男の子育て/ワークライフバランス・男の育児休暇

100年生きたとしても子育ての期間はわずか10年ほど!?

「自分が仮に100年間生きるとして、何歳まで子育ての期間があるのか?」を考えてみると、案外短期的な目線でとらえていることに気づかされます。人生の全体から子育て期間を考えてみることが大切なのではないでしょうか。

徳倉 康之

執筆者:徳倉 康之

男の子育てガイド

人生100年と考えた場合、子育て期間はどれくらいなのか?

100年ライフの子育て期間は約10年間?

これからの人生100年時代、生き方や働き方が変わる中、子育ての期間をどうとらえるか。

日本では2016年秋に上梓されベストセラーとなった『ライフ・シフト』(リンダ グラットン著)では、100年時代の人生戦略として生き方・働き方について触れ、日本でも反響を呼びました。

同書では各年代によっての生き方・働き方について、経済学的な視点から書かれています。それと併せて、今子育て中の世代も約半数が100歳まで生きるだろうと予測されており、社会における彼らの生き方についても書かれています。

この本を読み、「自分が仮に100年間生きるとして、何歳まで子育ての期間があるのか?」と、ふと考えました。
 

 

親子関係は子供の成長とともに変化していく

いつまでが「子育て」の期間なのでしょうか?

いつまでが「子育て」の期間なのでしょうか?

そんな私自身、共働きの妻と共に3人の子育て真っ最中です。

保育園の送り迎えやお弁当の準備、小学生になっても様々な学校行事の把握や宿題の確認など、仕事と日々の生活に追われる毎日なのは子育て中の皆さんと全く一緒。

「自分が仮に100年間生きるとして、どう生きるべきか?」とふと考えることがあります。改めて考えてみたときに、いつまでが「子育て」の期間なのでしょうか?

親子関係はいつまでたっても変わらないとはいうものの、先輩パパたちの話を聞いていくと、以下の三段階に分かれているようです。
  • 第一段階は、生まれてから小学校に入学するまでの約6年間
  • 第二段階は、子供の思春期突入まで
  • 第三段階は、高校卒業時にやってくる大学進学や就職

この三段階を山口県の教育者が伝えているとされる「教育四訓」と照らしてみると
  • 「乳児はしっかり肌を離すな」→(第一段階)
  • 「幼児は肌を離せ手を離すな」→(第一段階)
  • 「少年は手を離せ目を離すな」→(第二段階)
  • 「青年は目を離せ心を離すな」→(第三段階)
このようになると考えました。

 

父親の育児時間は、一生のうちの「たった100日程度」で終わってしまう

父親の育児時間は、一生のうちの「たった100日程度」

父親の育児時間は、一生のうちの「たった100日程度」

実際、直接的な家族の時間は子供が成長するにしたがって減っていくもので、それは思春期を境に急な変化になる場合も多いように感じます。

振り返ってみると自分自身も思春期に入った時期から、直接的な親との距離を取るようになりました。

そう考えると、連日仕事で忙しい日々であっても100年ライフのうち子供が思春期に入るまでの10年くらいは、「子育て」の時間を大事にする期間なのだと、わずかでも価値観を変えるきっかけになるのではないかと思うのです。

別の言い方をすると、「短期的な目線ではなく、人生の全体から子育て期間を考えてみる」ことが大切と言えそうです。

もしかするとこの記事を読まれている方の中には、思春期に入るまでの10年と聞くと長いように思われるかもしれません。

しかし、10年間の中で実際に育児に関わる時間はどのくらいなのでしょうか?世に出ているデータで簡単に計算してみました。

内閣府の発表(※)によると、6歳未満の子を持つ父親の一日平均の育児時間は約40分程度ということがわかっています。

一日24時間あるうちの40分。一日のたった2.8%程度です!

例えばこのペースを基に単純計算すると、
1日40分×365日×10年間=約101日
一年間に約10日間、10年間で約100日間育児に関わる時間があるということです。

もちろん睡眠時間などは含まれていませんのでもう少し日数はあると思いますが、10年間で一区切りと考える場合、「育児時間は一生のうちの、たった100日程度で終わってしまう」計算になります。

あくまで一つの目安としてですが、この数字どう感じますか?

 

1%の努力が10年後大きな差となる

「10年間は長いから、今は子育てよりも仕事に集中する」
そう言っている間に、子供が大きくなってしまった場合の父親としての後悔は計り知れないものがあるそうです。

私が直接話を伺ったケースでも、一部上場企業の社長になった方でさえ子供が小さいときの海外単身赴任を悔いて、それ以来一切の単身赴任を断り、家族を第一にしてキャリアを築かれた方がいます。

また同じように大変有名な企業のトップでありながら7回もの転勤を繰り返し、結果的に子育てを妻に任せっきりにしてしまったことが唯一の心残りで取り返せないものだとおっしゃっていた方のお話もとても印象的でした。

子供が小さい今だからこそ、「時間を割いて行う子育ての期間は限られているのだ。」と気づけた父親が、実は仕事のキャリアも子供のとの時間も、そして夫婦のパートナーシップやコミュニケーションの取り方も能動的に変えられる「イクメン」なのではないでしょうか?

毎日の子育て時間を一日の時間の中で、ほんの1%(約15分!)上げていく、そんな努力が10年後大きな差となって親子の関係性や家族のあり方に影響を与えるのだと思うので、是非心がけてみてください。


(※)参考データ
「総務省社会生活基本調査」(平成23年)
 
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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