パワフルなモーターを使ったPCX ELECTRICがどんな走りを見せるのかが楽しみです。
ちなみにPCX HYBRIDもPCX ELECTRICも顔つきが現行のPCXとは変わっています。ガソリンエンジン搭載のPCXも併売なら上記二台の発売は来年頭と言われていますので、そのタイミングでモデルチェンジがあるかもしれません。
■日本を代表するツーリングバイクがモデルチェンジ(ゴールドウイング)
国産バイクでは現在他に存在しない6気筒エンジンを搭載した大型ツアラーゴールドウイングがモデルチェンジです。元々豪華な装備がセールスポイントですが、今回はなんとアフリカツインやNC750シリーズで実績のあるデュアルクラッチトランスミッションを採用。
今や車のほとんどがオートマチックの時代ですが、ホンダが開発したデュアルクラッチトランスミッションはオートマ感覚でバイクを操作できる機構でついにフラッグシップモデルにも搭載されることに。今までの流れからすると、デュアルクラッチトランスミッション搭載モデルと非搭載モデルとを選べる形になりそうです。
2017年 ヤマハのこの車種は見ておこう!
■ほんとに市販されるの?MT-09の三輪バージョン(NIKEN)ヤマハの三輪バイクといえばトリシティ。登場時にはCMに元AKBの大島優子を採用するなどヤマハの力の入れようが見られたバイクです。乗り心地は二輪車に近く、安全性が高いトリシティは既存の二輪ユーザー以外の新しいユーザーを会得することに成功しました。
ついに大型車両にもトリシティで培った三輪技術(リーニングマルチホイール)を搭載したモデルが登場です。ベースモデルに大人気MT-09を採用しており、倒立式サスペンションを採用するなど豪華な装備が目を引きます。前から見たときのボリューム感も半端なく、乗ったらどんな感じなのか楽しみで仕方がありません。フロント周りに日本刀の二刀流をイメージしたと言われている同車の名前はNIKEN(ナイケン)です。
■ヤマハ版ゴールドウイング(Star Venture)
ゴールドウイング同様に長距離走行用に特盛で装備を纏ったモンスターバイクがStar Ventureです。
残念ながら現在は日本市場導入の話はでていません。装備のゴージャスさにも目を惹かれますが、ヤマハと言えば楽器などの音楽のイメージが強い人も多いはず。Star Ventureのオーディオシステムは関連会社の音楽のほうのヤマハ(ヤマハ株式会社)と共同開発されており期待がもてます。
XSR700ABS。XSR900同様に人気に火が付くか?
その兄弟車両として登場したのがMT-07をベースに作られたXSR700 ABS。イメージコンセプトは二台同じなので見た目が似ているのはあたりまえですが、走りはどう違うのでしょうか?MT-07に比べてサスペンションの動きを柔らかくしたという同車は、街乗りインプレッションには最適な一台。発売されたすぐに試乗したい一台です。
■マジェスティの後継機か?新しいMAXシリーズ(XMAX)
250ccビッグスクーターブームが終わり、町でもビッグスクーターより原付二種に乗っている人の方が目立つようになりました。しかしブームが終わっても運転操作が容易であることや荷物の積載量が多いことなどのメリットがなくなったわけではありません。そのため、ホンダはFORZA Fi、スズキはバーグマンなどここ最近では新型のビッグスクーターが発表されています。
ヤマハのビッグスクーターといえばマジェスティやマグザムが有名ですが、スポーツスクーターTMAXを筆頭とするMAXシリーズとしてリリースしてきたからには走行性能にも期待が持てるところです。
2017年 スズキのこの車種は見ておこう!
■ネオレトロスタイルに変化したSV650のコンセプトモデル(SV650X)非常に乗りやすく扱いやすさに定評があるSV650のコンセプトモデルとして登場したSV650X。ビキニカウルやセパレートハンドル、クラシックなシートなどしっかりネオクラシックに染まっています。フォグランプなども追加装備されており、2016年のモーターサイクルショーで発表されたSV650ラリーコンセプトが進化したモデルであることを伺わせます。
■こっちがアドレスV125の正当進化じゃないの?(SWISH)
先日スズキから新しい原付二種スクーターが発表されました。名前はアドレス125。スズキの原付二種スクーターといえばアドレスV125があげられます。今や原付二種クラスの一番人気と言えばPCXですが、原付二種クラスで一番売れたのは間違いなくアドレスV125です。「V」がないアドレス125は発表されましたがタイヤが大型化されるなど、車体も若干大きくなっており、アドレスV125ユーザーとしては「アレは後継機ではない」という印象が強いです。今回展示されていたSWISHは非常にコンパクトなので、これで走りがキビキビしていれば、こちらがアドレスV125の後継機かもしれません。
2017年 カワサキのこの車種は見ておこう!
■今回のモーターショー一番の目玉(Z900RS)事前にメーカーから様々な告知がされるなか、一番注目が集まっていたのがZ900RSです。
カワサキの伝説的名車Z900(通称Z1)やZ750RS(通称Z2)は未だに高値で取引されており旧車好きに絶大な人気を誇っています。30代後半の筆者と同年代の方、もしくは更に年齢が上の方は漫画の中などでもZ1やZ2を目にすることはあったはず。
その伝説的名車を踏襲するバイクがリリースとくれば驚かずにはいられません。エンジンは最新の水冷4気筒エンジンで、リアサスペンションは左右二本ではなくセンターに一本のモノショックですが、カラーリングも含めて当時のZ1、Z2そのもの。
Z1は当時最高の走行性能を持っていたといわれているモデルなので、新しいZ900RSの走りはどうか非常に楽しみです。
■250ccスポーツブームの火付け役がモデルチェンジ(ニンジャ250)
現在もっとも注目される排気量のクラスといえば利便性が高い原付二種クラスかエントリーユーザーも手を出しやすい250ccクラスです。原付二種クラスの人気に火をつけたのがスズキのアドレスV100なら、250ccクラスの人気に火をつけたのがカワサキのニンジャ250Rです。
ニンジャ250Rは登場からすぐに大人気となり、人気に後押しされたモデルチェンジで、Rがなくなってニンジャ250になりました。そして今年モデルチェンジし三代目がリリースされます。外装デザインもカクカクした感じになりましたが、特筆すべきは軽量化されたことです。
車体が軽くなれば加速、減速、旋回どのタイミングでも動きが変わります。エントリーユーザーでも扱いやすかったニンジャ250がどのように進化しているのか楽しみです。
バイク好きでも間違いなく楽しめるから是非行ってほしい!
今年のモーターショーは排気ガスが厳しくなったことでカタログ落ちする車種が多かったので、新規制をクリアした新型モデルの発表が多かったのが特徴でした。今回のモーターショーで発表されなかったモデルも恐らく存在し、11月9日からスタートするEICMA(ミラノショー)で発表される可能性もあります。特にカワサキはミラノショーで新型スーパーチャージャー搭載モデルを発表することを公言しており目がはなせません。イタリア・ミラノまで行くのはちょっと大変ですが、今回のモーターショーは世界初公開の車両も多くなっています。バイク好きには是非足を運んでほしいです。
■東京モーターショー関連記事
賑わいを見せる東京モーターショー2017、見どころは?
親子で楽しめる東京モーターショー2017イベントまとめ