セックスしたいタイミングや頻度が合わない
セックスしたいタイミングや頻度が合わないという女性たちは少なくないが、自分で解消へと動いた女性たちも。
「セックスそのものに不満があるわけではなく、彼と“したいタイミング”が合わない。たとえば週末、天気も悪いし、今日はどこへも行かずに家で過ごそうとなったとき、私はいちゃいちゃしながらそのままセックスになだれ込みたいんです。でも彼は、昼間は一緒にDVDを観たり、それぞれ本を読んだりして過ごし、夜になってからベッドできちんとセックスしたいみたい。家で過ごすなら昼間からセックスしたっていいのに……」(31歳)
「お互いに忙しいので、会えるのは月に3回くらい。私は会ったらセックスしたいんだけど、彼は『今日はデートだけね』と言うこともある。彼の部屋に泊まっても、2回に1回しかしないし。朝から迫ったら『かんべんして』と言われて大ショック。セックスしたいときとしたくないときに、波があるみたい。1年つきあってきて、浮気するような人ではないと思うんだけど……」(29歳)
レスというほどでもなく、セックスの内容でもなく、“したいタイミング”が合わないのは大問題だと彼女たちは言う。
セックスの頻度は多い? 少ない? 年代別・男女別の比較
現実として、人は「もっとしたいのに日常生活ではそれ以下」だと思っている人は多いのだろうか。相模ゴム工業調べによる「ニッポンのセックス/セックスの回数、セックスレスetc」によれば、セックスが少ないと答えた方に対して「もっとセックスをしたいと思いますか?」という質問をしたところ結果は次の通り。
男性の75.2%が「したい」と回答しているのに対し、女性は35.8%という結果に。/相模ゴム工業調べ
実際、周囲に聞いてみると、「女性がしたいというのにしないなんて、男の風上にもおけない。失礼だ!」と怒る40代男性はいるものの、今どきの20代30代男性からは、「つきあっているからといって、デートのたびにセックスしなくてもいいんじゃない?」という声も多い。
また、「なぜご自身の希望よりもセックスが少ないと思いますか?」
という質問に対しては、男女共に「相手がその気になってくれない(平均40.3%)」がもっとも多い結果に。20代・30代女性は「忙しくて時間がない・疲れている・子供や家族がいて機会が少ない」という回答も多くあった。
男女共に「相手がその気になってくれない(平均40.3%)」がもっとも多い結果に。/相模ゴム工業調べ
行動で「もっとしたい」を示す
話し合うよりも、行動で示すほうが効果的?
「私の彼も最初は淡泊でした。私は会うたびしたいのに、彼のほうはライブに行ったり一緒にサイクリングをしたりすると、その晩は『疲れた』と寝ちゃうんですよ。だったら……と朝から襲いました(笑)。私は彼とのセックスが好きだし、もっともっとセックスを楽しみたい。ただ、それをストレートに言うとどドン引きしちゃうタイプだろうなと思ったので、とにかく行動で示しました」
マサヨさん(33歳)はそう言って笑う。自分が性に貪欲なタイプであることを行動で示して、彼にわからせる方法だ。
「1回で満足できないときは、少し時間を置いてまた自分からいちゃいちゃ。最初は『オレ、体力ないよ』と言っていた彼も、つきあって半年ほどしたら、必ず応えてくれるようになりました。セックスってある意味で習慣なので、ずっとしていると、条件反射のように顔を見たらしたくなるってこともある気がしますね(笑)。たとえ断られても、またタイミングを狙ってすりすりと寄っていくくらいの粘り強さも必要かも!」
セックスをふたりにとって、「あまりにも特別視」しないことが大事なのではないかとマサヨさんは言う。真剣になりすぎると、どうしても「しないことが罪悪」のようになってしまうから。
「体力的に無理と彼が言えば、じゃあ今日は免除ってこともあります。性的なポテンシャルって人によって違うから、無理強いしてもよくないし。ただ、私は性的ポテンシャルが高い人間であることをつきあい始めたときにわかってもらいたかったんです」
褒めて伸ばして、余裕を見せる
よく「セックスについて彼と話し合いましょう」と言われるものの、したいタイミングが合わないことについて、きまじめに深刻に話し合えば解決策が見えてくるとは限らない。「彼の脳の報酬系に訴えかけるほうがいいですよね」
そんなふうに言うのは、マナさん(34歳)。彼女は5歳年下の彼とつきあって3年になる。
「相手が年下だったせいか、私も最初から彼にリードしてほしいなんて思ってなかったし、すごく対等に言いたいことを言い合える関係だったんですよね。だからセックスしたいときも、『したいしたい』とすり寄っていきました」
彼が「今日はそういう気分になれない」と言っても彼女はめげなかった。
「だってあなたとするの大好きなんだもんって褒めて伸ばして(笑)。私自身、男に媚びるのは好きじゃないけど、彼に媚びるのは楽しかったんです。それに彼とのセックスは本当に好きだから、褒めて褒めてその気にさせるようにしました」
心にもないことは言えなくても、本心を言葉にすることならできるはず。その際、ちょっと本心を「盛って」言うことでお互いに楽しくなるなら、それもいいとマナさんは余裕を見せる。
「私がしたいとき、彼がいつでもしてくれる。今はそういう関係になっています。彼自身はおそらくそれほど性欲が強いタイプじゃないんでしょうけど、求められればがんばります、という男になってくれた(笑)」
マナさんは楽しそうにそう言った。
深刻になりすぎないのが近道?
セックスをふたりの関係の中でどれくらい重視するか、互いの性欲をどう理解しあうかはむずかしい。だが、頭で考えて悶々としていても解決はできない。相手のあることなのだから相手との関係の中で少しずつお互いに「実感としてわかっていく」ことが重要なのではないだろうか。マサヨさんとマナさん、ふたりの共通点は「深刻になりすぎない」こと。彼との関係の中で「セックスだけをタブー視しない」ことだった。恋愛においては「たかがセックス、されどセックス」なのである。