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なぜ偽ブランド販売からLINEグループの招待が届くの?

「激安贅沢コピー品」などの名前の偽ブランド販売のアカウントからLINEグループに招待される手口が広がっています。「間違えて買った」みたいな詐欺被害はないようですが、なぜ詐欺アカウントから届いたのだろう?と不安に思う方が少なくないようです。今回は知らないアカウントからなぜトークが届いたり、グループ招待されるのか、その理由と対処法をレポートします。

齋藤 実

執筆者:齋藤 実

ウィルス対策・セキュリティソフトガイド

偽ブランド販売からLINEグループに招待される事件が増えています

知り合いのところに届いたLINE詐欺

知り合いのところに届いたLINE詐欺

私の知り合いのところに変なLINEアカウントから急にグループへの招待が届いたそうです(上図)。このアカウント名は意味のない文字列で明らかに「おかしいな」とわかりますが、最近は激安などとうたい、偽ブランド品を販売する詐欺アカウントから突然LINEグループに招待されてしまう手口が広がっています。

ネットの声を調べたところ、「間違えて買った」みたいな詐欺被害はありませんが、なぜ詐欺アカウントから届いたのだろう?と不安に思う方が少なくないようです。

今回は知らないアカウントからなぜトークが届いたり、グループ招待されるのか、その理由と対処法をレポートします。

なぜ知らない人がLINEグループに誘えるの?

まだ友だちリストにいない、知らないアカウントというと「知り合いかも?」に入るだけで、まさかトークが届いたりグループに誘われたりコンタクトをとってくるとは思えないですよね。

しかし、相手の友だちリストに自分が含まれている場合は、相手が自分に対してトークを送ったり、グループに誘うことが可能になります。もちろん、自分は相手を友だちリストに加えていない“片思いの状態”でできてしまいます。

相手が友だちリストに追加する方法については簡単で、たとえば「友だち追加」の検索から、電話番号を入力すると追加できます。実際にLINEで私の電話番号を検索してもらい実験したところ、友だちリストにいない相手からトークとグループ招待を送ってもらうことができました。

【実験】知り合いかも?に表示されるアカウントから届きました

【実験】知り合いかも?に表示されるアカウントからグループトークが届きました


今回は電話番号で検索しましたが、LINE IDからも同じように検索をして友だちリストに追加できたり、同じグループ内にいる友だちではないメンバーも、気づかれることなく友だちリストに追加することができます。

なお、連絡先(友だち)は他の友だちに送れます。もちろん、受け取ったほうはその友だちをリストに追加でき、検索が不要になります。これは詐欺者がターゲットをデータベース化できることを表し、既に登録されてしまった情報は闇で流通することができてしまいます。

「メッセージ受信拒否」をしてもグループ招待は届く!

偽ブランド販売など

なぜ「グループ招待」を使う?

そもそも、なぜ詐欺アカウントはトークではなく、グループ招待を悪用するのでしょうか。

LINEには「メッセージ受信拒否」という、片思いのアカウントからのトークを受け付けない設定があります。しかし、片思いのアカウントからのグループ招待は拒否する設定がありません。実際に「メッセージ受信拒否」を設定して、知らない人からのグループ招待が届くかを実験しましたが、やはりトークは届かないもののグループ招待は届いてしまいました。詐欺アカウントは、そのようなLINEの仕様を理解して悪用しているのでしょう。

知らない人からLINEグループに招待された時の対処法

詐欺アカウントからのグループ招待を受け付けなくすることはできます。LINEグループに招待された時の対処法としては、詐欺アカウントをブロックして、不正なアカウントとしてLINEに通報します。相手をブロックすればその後はグループ招待が届かなくなります。

時々、不正なアカウントが混ざるのでブロックしています

不正なアカウントはブロックしましょう

 しかしながら、そこは詐欺アカウントも理解しているため、友だち登録後すぐに(ブロックされる前に)グループ招待してきます。このような詐欺に遭遇したくない場合は、電話番号やLINE IDから検索できないようにすると効果的と言えそうです。

ただ、先に述べたように友だちリストはデータベース化できてしまいます。既に詐欺アカウントから友だち登録された経験がある場合は、電話番号やLINE IDから検索できないようにしても、その前に友だちに登録されてしまっている可能性があり、検索を制限した後にもグループに招待されてしまうかもしれません。

ちなみに、タイムライン新機能の「リレー」を悪用してコンタクトをとってくるLINE詐欺の手口もあるようです。ブロックしている相手でもリレー招待は送ることができてしまいます。新しい機能が増えると、新しい手口が生まれるということも知っておきたいですね。

欲を言えば、片思いのアカウントが私に対して何ができるのか、許可する内容を選んで設定できるような細かい機能がほしい!なんて思います。しかし、知らない人をシャットアウトすれば、詐欺が撲滅するというわけではありません。そういった意味では、機能だけに頼るのではなく、詐欺に遭遇してしまうことはある程度しょうがないと織り込んで、冷静に正しい情報を持って対処することが大切です。
 

LINEから流出する可能性がある個人情報に注意

流出した場合のリスクを考えて

流出した場合のリスクを考えて

LINEの電話番号検索の機能を詐欺という目線で真剣に考えてみると、検索から得られる電話番号、名前、プロフィール画像の3つの情報を悪用すればとんでもない事が起きそうだと嫌な予感がしました。

たとえば、LINEアカウント名が本名の場合、LINEから電話番号と名前が流出するだけでもかなり厄介です。昔、「出会い系サイトの料金が未納なのですぐに振り込んでください」みたいな詐欺メールが出回りましたが、SMSで「斉藤実様 滞納しているので」みたいなのが届いたら……振り込んでしまうケースが増えてしまうのではないでしょうか。還付金詐欺なんかも電話番号と名前だけの情報で騙すのですから、そうやって考えていくと尽きないレベルの話かもしれません。

またプロフィール画像で年齢性別がわかる方もいます。無言電話なんて変質者が昔からいますが、知らない番号からかかってきて「~ちゃん、大きくなったね」みたいな変態に悪用されてしまうかもしれません。未成年者が巻き込まれてしまうことも考えられるので心配ですね。

そうやって被害に遭ったことを想像してみると、かなり深刻でリスキーかもしれません。電話番号から自分が検索できなくても問題ない場合は、検索できないように設定したり、もし電話番号検索をオンにする場合は、名前をイニシャルにしたり、年齢性別がわからないプロフィール画像にするなど、LINEに個人情報を登録しないのが賢明かもしれません。


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