iPhone Xは2017年11月3日発売、予約は10月27日から
現地時間2017年9月12日に、アメリカで開催されたAppleのプレスイベントで、同社スマートフォンの最新機種“iPhone X(アイフォーン・テン)”が発表された。発売は2017年11月3日予定で、10月27日より予約が開始される。本体カラーはシルバーとスペースグレイの2種類が用意され、64GBおよび256GBモデルを展開。価格は64GBモデルが11万2800円[税別]、256GBモデルが12万9800円[税別]となっている。
シリーズで初めての全面ディスプレイを搭載
iPhone Xでは従来までのiPhoneシリーズからデザインを一新。ディスプレイ周囲のベゼルをほぼ完全に排し、5.8インチのSuper Retinaディスプレイによる全面ディスプレイを実現している。さらに、本体下部にあったホームボタンも廃止。本体下側からスワイプするだけでいつでもホーム画面へ戻れる仕組みになり、また利用者の顔を認証するシステム“Face ID”によって、iPhone X本体に利用者の顔をかざすだけでロック解除、認証、支払いが実行できるようになった。
顔認証は立体的に顔データを作成、写真などのなりすましも防止
iPhone Xの目玉とも言える顔認証機能のFace IDを可能にしたのは、ドットプロジェクタ、赤外線カメラ、投光イルミネータで構成される最高水準の“TrueDepthカメラ”。30000以上の目に見えないドットを投射して解析することで、利用者の精緻な深度マップを作成する。つまり、奥行きも含めて立体的に顔の造型を捉えるので、写真やマスクなどを利用したなりすましが防止できる仕組み。顔をかざすだけで、本体ロックの解除や、各種認証が行える
作成した顔データは機械学習によって外見の変化に常に適応。髪型を変えたり、帽子を被ったりしていても認証には問題ナシ。また、これらのデータの保存や処理にクラウド接続は必要なく、すべて個人の端末に格納されるため、セキュリティー面でも安心だ。
利用者の表情に合わせて動く絵文字“アニ文字”とは?
TrueDepthカメラは顔認証だけでなく、優秀な前面カメラとしても活躍する。7メガピクセル、広色域キャプチャー、正確な露出コントロールを特長としており、被写界深度エフェクトがかけられるポートレートモードを使えば、セルフィー撮影のクオリティーもグッと向上しそうだ。さらに、TrueDepthカメラによって“アニ文字”と呼ばれる機能も利用が可能に。自分の顔を撮影し、微笑んだり、しかめ面をしたりすると、その表情がパンダ、ユニコーン、ネコなど12種類あるアニ文字のいずれかに反映され、加えて自分の声を添えることも。作成したアニ文字は、iPhone X標準搭載の「メッセージ」アプリを通じて、送ることができる。
これがアニ文字。グリグリと動く
カメラ機能もさらに進化したiPhone X
カメラ機能の進化は、TrueDepthカメラだけではない。背面には再設計されたデュアル光学式手ぶれ補正(OIS)を備えたデュアル12メガピクセルカメラ。広角カメラのf/1.8開口部と、改良された望遠カメラのf/2.4開口部を組み合わせることで写真やビデオの品質が向上する。フラッシュは従来の2倍の均一性の照明を作り出せるほか、背景を適正露出で捉えられるスローシンクロにも対応した。動画撮影では、手ぶれ補正、最大60fpsの4Kビデオ、最大240fpsの1080pスローモーションビデオが撮影可能だ。ポートレートモードも進化し、ディテールはよりシャープに、背景のぼかしはより自然になった。5種類の異なる照明スタイルを使って、浅い被写界深度エフェクトで印象的な写真を撮ることができるポートレートライティング機能も搭載する。
なお、iOS 11環境ではHEIF(High Efficiency Image Format)およびHEVC(High Efficiency Video Codec)をサポートしており、最大2倍の圧縮率を実現。同じストレージに2倍の容量の写真とビデオを保管できるとのこと。
充電はワイヤレス対応!3台同時に充電できる“AirPower”も登場
iPhone Xでは、1回の充電によるバッテリー駆動時間がiPhone 7より最大2時間長くなる。さらに、これもiPhoneシリーズでは初となるワイヤレス充電に対応。既存のQi規格のQiエコシステムに対応しており、世界中のホテル、カフェ、空港などにあるワイヤレス充電ステーションやマットでケーブルを接続することなく充電が可能だ。【関連記事】ケーブル不要でスマホを充電「ワイヤレス給電」とは
また、iPhone Xのために作られたワイヤレス充電器“AirPower”も登場。マットのようなデザインで、使い方はそこに最新のiPhone、Apple Watch、AirPodsなどの対応するデバイスを置くだけ。最大3台まで同時に充電することができる。こちらの発売は2018年を予定。
【関連ガイド記事】
新iOS「iOS 11」の進化ポイントとは