雑貨/北欧・ヨーロッパ雑貨

パリの人気デザイナー「パピエ ティグル」の店舗OPEN

日本橋浜町という、一風変わったエリアに、パリで人気のデザイナー「PAPIER TIGRE(パピエ ティグル)」のショップがオープンしました。ペーパープロダクト・ステーショナリー等を中心に展開する、世界で2つ目の店です。

江澤 香織

執筆者:江澤 香織

雑貨ガイド

世界で2つ目!パリの人気デザイナー「パピエ ティグル」のショップが開店

「PAPIER TIGRE(パピエ ティグル)」は、主に紙を使ったプロダクトやステーショナリーのデザイン、制作、販売を行うブランド。2011年より、デザイナーのジュリアンとアガット、マーケティング&広報を担当するマキシムの3人で、パリを拠点として活動しています。海外店舗は日本が初めてのことだそうです。

パリの街角にもありそうな雰囲気ある建物です。

パリの街角にもありそうな雰囲気ある建物です。


店があるのは日本橋浜町。少し歩けば人形町や水天宮前など、江戸の情緒をほのかに残した風景を見つけられるエリア。隅田川や浜町公園など自然を感じられる場所もすぐ近くにあります。今回は水天宮前の駅から店まで歩いてみましたが、古い建物と新しい店が混在するなかなか面白い街並みで、あちこちキョロキョロしながら散歩気分でたどり着くことができました。

緑が映える外観

緑が映える外観

シンプルなインテリアの店内。

シンプルなインテリアの店内。

50年以上前の建物をリノベーションした、味のある空間

建物の設計は、デザイナーの柳原照弘さん。ハッと目を引く白い外観は、1961年築の木造建築。元々は印刷会社だったり、飲食店だったりしたそうです。白い外壁や窓、鉄骨などはそのまま残してリノベーションされ、2Fはシェアオフィスになっています。棚やテーブルなどの什器はよくよく見ると再生紙を圧縮した素材!紙でできた什器なんだそうです。

お茶がずらりと並ぶ棚。

お茶がずらりと並ぶ棚。


さらに、店内には日本茶を専門にしたティーサロン「Salone de thé PAPIER TIGRE(サロン・ド・テ パピエ ティグル)」があります。こちらも初めての試み。全国から集まった無農薬有機栽培のお茶を楽しむことができます。


デザインのインスピレーションは「旅」

さて、まず最初にお話を伺ったのは店長の中山千明さん。中山さんは以前、福岡で雑貨店を営んでいたそうですが、元々パピエ ティグルの商品が大好きで、自身の店でも扱っていたとか。そういった様々なご縁もあり、店のオープンに伴って福岡から東京へ移り住んできたそうです。「自分が店で扱っていた頃と比べると、今はさらに幅が広がっているように感じます。以前はステーショナリー中心でしたが、壁紙やオブジェ、洋服などもあり、ライフスタイル全般を表現しています。新しいコレクションはいつも見ていて面白く、ワクワクするようなデザインです」
カラフルなデザインは旅から生まれたインスピレーション

カラフルなデザインは旅から生まれたインスピレーション

ティーサロンで使われる箸置きはパピエ ティグルのトラのロゴマーク。

ティーサロンで使われる箸置きはパピエ ティグルのトラのロゴマーク。


聞けばパピエ ティグルのメンバーは日本が大好き。そもそもブランド名の由来はフランス語を訳すと、パピエ=紙、ティグル=トラで、日本の「張り子のトラ」を意味します(ロゴマークもトラ)。紙はもろい印象だけれど、工夫次第で強くなる。トラの強いイメージと掛け合わせてブランド名となったとか。彼らは日本には何度も来ていて、日本食にも詳しいそうです。「ちょっと日本人っぽいなと思うことがあります。時間をきちんと守るところとか。メールすると細やかにレスポンスが返って来たりするんです」と中山さん。
インテリアになるバッグやポスターのような壁紙。

インテリアになるバッグやポスターのような壁紙。


旅が好きな彼らは、主に旅先の風景がデザインのインスピレーションになっています。新作は「メキシコ」で、マヤ文明などを思わせる大胆な絵柄。自分たちが実際に見た風景がアイディアのベースになっていることが多いそうです。そして特徴的なのは、使う人が使い方を創意工夫しながら、面白がって使えるよう、促してくれるようなデザインが多い、ということ。例えばノートなら、ドットのページの中に、たまに方眼が1ページだけ入っているという、いたずらっぽい仕掛けが。チラチラと遊び心が感じられ、使っていて飽きないお茶目な楽しさがあります。

