「車の中でトイレ?冗談じゃない! 絶対いらない!」という人もいれば「トイレのないキャンピングカーなんて、考えられない!」という人も。キャンピングカーのベテランユーザーも予備軍も、たびたび話題になり、意見が真っ二つに分かれがちなのが「トイレ」なのである。
真剣にトイレを品定めするのはキャンピングカーショーならでは!?

真剣にトイレを品定めするのはキャンピングカーショーならでは!?


いらない派は……
・道の駅だってSA・PAだって、どこにだってトイレはある!
・後処理が面倒(というか、したくない)
というのが主な主張だ。

必要派は……
・トイレのために行動が制限されずに済む
・処理は(思ったより)簡単だし嫌じゃない
というのが主な言い分。

さてさて、実際のところどうなのだろうか。

車載トイレの仕組みを知ろう

まさか垂れ流す訳にはいかないので、キャンピングカーのトイレは「排泄物をタンクにためておいて、所定の場所で処理する」ことになる。

「タンクにためる」とはいっても、昔ながらのくみ取り式トイレとはつくりが違う。臭いが漏れないように、タンクにシャッターが付けられていたり、タンクに投入しておく専用の薬剤もあり、居室空間が快適に保てるよう、工夫されている。

その仕組みは大きく分けて3タイプ。

■ブラックタンク式
アメリカ製の車両で使われるタイプ。タンクは車両に固定されており、取り外すことはできない。中身の処理は車外の排出口に専用ホースをつなぎ、反対端を汚水升に接続して直接流す。汚物を見ることなく、操作もレバーひとつ、楽に処理できる。車両にもよるがタンクの容量は数十リットルから100リットル以上あるものも。家族での長期旅行にも対応できる。このタイプはセンサーがついていて、居室内でタンクのたまり具合もチェックできるのも嬉しい。

■カセット式
ヨーロッパ製の車両はほぼこのタイプ。日本製のキャブコンなどでも、よく使われている。トイレ本体は車両に据え付けだが、汚物タンクは取り出し式。処理するときは手動でタンクを外してトイレや汚水升まで運び、自分で流す必要がある。タンクにはシャッターが取りつけられていて、取り外すと閉まり、臭いも中身も漏れることはない。タンク容量は20L前後。長期旅行や家族連れでの連泊の場合は、どこか途中で処理する必要が出てくるかも。
トレーラーに設置されたカセット式トイレ

トレーラーに設置されたカセット式トイレ


■ポータブル式
カセット式と仕組みはほぼ同じ。ポータブルの名前の通り、トイレ本体は固定されておらず、丸ごと持ち運びが自由なので必要な時だけ搭載して使う。処理の仕方はカセット式と同様。タンク容量は10L程度。常用するにはやや容量不足だが、緊急用や子供用と考える分には十分な容量だ。

気になる「処理」をどうするか……

ヨーロッパのダンプステーション

ヨーロッパのキャンプ場の「ダンプステーション」

いずれの方式でも、タンクの中身を処理しなくてはならないことは同じ。そしてその処理は、自宅に帰って来て行うのが基本だ。自宅以外で処理する場合は、

・キャンプ場
・RVパーク

の一部には「ダンプステーション」という処理設備の整っている場所もあるので、そこを利用することになる。長距離・長期間の旅ならば、日程の途中にダンプステーションのある施設を組み込んで、使わせてもらうのが賢い方法だ。

最近では紹介した3タイプのほかに、もっと簡単な方式のトイレも登場している。トイレ本体に特殊フィルム製の専用袋がセットされていて、用を足す前に専用の凝固剤を投入し、用を足すたびに一回ずつ密閉パック。凝固剤は紙おむつで使用されるポリマー剤と同等のもので、パックされたものは燃えるゴミとしてそのまま出せる。これならタンクの中身を空にする手間もなく、ゴミとして処理できるので方式としては最も手軽といえるだろう。

「車の中にトイレなんて……」と思う方も多いと思う。だが、実際に使ってみると、使う前にあれこれ心配していたことが杞憂だったことがわかるはず。実に快適で、なにより不安がない。「トイレの心配がいらない」ことが、シニアや幼い子供を連れての旅で、どれほど心強いことか。

今や日本全国に、コンビニや道の駅もある。だが、悪天候時や冬の夜……などを考えると、あれば絶対助かる装備だろう。もちろん「なるべく使わない」という人もいるが、備えておけば憂いなし。また、キャンピングカーを「防災」のために活用しようという人ならなおさらだ。

「うちは要らない!」と思う方でも、ポータブルタイプだけでも用意しておくことをおすすめする。
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