現代人の生活はどんなに田舎に住んでいようとも、電気がなくては始まらない。そしてそれは、動く家であるキャンピングカーも同様だ。照明、空調、冷蔵庫…ありとあらゆるものが電気で動いている。

もちろん、乗用車だってそうだ。オーディオや照明、ワイパーだって電気で動いている。車内では携帯電話やタブレットの充電もできる。ただし、これらはエンジンかかっているのが前提になる。ワイパーやウィンカーは、エンジン停止中には動かない。オーディオや室内灯、シガーライターソケットなどはエンジン停止中でも作動するが、そもそも、こうした設備は、エンジンが停止の状態で長く使い続けることを前提にしていない。そんなことをすればバッテリーはあっという間に消耗して、最悪エンジンがかからなくなってしまう。いわゆる「バッテリー上がり」という奴だ。
キャブコン車内

快適な「キャンピングカー暮らし」は電気があってこそ


それがキャンピングカーともなれば、乗用車以上に電気が必要なのはお分かりだろう。冷蔵庫がついていたりする。照明だって普通の車の数倍の明かりが必要だ。さりとて、寝泊りする間、ずっとエンジンをかけっぱなしにするのか?といえばさにあらず。ちゃんと、エンジン停止状態で家電製品は使えるし、生活家電で結構な電気量を消費しても、「エンジンがかからない!」なんてことのないように、工夫されている。

キャンピングカーの電気は2種類

12V_100V ソケット

100Vは家庭用と同じ、12Vは車用シガーライターソケットと同じ形状

キャンピングカーの各種電気設備。そこで使われる電気は、一般の車と同じDC12V(一部24Vあり)と、家庭用と同じAC100Vの2種類がある。
おおまかにいうと、

・DC12Vで動くもの
照明器具、冷蔵庫、暖房、水ポンプ、換気扇 など

・AC100Vで動くもの
電子レンジ、エアコン(冷房)

この2種類の電気、それぞれに供給元は異なる。

■DC12V
供給するのはサブバッテリーといって、いわゆる乗用車のバッテリーとは別のものでキャンピングカー独自のもの。容量は100~200A。使用状態にもよるが、およそ2泊程度は照明や暖房などが使用できる。

■AC100V
家庭用コンセントと同じ、AC100V。外部電源から入力、つまり車をコンセントにつないで取り込むか、発電機(別名・ジェネレータ)で発電することで得られる。ジェネレータは縁日の屋台や夜店でブーン、と音を立てているあれである。

ジェネレータはガソリンエンジンで動くので、あのブーンという音はエンジン音というわけだ。当然、キャンピングカーで使用するにも騒音がするので、使う時間帯や、まわりの状況には配慮する必要がある。車種によっては、車載発電機が組み込まれているものもある。

■インバーターでDC12VからAC100Vに変換
外部から取り込む、発電機を回す、のほかに、もうひとつAC100Vを手に入れる方法として、インバーターがある。これはサブバッテリーのDC12VからAC100Vを作る機械で、音もしなくて便利なのだが、エアコンや電子レンジなど大出力に対応するには、サブバッテリー側にそれなりの容量がなければならない。

車種によって標準装備しているものもあるが、オプションだったり、自分で用意する場合もある。

サブバッテリーってどんなもの?

サブバッテリーと、いわゆる自動車のバッテリーはどう違うのか。

サブバッテリーは「ディープサイクルバッテリー」と呼ばれるタイプのものが多い。外見は普通の自動車用鉛バッテリーに似ているが、出力の特性がまったく違う。

■自動車用鉛バッテリー
Car Battery

スターティングバッテリーとも呼ばれる、通常の車用鉛バッテリー

「始動用バッテリー」とか「スターターバッテリー」とも呼ばれ、文字通りエンジンを始動させるためのもの。セルモーターを駆動する、ほんのわずかな時間だけ使うのだが、このセルモーターがなかなかに大電量を必要とする。そのため一発ガツンと、短時間に大電流を出すのが得意なスプリンターだ。

■ディープサイクルバッテリー
DeepCycle

見た目は車用バッテリーと変わらないが、出力特性が違うディープサイクルバッテリー

小電流を長時間取りだすのに向いている、いわばマラソンランナー。照明や暖房など、一定時間使い続ける消費パターンに適応したバッテリーというわけだ。サブバッテリーの中でもこのタイプが主流で、特に記載がなければ標準装備のサブバッテリーはこのタイプだと思ってよい。充電器など周辺機器も充実しており、価格も最も多く使われている100Ah前後のタイプで2万円程度と安価。当分の間は主流であり続けていくだろう。

リチウムイオンバッテリー
lifpo4

次世代のバッテリーとして期待されるリン酸鉄リチウムイオンバッテリー。形状は様々ある。

新種のサブバッテリーとして、昨今注目されているのが高性能のリチウムイオンバッテリーだ。鉛バッテリーと比べて小型軽量なので、重量管理やスペース効率がシビアな小型車でも大容量を確保できるのが魅力。ただし、充電管理が難しいことや、コストが鉛バッテリーの数倍にもなることがネックとなっている。一部には標準で採用した車も登場してきてはいるが、バッテリーシステムだけで数十万円から百万円以上のコスト増になってしまっている。今後流通量が増えてコストが下がれば、採用する車も増えるのでは?と期待されている。

サブバッテリーの充電は?

サブバッテリーは電池なので、使ったら充電しなければならない。

■走行中の自動充電(エンジンの回転で発電)
自動車のエンジンにはオルタネーター(発電機)が装備されていて、走行中に使う電気をまかなったり、スターターバッテリーを充電している。このオルタネーターが作った電気をサブバッテリーの充電に回るような仕組み=走行充電がキャンピングカーには備わっている。

バッテリーの残量や、走行パターンによって異なるが、走行充電だけでゼロ近くにまでなったサブバッテリーを充電するには、数時間の走行が必要だ。

■キャンプ場や自宅電源など、一般のAC100Vの電源につないで充電
キャンピングカーは家庭用AC100V電源を繋ぐコードが用意されている。このコードを繋ぐと、車内で使う電気は全て外部からの電力でまかなわれ、同時にサブバッテリーの充電もされる仕組み。

最近ではキャンピングカーの屋根にソーラーパネルを取り付けて、サブバッテリーに充電する人もいる。 太陽光がありさえすれば、勝手に充電してくれるので便利だ。


旅先で快適な生活をするために、不可欠なのが電気の供給。自由気ままな旅だからこそ、電源の確保は万全にしておきたい。
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