クオバディスとコラボした手帳。罫線に遊び心が。

クオバディスとコラボした手帳。罫線に遊び心が。


日本オリジナルでは、クオバディス・フランスとコラボレーションした手帳があります。休日などは日本仕様になっているので使いやすい。さらに、現在日本企画でファブリック製品を計画中だとか。スタッフが来ているワークコートもその一つ。ノートとペンがポケットにちょうどよくすっぽり入るデザインが特徴的です。他にキッチンクロスやバッグなども登場の予定だそうです。
中山さんにワークコートを着ていただきました。

中山さんにワークコートを着ていただきました。

このポケットがミソです。

このポケットがミソです。

日本各地の志高い農家から集まった日本茶が飲めるティーサロン

さて、ここにはティーサロンも併設されています。日本茶の取り扱いを行なっているUGLY CARAVANの沼田直哉さんにお話を伺いました。沼田さんはここへ来る前はオーストラリアに住んだことをきっかけに、ニュージーランドのコーヒー会社で働いていたそうです。「ニュージーランドやオーストラリアには良いカフェが多く、現地のカフェ文化を伝えたいと、その後は日本でのカフェの立ち上げなどに関わっていました。そこで次は日本の文化を海外に伝えたいと思うようになり、日本茶に興味を持ちました。お茶を独学で学び、現地で茶園の様子を見て、農家の話を聞いて。一番大事なことは、お茶ができる背景をきちんと知り、伝えていくことだと思っています。今も全国各地の茶園を訪問する旅を続けています」

お茶が飲めるカウンター。茶釜もあります。

お茶が飲めるカウンター。茶釜もあります。

沼田さんに淹れていただきました。

沼田さんに淹れていただきました。


オープン時には各地から集めた12種類の日本茶を用意。どの農園も標高高く山の奥深い場所で、訪問するだけでもなかなか大変だったそうです。茶葉は完全無農薬有機栽培(1農園だけ減農薬栽培)で、それぞれに強いこだわりと高い志を持ったお茶農家さんが、自信を持っておすすめするお茶。全て品種の違うシングルオリジンで、香りや味わいの違いを楽しめます。直接現地に行っている沼田さんから、茶園の様子や農家さんのキャラクターなどを説明してもらいながらお茶を淹れていただくと、味わいが一層深まり、愛着も湧いてきました。
茶葉を見比べると違いがわかって面白いです。

茶葉を見比べると違いがわかって面白いです。


パッケージデザインにも沼田さんの思いが強く表現されています。PNTのロゴは「People and Tea」の意味。人との繋がりを大事にしている沼田さんらしいロゴです。フォントは、江戸の幕末期頃から茶筒に使われていた蘭字というものだそうです(その当時、お茶は海外貿易で有力な輸出商品でした。蘭字は浮世絵工房の伝統技術が生かされ、欧米で人気が高かったそうです)。パッケージの色は、各茶葉の香りや味わいを視覚的に表現しています。全てに生産地、農園、品種、収穫期、そしてフレーバーノートが記されています。
とても美味しいお茶でした。今後は茶器もプロデュースしたいそう。

とても美味しいお茶でした。今後は茶器もプロデュースしたいそう。


パピエ ティグルのメンバーも、オープン時に来日し、ここでお茶を楽しみました。このような日本茶を飲むのは初めてのことだったそうで、産地によってこれだけの品種があり、味や香りが違ってくることに「まるでワインみたい」と驚かれていたそうです。ここではお茶と一緒に軽食や、日本橋浜町界隈にある店舗と提携し、季節の和菓子なども楽しめます。
ランチは素材にこだわり、軽食スタイル。(おにぎりもあります)

ランチは素材にこだわり、軽食スタイル。(おにぎりもあります)


浜町のある東東京エリアは、今様々な地域開発が行われており、新たな街づくりとして魅力を発揮している注目の地域です。散策してみると、まだまだ面白い発見がありそうなので、ぜひ訪ねてみてください。

窓の外には神社が見えます。

窓の外には神社が見えます。


PAPIER TIGRE(パピエ ティグル)
東京都中央区日本橋浜町3-10-4
TEL 03-6875-0431
営業時間11:00-19:00(定休 日曜/月曜)
https://papiertigre.jp


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