有事の時は「金」
昔から有事の時は「金」といわれ、戦争やテロ、政治不安など、世界経済を揺るがすような事態が起きると決まって「金」投資に注目が集まります。というのも、株や債券は発行体が倒産してしまった場合には価値がゼロになってしまうかもしれませんが、実物資産である金は価格が下がることはあっても価値がゼロになることはないからです。また、金は世界中どこにいっても取引できるのがメリット。とはいえ、金のメリットはわかったけれど、いきなり投資となると尻込みしてしまう…という人も多いはず。そこで、今回は初心者におすすめの金投資の方法をご紹介します。
ピンチの時こそ金が強い!資産の一部を金で持とう
昔から有事の時には「金」に注目が集まりますが、ここ最近は、トランプ大統領の当選、日本のマイナス金利、英国のEU離脱決定、北朝鮮リスクなどがあり、資産の避難先としての金の価格は右肩上がりです。一方、株式などは、世界経済が混乱するような出来事が起こると、価格が大暴落するので、資産の大半を株式で持っていると、大きな打撃を被ることも。ですから、有事の時に備えて、資産の一部を金で持っておくことは有効です。
また、万が一、日本が破綻することがあっても、金は世界中どこにいっても取引できるのもメリット。お金持ちの人は、世界経済が危機になると、金やプラチナなどの実物資産に資産をシフトさせる傾向にあるよう。それだけ、有事のときには「金」が頼りになるということですね。
初心者におすすめなのは「純金積立」
金に投資をした方が良いのはわかったけど、いきなり金に投資といわれても何をしたら良いのかわからない…という人は少なくないことでしょう。ひとくちに金投資といっても、金に投資する方法は、(1)ゴールドバー(棒状の地金)、(2)地金型金貨、(3)金に投資しているETF や投資信託、(4)純金積立の4つがあります。
この中でも初心者にオススメなのが、「純金積立」です。純金積立は、純金積立を取り扱っている業者と契約を結び、毎月一定額を積み立てながら金の現物に継続的に投資をしていく仕組みの商品のこと。
純金積立は、「田中貴金属工業」や「三菱マテリアル」などの貴金属商や鉱山会社、「SBI証券」や「楽天証券」などのネット証券などで始めることができます。
なお、田中貴金属工業、三菱マテリアルでは、3000円からSBI証券、楽天証券では、1000円から積み立てることができ、毎月指定の口座から自動的に引き落とされます。貯蓄が苦手という人でも、自動引き落としなら、手間なく簡単に積み立てることができますね。
ドル・コスト平均法で安定的な運用を目指す
毎月自動的に引き落としになることに加えて、毎月積み立てることのメリットは、「ドル・コスト平均法」が活用できることです。純金積立は、毎月3000円なら3000円を買い付けていきます。購入額が一定ということは、金の市場価格が高いときには、買い付け数量が少なく、市場価格が低いときには、買い付け数量が多くなります。一般にこの投資法のことを「ドル・コスト平均法」といい、平均購入単価を下げる効果があります。
また、毎月積み立てる以外に、「今金の価格が下がっているから買い増ししたい」「臨時収入が入ったから買い増ししたい」という場合もあるでしょう。その際には、積立日以外でも自由に買い増すことができます。これを「スポット購入」といいます。スポット購入を活用することで、積極的な運用も可能なわけです。
始める前の注意点は?
前述の通り、純金積立は、貴金属商や鉱山会社、ネット証券などで始めることができますが、業者によってコストやサービスの内容はさまざまなので、注意が必要です。純金積立では、年会費や買い付け手数料などのコストがかかります。年会費は業者に支払う管理費のようなものですが、業者によって無料から数千円程度とかなりの差があります。
また、買い付け手数料は、購入金額に応じて数%かかります。これは、購入の度にかかるので、積み重なると負担が重くなります。
各業者のホームページなどで、よく確認してから申し込むようにしましょう。
純金積立の隠れたメリットとは
最後に純金積立の隠れたメリットをご紹介します。それは、積み立てている金は「金貨」や「宝石」などと交換することができることです。私が純金積立をやっている業者では、定期的にジュエリーのパンフレットが送られてくるのですが、「もう少しでこの宝石と交換できる!」と思うと、モチベーションが上がります。
もちろん、現金化も可能ですが、「積み立てた資産がちゃんと形に残る」というのは、安心感がありますね。
現代は、変化が激しく、何が起こるかわからない時代。有事の時に備えて、今から少しずつ金を積み立てていくのもよいのではないでしょうか。