2017年9月22日発売予定、予約注文は9月15日から
現地時間2017年9月12日に、アメリカで開催されたAppleのプレスイベント。同イベントで“iPhone X(アイフォーン・テン)”が発表されたのは既報のとおりだが、同時にiPhone 8および8 Plusもお披露目となった。【関連記事】全面ディスプレイのiPhone X発表、11月3日発売開始
全面ディスプレイを搭載したiPhone Xに対し、iPhone 8および8 Plusは本体下部にホームボタンがある従来デザインを踏襲している。本体カラーはシルバー、スペースグレイ、ゴールドの3バリエーションで、64GB・256GBモデルの2種を展開。価格は64GBモデルが78800円[税別](iPhone 8)と89800円[税別](iPhone 8 Plus)、256GBモデルが95800円[税別](iPhone 8)と10万6800 円[税別](iPhone 8 Plus)になっている。
発売は2017年9月22日予定で、予約注文は9月15日より開始される。
iPhone 7シリーズよりさらにパワフルに!
搭載されるCPUはiPhone Xと同じく“A11 Bionic”。2つの高性能コアと4つの省電力コアで構成され、iPhone 7シリーズに搭載されていた“A10 Fusion”と比べると高性能コアは最大25%、省電力コアは最大70パーセント高速化。にも関わらず、バッテリーの駆動時間は前機種と同程度で、よりパワフルなパフォーマンスを実現している。ニューラルエンジンを搭載し、速さが必要な機械学習の演算処理も効率良くこなせるとしている。また、A11 BionicからAppleの独自設計による3コアGPUを組み込んでおり、前世代と比べ30%高速なグラフィックス性能を提供。これにより、ARアプリケーション、没入感のある3Dゲームを可能にする。
ディスプレイはより美しく、サウンドはより迫力アップ
4.7インチ(iPhone 8)と5.5インチ(iPhone 8 Plus)のディスプレイには、Retina HDディスプレイを採用。True Toneテクノロジーが加わったことで、ディスプレイのホワイトバランスを周囲の光に合わせて変化させ、より自然な描画を実現する。ステレオスピーカーは従来機と比較して最大25%大きな音を出すことが可能で、低音も強化された。また、iPhone 7シリーズと異なる点として、耐久性のあるガラスで背面を覆ったデザインを採用。ガラス仕上げは7層のカラープロセスを使って正確な色調と不透明度を実現したもので、深みのある色と、航空宇宙産業で使われているものと同じグレードのアルミニウム製フレームを特長とし、耐水性能と防塵性能を備えているとのこと。
カメラも進化
カメラはより大きく高速なセンサー、新しいカラーフィルター、より深みのあるピクセルを持った12メガピクセルのカメラに進化。iPhone 8 Plusは広角カメラと望遠カメラのデュアル12メガピクセルカメラを搭載しており、進化したポートレートモードで撮影することができる。改良された手ぶれ補正機能を装備。最大60fpsの4Kビデオ、最大240fpsの1080pスローモーションビデオを撮影することが可能になった。
また、iOS 11環境では、iPhone 8およびiPhone 8PlusともにHEIF(High Efficiency Image Format)およびHEVC(High EfficiencyVideo Codec)をサポートし、最大2倍の圧縮率を実現。従来と比べて、同じストレージに2倍の容量の写真とビデオを保管することができる。
同時発表されたiPhone Xと同じところ、違うところ
以上のとおり、本体デザイン面も含めて前モデルのiPhone 7シリーズから大幅な進化を遂げたiPhone 8シリーズ。一方で気になるのは、同時に発表されたiPhone Xとの違い、あるいは共通点だろう。まず、iPhone Xの目玉機能とも言えるTrueDepthカメラを使った顔認証機能“Face ID”は、iPhone Xのみ搭載。iPhone 8シリーズでは、従来どおりホームボタンによるTouch ID認証となっている。また、同じくTrueDepthカメラを使う“アニ文字”もiPhone Xのみの機能だ。
一方、両者の共通点は?となると、これが意外と多い。前述したとおり、搭載されるCPUはiPhone X、iPhone 8および8 Plusいずれも“A11 Bionic”となっており、性能面ではどの機種を選んでも不満を感じることはなさそう。また、本体容量が64GB&256GBの2モデル展開という点も同じ。さらに、写真やビデオを最大2倍の圧縮率で保存できる機能も共通している。それ以外にも耐水・防塵など、細かい点を見ていけば共通点は思った以上に多いことがわかる。
そして、今回の発表におけるもうひとつの目玉とも言えるワイヤレス充電機能。これも全モデルに共通で搭載されているのだ。もちろん2018年発売予定のAirPowerも、iPhone 8シリーズで使うことができる。
iPhone Xがシリーズの“革新“だとすれば、iPhone 8シリーズは“正統進化”と呼べる存在になりそうだ。
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